新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

離職率について思う

今日も晴天です。明日から授業ですが、今日まで暇なので家の手伝いをしています。具体的には朝晩が冷えてきたので、暖房器具を出しました。灯油も買いに行きました。逆に扇風機を収納しました。

 更衣はすでに終わりました。ところで株式相場は変動幅の大きな動きになりました。先物に振り回されているようです。と言っても、先日書いたようにボックス相場になると思います。とりあえずこれまで売ってきた値段より今日の相場が下がっているので、そんなに見込み違いはなかったと思っています。

 今日のニュースで大卒の3年以内の離職率が31%だと報道されていました。就職した人の約3人に一人が離職しているようです。その内訳をみるとなるほどと思いました。

 大手製造業や銀行、公務員などでは多分3年以内の離職はほとんどないと思います。なぜならそのような企業は現代であっても終身雇用が基本であり、大卒の場合総合職として安定した生活が保障されているからです。

 その分就職も難しいです。ある世界的な鉄鋼メーカーの内定者の出身校を見ましたが、旧帝大クラスか早慶の出身者がずらりです。理系の場合は間違いなく国立大学か早慶クラスの大学院の修了者です。

 この企業の場合、世界的な企業であるにもかかわらず文系の就職者は40人程度です。どのくらいのエントリーがあるのか不明ですが、800人としても20倍の競争率です。面接にしても4次あるいは5次面接くらいまであるのでしょう。そこまでして勝ち抜いたのにそんなに簡単に離職はしないでしょう。

 逆に大量採用大量離職の産業もあるようです。報道によれば宿泊飲食業です。宿泊は少ないでしょうから、飲食業でしょう。多分大卒者が就職するのは大手飲食チェーンだと思います。そのような企業では早い時期に店長になっても、アルバイトの雇用や指導、他の店との競争、など過酷な状況なのに待遇はそれほどでもないと思います。

 先述したメーカーや公務員、銀行などに比べて待遇や社会的評価、将来性などを考えた時離職を考えるのでしょう。学習塾などの離職率が高いのもうなずけます。この業界は経営規模が小さく、オーナー経営者が中心です。仕事は教室経営など難しい子供相手の仕事です。
 
 娯楽もパチンコ屋さんなどでしょう。以上の業界は離職率が45%以上、簡単に言えば就職者の半分近くが3年以内に離職することになります。10年もたてばほとんど誰もいなくなるのでしょう。それでまた大量募集をして就職できない大学生を集めることになります。

 介護や保育士についても募集してもなかなか集まらなくて、離職率が高いようです。ここでもネックは待遇に対して責任が重く労働条件も悪いようです。

 ではどうすればよいのかと言われてもどうしようもありません。産業の仕組み自体が離職しやすい環境にあるのです。総じて小売業は利益率が低くそのため低賃金長時間労働になりがちです。それでも介護や保育士については政府が財政支援をすることができます。

 昔教師の給与が安くてなりてがなかったのですが、戦後教師の給与水準が引き上げられて、ほとんど中途退職がなくなりました。介護についても、看護職との給与の違いが大きいです。もし、介護職についても看護職並みに給与を引き上がれば、離職率はぐんと下がり、応募者も激増するでしょう。

 保育士についても、小学校教諭並みに引き上げれば離職率は減少し、応募者も激増するはずです。社会全体で考えなければ難しいです。良いものにはお金がかかります。

 個人としてはできるだけ勉強して離職率の高い企業に就職しないようにすることです。学歴無用論を説く人もいますが、どう考えても数学や理科や英語、プラス国語が良くできる方が就職に有利です。理系で大学院まで進学すれば相当就職に有利でしょう。

 微分積分三角関数が大嫌いでは理系は無理です。高度文明社会の現代ではやはり早くから勉強しておく方が将来有利に働くことは間違いありません。

 明日は授業です。