新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

海外(中国)で働くということ

 今日も秋晴れで晴天でした。昨日はBSプレミアムで長江の番組を見ました。(今日も見ます。)シャングリラに麗江は以前旅行したのでなつかしかったです。義母も雲南の人を見て日本人に似ていると言っていました。本当に雲南地方は日本の風土にも似ています。竹取物語のルーツは雲南の竹文化とともに日本にやってきた伝承だとも言われています。
 
 中国東北部などに比べて随分日本の文化に近いものがあります。ところで昨日は夜の11時頃突然次女から電話があって、孫のさっちゃんがケガをしたので、手伝いにきてほしいとのことでした。すぐツマクマが行きました。高速だと1時間で次女の家に着けるのです。
 
 ケガはそれほどでもなかったようですが、手術と入院が必要なようです。孫がいるといつなん時何があるか分からないです。こんな時は日本にいて良かったと思います。それから今日はユーロの両替に行きました。なんと105、2円でした。以前は130円近くしたのですから、30%近い円高ということになります。
 
 三菱東京UFJ銀行の宣伝をするわけではありませんが、小額紙幣に分類されて(5・10・20・50ユーロ札)100ユーロずつ自動両替機で出てきました。この自動両替機はユーロとドルだけですがとても便利です。手数料が4円というのは格段に安いと思います。ドルだと1円ですがこれは別格です。
 
 さて今日は数日前中国で活躍する中小企業の就職活動がテレビでやっていましたので海外で働くということについて書きます。この会社は特別な技術を持っているようで、相当高レベルの学生さんが来ていました。よく、日本の若者よ海外に目を向けようなどという格好いいスローガンをみますが、はたして海外で働くというのはどうなのでしょう。
 
 おじさんは定年後3年中国で働くことになりました。その経験から少し書いてみたいです。まず、海外で働くと言っても、海外、おじさんの場合中国ですが、中国に進出している日本企業の本社採用か、現地採用かで決定的に違います。
 
 もし現地採用なら、現地の給与水準でしか給与が貰えないので大変です。あの若者よ海外で働こうというのは多分現地採用の意味だと思うのです。新興国はどこでもそうですが、日本とは比べ物にならないほど物価が安いです。当然その分給与も日本に比べれば安いのです。
 
 中国ですと大卒初任給で3000元(3万6千円)から4000元(4万8千円)くらいです。日本にいなくても将来のために国民年金を掛けねば受け取る年金が少なくなります。年金は当然日本円なので、これから年金を差し引くと、たとえ物価の安い中国でもぎりぎりの生活になります。
 
 また、中国で就職活動をすると言っても、当然のことながら相手企業が採用してくれる何か才能なりがなければなりません。(その国の言語も含めて)もちろんおじさんのような日本語教師の場合中国語ができなくてもかまいません。しかし、単に日本の若者というだけでわざわざ通訳をつけてでも採用するようなことは中国企業の場合ないでしょう。
 
 それから中国の場合欧米と同じで新卒より経験者優先なのです。日本の場合自社で社員を養成し、原則終身雇用で年功賃金です。しかし、中国では経歴や学歴(学士・修士・博士など)に応じて給与が決まります。それに実績主義ですから、評価されなければ何年たっても昇給しません。ですから逆にシニアで企業を退職後専門技術を持って中国に行くと日本と同じだけ給料を出す中国企業もあるのです。(偶然出会った日本人の方がそう言っていました。)
 
 そのため能力をアップさせたり、経験を積んだ社員はどんどん転職します。定期採用もありますが、中途採用は当たり前です。おじさんの学生さんも、3ケ月くらいでアメリカ系企業から日系企業へ転職しました。また、コネ社会なので、友人や知り合い、恩師などが仕事を紹介してくれるのです。
 
 健康保険は基本的に期待できないので、病気やケガをするとあっと言う間に月給1月分くらいふっとんでしまいます。これはアメリカなどの先進国でも同様でしょう。日本のような健康保険制度が整った国はないのです。また病院の技術レベルも日本以上に大きいようです。
 
 中国にいた知り合いの日本人の方はちょっと難しい病気だと日本に帰って治療していました。さらに中国にいる同じ職場の現地採用の日本人同士必ずしも仲が良いとは限りません。転職の理由に日本でも職場の人間関係を上げる人がいます。中国だけでなく外国で長年生き抜いた人は当然のことながら、個性的な人が多いです。(おじさんも相当個性的な方と一緒に仕事をしたことがあります。その方は1年で契約解除となり別の職場に行きました。)
 
 日本では出る杭は打たれ、空気を読まないと生きていけませんが、外国(中国だけでなく)では多民族国家がほとんどなので、何か業績をあげ、他人を出し抜かなければ評価されません。ですから、中国人も個性的(外国語学部特に日本語学部の先生は例外的に日本人的でした。)なのです。
 
 もし語学もだめ資格や才能もない場合、日本語を教えると言う手もあります。日本で中国語を学ぶ人口の何十倍も中国では日本語を学びたい人がいます。ですから、日本語教師の募集は多いです。ただそのためにはやはり日本語教師の経験や国語教師の経験があった方がいいです。(良い条件の大学などは特に)
 
 また、日本語教師養成講座などを受講して資格を得ておくのも最低の就職条件と言えるでしょう。日本人だから誰でも日本語が話せますが、教えるとなると又別なのです。ちなみにこの養成講座は60万円ほどかかります。何をするにしてもお金がかかるのです。(例えば作文が大嫌いな人でも中国人の学生に作文指導をしなければなりません。日本人教師の授業の定番は会話と作文です。)
 
 以上のことを知った上で志ある方は是非中国も含めて海外で働いてみてください。あなたの知らない不思議な世界が広がってきます。明日はのんびり木曜日の大学の予習をしながら過ごします。