新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

他国を理解することの難しさー文化と歴史を中心に

今日は一日中寒かったです。一時小雪も舞いました。夜からは雪が降るとの予報です。今日はそういうわけで一日中家で過ごしました。授業の予習をしたり教会の資料を作ったりしました。

 今日は円相場も株式市況も円安株高でした。そろそろ株価も反発かと思っていたので想定内です。150円くらいの値上がりだったので、まあ自律反発の範囲です。おじさんの持ち株もじわじわ上がっていますが、まだ目標値まではいきません。

 1000株で10万円の利益が目標です。さて、今日は他国を理解することの難しさについて書きます。安倍政権は靖国参拝を理解してもらおうと思って各国で広報活動をしているようです。

 しかし、なかなか難しいようです。いくら靖国神社は宗教ではない、習俗だと言っても他国では理解できないでしょう。そもそも人が死んでカミになるというのも理解できないでしょう。それも仏教徒キリスト教徒も皆カミになると言うのです。

 さらに言えば本人の希望でも家族の希望でもなく、勝手に神社がカミにしてしまうのです。以前も書いたように、厳格な宗教態度のイスラム教徒やユダヤ教徒を神社が勝手に死んだ信徒をカミとして祀っているとしたら大変な問題になるでしょう。カミとして崇めているのだから有り難く思いなさいと言って納得できるでしょうか。

 今回アメリカ大使のケネデイ氏がイルカ漁について批判的な記事を書いたと報道されていました。これも捕鯨反対運動と同じです。日本ではそれは理解が間違っているという意見が強いのですが、ヨーロッパやアメリカでは捕鯨反対の意見が多いのです。残念ながら以前はアメリカも捕鯨をしていたではないかという論理は成り立ちません。

 ハルピンで伊藤博文を暗殺した犯人を顕彰することについても同様です。独立運度は全て現在その国を支配する側にとって反乱ということになります。アメリカ独立戦争でもイギリス側からすれば許せない反乱と言うことになるでしょう。

 もしアメリカが独立に失敗していたら、ワシントンは反逆者として処刑されたでしょう。南アのマンデラ大統領も反政府活動家として長年投獄されました。

 つまり立場が異なればテロリストあるいは暗殺者と言われ、一方では独裁者を倒した英雄ということになるのです。まあ日本政府としては朝鮮併合を法的に問題なかったとしているのですから抗議するのはいいのですが、韓国側からすれば、朝鮮併合は屈辱なので無視するということになるでしょう。

 まあ、日本が敗戦後アメリカの援助で立ち直ったのは間違いないのですが、憲法は押しつけた戦後は間違っていたと主張するのが自民党です。となれば、韓国が朝鮮併合はいくらそのおかげで近代化が進んだかもしれないし、ロシアの圧力から守ってやったと言っても反発するのは道理でしょう。

 また創氏改名も朝鮮側が求めたからだという意見もありますが、中国や朝鮮にとって自分の氏というのは先祖伝来のもので、それを捨てることは屈辱だったでしょう。もちろん強制ではないというのは日本側の意見でしかありません。

 中国では女性も結婚して自分の姓を捨てることはありません。ある時中国人の先生に聞いたら、自分の姓を捨てるなど考えたこともないと言っていました。明治維新以後姓を皆持った日本と先祖伝来の姓を持つ中国韓国とでは考え方が全く違うのです。

 朝鮮では火事の時真っ先に持ち出すのは族譜だと言われます。それほど家系は大切なのです。そんな大切な姓を喜んであるいは日本に同化するために進んで棄てたとは思えないのです。某政治家は創氏改名は朝鮮側が望んだのだと言っていましたが、まずあり得ないと思います。

 同質性の高い日本ではさまざまな文化を持つ国と国境を接する国の文化や歴史を理解するのは難しそうです。どうしても、自国を基準に考えてしまいそうです。日本特殊論を余り強調するとまずいのですが、日本は文化的にも歴史的にも孤立しやすい傾向があります。

 世界が日本を理解してくれないといつも嘆いているような気もします。おもてなしや援助外交だけで世界の輪の中に入るのは難しいです。苦しくても他国の文化を理解し、我慢して受け入れなければ戦前のように世界中で孤立することになりそうです。

 日本人が好きなのと、日本という国家と仲良くすると言うのは別です。親日国台湾のトップが靖国訪問を非難したのもショックです。台湾よ お前もかです。これで東アジアで靖国参拝を支持する国はなくなりました。

 あるサイトにも書いてありましたが、アメリカが民主党だから日本に冷たいのでなく、共和党になっても変わらないだろうと思います。「船に刻みて剣を求む」という言葉があります。船はどんどん進むのに落ちた場所を船端に刻んでも仕方ありません。

 小泉参拝は非難せずなぜ安倍参拝を非難するのかと言う方もあります。船つまり時代はどんどん進んでいるのです。以前認められたことが今ではだめだということになるのは国際社会の常です。

 それを忘れて過去にとらわれたのが先の大戦です。世界中が帝国主義から撤退したのに、以前は良かったし他国もやっていたという理由で帝国主義的政策を続けて敗北しました。

 先の大戦の時代と違って、今度はドイツもイタリアも日本の味方をしてくれないでしょう。日本の孤立が将来どんどん進んで行く不安があります。もし日本が核武装したその時国際社会からの孤立が決定的になるでしょう。

 明日は授業です。