新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

未婚時代に思う。

今日は朝から晴天です。布団干しや洗濯などに最適でした。株価はさすがに一服状態です。ちょっと買い疲れ状態でしょう。今週はこのまま調整段階に入ると思います。来週は配当落ちなのですが、配当落ちを埋めて、さらに上昇するようだと、日経平均11000円台も夢ではありません。

 おじさんの持ち株は12000円台でとんとんになる価格なので、まだまだ先は遠いです。とりえあえず利益が出たら売却して、資産の内容を整理しようと思います。電力株を資産の中心においていたので、かなりの評価損がでています。それと輸出関連も多いので、保有株式を売却できたら、動きは小さいけれど為替相場と関係ない国内関連株(地銀や食品など)も資産に組み込もうと思っています。

 さて今日は未婚時代について書きます。今日の朝日新聞に「きずな」について特集していました。その結果を参考に未婚時代について思うところを書きます。現在ものすごい勢いで未婚者が増加しているのは、おじさん自身も実感します。

 以前は女性の場合25歳を過ぎると、結婚が遅いと言われたものです。今は25歳で結婚する人の方が少数です。男性でも30歳前に結婚する人の方が少ないようです。おじさんの周りにも30歳代半ばでも未婚の人が結構います。(まわりに30代を過ぎた未婚者が大勢います。)

 もちろん、逆に30代半ばで結婚する人も多いです。ところで今なぜ未婚時代なのかを考える場合、逆になぜこれまで皆結婚したのかを考えてみるとおもしろいです。未婚は個人的なものであるとともに、社会的な問題です。なぜなら事実婚での出生が極めて少ない日本では、結婚する人が減少すると少子化が進むからです。

 さて、以前特に1980年代までは、日本では結婚するのが当然だし、割合容易に結婚相手を探すことができました。未婚時代をもたらした最大の理由は結婚への圧力の減少だと思います。というのは、現在の中国でも未婚時代が到来しかかっています。

 ある30代の未婚で同僚だった女性の先生は、中国ではどんなに優秀でも結婚していないと評価されないのだと言っていました。事実、大学の同僚の先生(10人くらいいました。)で、未婚の方はその人1人でした。学生さんも同じようなことを言っていました。

 日本でも以前は結婚して一人前のようなことを言っていたと思います。今日の朝日新聞の調査を見ると、70代以上の男性に絶対に結婚すべきだという人が多いようです。50代・60代の女性と男性では、女性の方が結婚しなくても良いとする意見が多いようです。

 つまり、団塊の世代(1970年代に結婚した世代)の親特に父親の結婚への圧力が強かったことを示しています。団塊の世代くらいまでは、親の意見は大きな影響力を持ちました。特に女性に対してはそうだったと思います。男性の場合は会社などでの圧力が大きかったと思います。

 それと同時に、結婚の世話をする人が大勢いました。親戚のおばさんや地域の人、また会社の上司や先輩などです。現在ほどプライバシーが護られていなかったので、皆それぞれの家庭のことを良く知っていました。だから、どこそこに良いお嬢さんがいるがどうかとか、うちの息子によいお嫁さんはいないかと頼むこともできました。

 女性の場合で言えば、1970年代までは、男女性別役割分担がはっきりしていました。女性は結婚すれば家庭に入るし、家庭以外で自分の力を試せる場所がありませんでした。今は違います。あらゆる職場に女性が進出しています。

 実は、ある高校に勤務した時、そこには定時制課程が併設されていました。それで定時制の先生と話すことがありました。するとそこの先生が、自分の所にくる女の子は余り恵まれた環境に育っていない。そのような子ほど早く結婚したがるんですよと言っていました。

 その前は99%の生徒が進学し、東大京大に何人も現役合格に勤務していました。そこの女子生徒は、早婚願望など全くありませんでした。自分の力で自分の道をいくらでも切り開いていくことができるからです。それに定時制の男子生徒の方が自分がお前を養ってやるという姿勢が強いと言っていました。

 前述したように、女性が自分の力で自己実現できるようになったことも未婚時代の原因だと思います。さらには、50代の女性の方が結婚しなくてもよいという意見が多いのは(男性と10%差があるそうです。)自分は結婚しかないと思っていたが、結婚以外の人生もあると考えているのではないでしょうか。

 経済と未婚との関係も言われますが、それはちょっと違うと思います。というのは、1970年代でも貧しい人は大勢いたはずです。高度成長直前です。おじさんの時代の高校進学率は60%くらいだし、大学進学率でも15%くらいでした。

 しかし、ほとんどの人が結婚できています。さらに前の時代はもっと貧しかったと思います。「ゲゲゲの女房」の話ではありませんが、貧しく将来どうなるか分からない漫画家さんでも紹介する人があって結婚できています。おじさんが卒業して就職した頃でも、一人ぶちは食えないが二人ぶちは食えると言った人がいました。

 つまり、一人なら大変だけれど二人で協力すれば何とか生活は成り立つというのです。女性も男性の収入をあてにするのでなく、自分たちで頑張って家庭を作り上げていくという気持ちがあったようです。事実、高度成長が始まった時代で、これから生活が豊かになることが実感できました。

 振り返って現代は、将来豊かになる実感が持てません。以前にも書きましたが、高度成長の時代は就職難というものがなかったのです。都会では慢性の人手不足でした。その気になれば結構仕事があったのです。現代のように大学卒業時点で就職できるかどうかで全てが決まる時代、コースから外れた人が豊かになるのは極めて難しいです。

 それが分かっているだけに、親も安定した企業のサラリーマンか公務員以外だと、娘さんを結婚させる気にならないと思います。豊かで安定した時代だけに、冒険できないのです。親が生きた時代が豊かだったので、生活レベルを下げるような結婚を勧めるのは難しいでしょう。

 1970年代と逆のことが起こっています。この時代は貧しいけれど結婚して豊かになる可能性があるが、現代は今は豊かであるが結婚して貧しくなる可能性があるのです。未婚時代が解消する可能性はほとんどないと思います。年齢が進めば進むほど男女ともに結婚が難しくなるからです。

 結婚はある意味で何も知らないから冒険できるところがあります。それに結婚は夢を追うところもあります。人生を生きれば生きるほど冒険もできないし、夢を失っていきます。まもなく団塊ジュニアーが40歳代に突入します。今出産する最後のチャンスだと結婚して出産する人がいます。

 しかし、まもなく若者人口そのものも減少します。生涯結婚しない人が同世代の20%に及ぶ大未婚時代がくると思います。未婚の問題点は老後の介護にまで及びます。さらに孤独死の増加へと進むでしょう。少子化だけでなく様々の問題を抱えて2050年代を迎えることになりそうです。

 未婚問題解決の方法はないので、政府も含めて社会全体で意識を変え、未婚者がどのような生涯を終えるのか対策を練る必要があると思います。

 明日ものんびり過ごします。