新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

暗い若年層の未来ー定職のない若者が50%

今日は曇り空の1日でした。今日も家事のお手伝いです。今週県立高校の人事異動の内示があるので、非常勤講師の声がかかる可能性があります。就職活動中の学生さんのように、1日家にいて連絡を待たねばなりません。募集のある学校も早く決めたいので、連絡があった時不在だと別の人に回る可能性があるのです。

 学校側も早く非常勤講師を決めないと、時間割作成もできないし、それ以前に講師が見つからないと授業ができなくなります。ですから、割り当てのあった人数をすみやかに決定する必要があるのです。非常勤講師の人は数校掛け持ちもあるので、授業できる曜日が限られるので、それを聴いて時間割を作る必要もあります。

 おじさんの場合、全く及びがかからなくても何とか生活はできるのですが、ちょっと余裕のある生活をしたいし、そもそも毎日が日曜日状態から抜け出したいのです。さりとて教育困難校(授業をちゃんと聴いてもらえない生徒さんの多い学校)も大変だし、市内でも自宅から離れたところはいやなので、こちらの条件にかなう学校から声がかかれば良いと思っています。

 さて、今日は気になるニュースを見ました。内閣府の調査によると2010年に大学や専門学校を卒業した学生のうち50%がパートやアルバイト、無職だというのです。最初はうそだろうと思いました。しかし、まんざらうそでもないと思い出しました。これまでの統計だと就職率は大体85%くらいです。そうなれば就職できなかった人は20%弱というところでしょう。

 次に良く言われる就職3年以内の離職率は大卒の場合30%と言われます。それに最初から就職をあきらめている人の数を加えれば卒業後定職についていない人の割合は50%近くになります。

 困ったことに、日本の社会は新卒以外で安定した仕事に就くのは難しいのです。卒業後2年程度であれば新卒扱いと言いますが、その間に何を身に付けたのかが問われるでしょう。それに3年くらいで離職すると前職の経験が役に立つことはほどんどありません。

 さらに失業期間やアルバイト、パート期間が長くなると益々就職が難しくなります。実はおじさんの周りにも、就職してすぐに会社をやめたり、卒業しても最初から就職できなかった若者を知っています。その中には理系の大学院を卒業したり、結構有名な大学を卒業した若者もいます。どちらも会社の在り方と合わず離職したのです。

 余り問題が表面化していませんが、実は大学中退者の就職も難しいのです。高卒でも新卒ならよいのですが、中退の場合どちらでもないので、会社側の扱いも難しいです。特に中退者の場合、我慢する力が弱いのではないかと思われてしまいます。

 能力主義の時代、なんとなく大学に行ったけれど目標を失った中退者は何の能力も身につけることができません。簡単に言えば売りになるものがないのです。

 それでも大きな社会問題にならないのは、ほんどの場合自宅に住んでいるからです。親にすれば、学費もいらないし、食いぶちくらい稼いでくれれば良いという感覚でしょう。子供も自分探しとか天職とか社会貢献などという言葉に憧れて、仕事を見つけることはできません。

 女性の場合、親も結婚すれば良いという考えもあります。家事手伝いという言葉もあるように、母親の手伝いをしながらのんびり趣味や好きなことをして結婚相手を探すをいう生き方を親も望みます。しかし、現実には婚活と言う言葉もあるように、よほどがんばって相手を探さないと見つけることはできません。

 おじさんの周辺にも30代後半どころか40代に入っても定職もなくアルバイトをしたりして親と同居している女性がいます。一番恐ろしいのは、このような若者が50代に突入した時です。まずその頃には親は高齢化し、介護が必要になります。

 自宅同居の場合、家事や身の回りの世話のほとんどを母親がやります。母と子あるいは父と子特に定職もなく自宅同居の子供が介護するとなると、相当な負担になるでしょう。親は近隣の人と交流があっても子供は交流がないのが普通です。

 つまり家族が孤立することになります。今度は親が死ぬと介護からは免れますが、収入の道が途絶えます。少々蓄えがあっても、あっと言う間になくなってしまいます。定職がなければ社会保険に加入していないので、年金額も少ないです。

 なまじ自宅があったりすると生活保護を受けることもできません。さりとて自宅を手放せばホームレスになる可能性もあります。かっては貧困層の高齢化が問題でしたが、これからは逆に中流層で定職のない自宅居住の若者の将来が厳しいものになりそうです。

 大卒時に大企業の社員や公務員になれなかった学生さんは、将来中流階層になることも難しいでしょう。そうなると2010年卒業の大卒や専門学校卒の学生さんのうち、中流階層になるのは多分30%以下でしょう。その中でリストラや企業倒産などに合わなかった人だけが、定年時に中流階層のして生き残れることになります。

 現在の中流階層並みの年金(現在の貨幣価値で20万円程度)を貰えるのは2010年卒業の学生さんのうち20%弱ということになります。残り80%の若者は40年後現在の貨幣価値で15万円以下の年金で老後を送ることになりそうです。

 おじさんは雇用問題の専門家でも政治家でもないので、どうすればよいか分かりません。ただこれから起こるべき危機を認識して、それに備えて親が財産を少しでも多く残すしかなさそうです。もちろん、突然景気が回復して、雇用が急激に増大すれば別ですが。

 明日はお彼岸なので、キリスト者ですが世の習慣に従ってお墓参りに行きます。キリスト者であっても、他の宗教に敬意を払うのは構わないというのがおじさんの考えです。(この辺りは日本的宗教観です。)