新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

貧困の拡大再生産の可能性

今日は朝から曇っていましたが、午後から小雨になりました。台風接近との報道もあったのですが、思ったほど風も吹かず雨も降りません。

 今日は午前中授業でした。以前書いたことのある授業アンケートがありました。まあ余り結果は気にしていません。それでも余りひどい結果にならないようには願っています。

 株価は、さすがに、このところの値上がりの反動で安値引けでした。大きな材料はないのですが、取りあえずの利益確定売りでしょう。おじさんも買い場を狙っていますが、まだ買いの水準ではありません。持ち株を売却するとどうしても、次の株がほしくなるのですが、ここはじっと自分の決めた買い値に近付くまで待っています。

 先日格差が拡大したとの報道がありました。理由は高齢者の間で格差が広がったからだと説明されていました。また、学力テストの結果の公表を地方自治体の首長が求めているとの報道がありました。これについては以前書いたように、家庭の経済力が学力に大きく影響しているのです。

 教員の努力だけではどうにもならない部分が大きいです。さて、タイトルの貧困の拡大再生産についてです。貧困の拡大は間違いなくどこの先進国でも起こっています。理由はグローバル化と科学技術の発達です。中産階級の没落が著しいです。

 グローバル化によって技術や技能をそれほど必要としない労働者の賃金が低下しました。高度な技術を必要としない産業はどんどん安い労働力を求めて海外に出ました。日本に残った企業も低い賃金で働いてもらうしかないのです。また、景気変動の対応できるように非正規労働者を増やしました。

 非正規労働者が豊になる可能性はほとんどありません。さらに困ったことに非正規労働者にさえならない、あるいはなる気もない人が増えています。両親が年金生活でそれに依存して生きている人もいます。おじさん自身の年金とツマクマの年金をあわせるとそこそこ生きていくことができます。

 これに持家であれば家賃もいりません。パラサイトの子供のいる家庭も相当あると思います。今は貧困層としては現れてきませんが、両親が死亡する頃になると収入はなく、さりとて持家なので生活保護も受けられず、持家を売却すればホームレスになる可能性がある人がでるでしょう。

 貧困の再生産について言えば、現在貧困の家庭から脱出することが現在相当困難になっていると思います。前述した通り、技術や知識がなければある程度の収入を得るのは難しいです。現在の状況では、中卒で働くのは相当困難です。さらに高卒でも離職率が相当高いです。

 年収300万円を超える収入を得るためには高卒で安定した企業で働く必要があります。高度成長期には大手製造業の作業職として大勢の高卒者を採用しました。その人たちは現在は退職して年金生活です。その後企業の海外進出で高卒作業職の募集が激減しました。

 工業高校卒の生徒さんなどは今でも採用があると思いますが、それ以外の高校では就職は極めて困難です。専門学校に進学するとしてもお金がかかります。大学に進学しても相当レベルの高い大学でなければ500万円以上の収入を得ることのできる企業に就職するのは難しいです。

 一方起業や海外就職を進める風潮がありますが、起業の場合成功するのはほんの一部の人でしょう。海外就職に至っては一生海外で暮らさない限り、一度海外で就職して日本に帰って就職するのは難しいです。ご存じの通り、日本では新規で採用されるのが一番有利なのです。

 海外で過ごす時間が長いと年金などの問題があって老後の生活が厳しいです。雇用の既成緩和などで解雇がしやすくなれば、貧困の拡大がさらに進むでしょう。

 7年後の東京オリンピックで盛り上がるのもいいのですが、日本での貧困の拡大と再生産について手を打たなければ、社会保障費の余りの負担の重さで日本は沈んでしまう可能性があります。憲法を改正して家族の役割を重視しようとしても、貧困層は家族が皆貧困の可能性が強いので、余り効果はないでしょう。

 暗い話になって申し訳ありません。明日も授業です。