新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

減りゆく子供たちー対策はあるのか

今日は朝方雨が降りましたが午後からは晴天でした。今日はツマクマの所用のお手伝いで結構忙しかったです。

 東京都心部地震があったようです。オリンピックは大丈夫なのでしょうか。震源伊豆大島あたりだったようですが、もし震源がもう少し東京に近かったら大きな被害が出たかもしれません。

 さて今日は子供の日です。朝刊の一面には「子ども 33年連続減少」という見出しがでていました。以前は少子化社会と言われていましたが、今は完全に少子社会です。

 意外なことに人口が多い東京の子どもの割合は、人口の11%しかいません。つまり東京は子育てには向かないのでしょう。大人中心の街なのでしょう。地方で育って東京に進学や就職するということなのかもしれません。

 これも意外だったのですが、沖縄は分かるのですが、佐賀、宮崎と言った九州地方の県の子どもの割合が高かったことです。沖縄は全国1位ですが、佐賀が3位、宮崎が5位でした。

 15歳以下のこどもの中で一番少ないのが0歳~2歳で314万人です。12歳~14歳が351万人ですから、これからまだまだ子どもの数は減り続けるでしょう。今年は去年より16万人減少したそうです。

 政府も少子対策を打ち出していますが、成果がでていないようです。結論から言えば今の日本の社会体制では少子化を食い止めることができないと思います。

 団塊の世代が子どもだった頃が子供人口が最大だったと思います。次に団塊ジュニア世代が続きます。その団塊ジュニア世代が40歳代に突入しました。もう子供を産む年齢ではなくなっています。

 大勢の子どもを育てるのは無理です。理由はいくつかあります。一つは子供を一人前にするには大変だからです。昔は地域社会が子供を育てました。おじさんは、母子家庭でしたが学童保育などありませんでした。

 親が仕事から帰ってくる5時頃まで公園で遊んでいればよかったのです。公園には上級生もいて遊んでくれました。また小さな子供を連れてきても皆遊んでくれました。

 ドラえもんのドラマに出てくる空き地もたくさんありました。危険なところで遊んでけがをしても、それは自己責任でした。親に言ったりしないし、親も管理不備などと訴えたりしませんでした。

 国立大学の授業料は信じられない安さでした。だから奨学金をもらえば十分払えたのです。今は国立大学の授業料も高いです。それに皆塾に行くので教育費の負担が大変です。

 都会だと私立中学入試などで早い時期から勉強しなければなりません。大学を卒業しても就職できるとは限りません。日本は新卒採用主義なので卒業時に就職できないと安定した仕事につけません。

 かっては高卒でもそれなりの仕事がありました。おじさんの教え子の中には高卒で就職して地方銀行の支店長になった者もいます。今その銀行では高卒男子の採用はありません。

 精神的な苦労もあります。知り合いの方の子供さんでも不登校やいじめにあったりしています。いじめはおじさんの頃も少しはありましたが不登校は聞いたことがありませんでした。

 先述したことと重なりますが、子供に教育費がかかるので両親ともに働かなければなりません。専業主婦をしながら子供を東京の私立大学などのやることはできません。おじさんの息子も東京の私立大学に進学しましたが、地方だと家が一軒建つくらいのお金がかかりました。

 授業料はどこの大学でもそれほど変わらないのですが、生活費がかかるのです。昔は下宿とか大学寮に入ったりしたのですが、今頃そんなことをする学生は少ないです。

 就職などを考えると圧倒的に都会の有力私立大学が有利です。地方だと国立大学でも今は本社採用なので、面接には東京へ出向かなければなりません。その交通費や滞在費もばかになりません。東京の一点集中がそのような事態を招いたのです。

 少子化対策をしようとすれば相当思い切ったことをしなければなりません。子供は国の宝だと憲法に明記するくらいの覚悟が必要です。子供には参政権がないし、子供を持つ世代の大人はそれほど政治に熱心ではありません。

 もうひとつは子育ては親の責任をいう自己責任の原則から親を開放しなければなりません。仕事をしないで子供を育てろ、3歳までは親が育てるべきだなどと言った3歳児神話が主張されている間は少子化は止まるらないでしょう。

 全ての希望する子供を保育所があづかり、病気の子供や夜遅くなる母親のための保育を安い価格で提供し、小学校の学堂保育も時間を延長することができ、高校を無償化し大学授業料を下げて子育てのコストをぎりぎりまで下げるなら安心して子供を産んでくれるでしょう。

 ただそのためにには膨大な費用がかかります。軍備強化を主張し、家庭の責任を主張する今の政権与党にはとても受け入れられないと思います。それにそんな政策をとっても子供の減少がとまり増加に転じるのはまだまだ先です。

 移民は認めない、家庭の責任を主張し、お金は出さないなら少子化が止まるはずはないと思います。このままではいけない、いけないと言いながら革命的な変革をとげることなく、アジアの小国へと転落していくのでしょう。

 アフリカに300億円援助するならそのお金を保育所増設に回した方がよいと思うのですが。明日もツマクマの所用のお手伝いです。