新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

流通業の海外進出についてー日中スーパー比較

今日は春らしい天気になりました。朝からすっかり晴れ渡っています。いよいよ今日から水曜日までツマクマの教え子さんが来ます。今日は、午前中近くの大学へ科目履修生の応募用紙を貰いに行きました。郵送が不可ということでバスで行きました。おじさんの街には1日周遊券というのがあって、どこまで行っても定額なので、高速などを使ったり、高いガソリン代を使ったりするよりよほど安いのです。

 もし、乗り継ぎをしていくと往復で1000円を超えるとこが、それ以下で済むのです。それに、普通料金で行ける快速バスもあって、結構便利です。4月から勤務する特殊法人もその快速バスを利用すると早いので今日試しに乗ってみました。

 科目履修の手続きは4月に入ってからです。履修科目が決定したらまた書きます。週1回くらい頭の体操に行ってみようかと思っています。今日の株式市場はちょい高というところです。以前にも書いたように今週半ばには配当落ち(配当の権利がなくなること)になるので、下がるだろうと予想しています。

 さて、先日ニュースで日本に進出した外国スーパーが撤退していると報道されたいました。カルフールは早く撤退し、ウォールマートも西友を子会社にして、やっと少し成果が出だしたようです。ガラパゴス化と言われるように、日本で特殊に進化したビジネスモデルがあるようです。スーパーなどの流通業界も同様だと思います。

 特に食習慣やその他の生活習慣に根付く流通業は海外進出が難しいようです。そこで、おじさんが3年の間生活した中国のスーパー事情について書いてみたいと思います。中国では日本と逆に、ウォールマートもカルフールもがんばっています。おじさんが住んでいた街には、ウォールマートもカルフールもありました。

 中国のスーパーもある部分は日本にそっくりです。しかし、最大の相違点は生鮮食料品売り場です。日本のスーパーは、野菜・果物・肉・魚・などは全てパックにして売っています。ところが、中国のスーパーは基本的には量り売りなのです。何とその場で鶏を絞めてくれたりします。水槽に魚がいて、客がタモですくったのをさばいてもくれます。肉も塊で買って、さばいて貰います。(もちろん全てスーパーの店内の話です。)

 これは中国と日本の生活習慣の違いだと思います。日本の生活習慣は高度成長期以降清潔志向が極端なまで進みました。他人が手で触れた生鮮食品は買いたくないと思っています。それより、清潔にパックされたものを好んで買います。

 中国では逆です。スーパーの店員が適当に詰めてパックしたものより、自分で選んで納得して買う方を好むのです。日本でもかってスーパーがなかった時代、近所の市場で自分で見て選んで買っていました。中国の生鮮食品特に野菜や果物などの売り場は騒然としています。大勢のお客さんが片っぱしから扱いまわすのです。

 当然、傷むものも出てきます。それを店員さんが、排除していきます。小さなスーパーだとそれを安く売っているのですが、メンツがあるのか、貧しいそうな格好の人でも買いません。逆に新規に段ボールから売り場に出てくるのを待ち構えています。
 
 そして、出るやいなや群がってきます。あるいは店員さんが運んでいる途中で強引によさそうなものを選びます。計量は決まった専門の店員さんがいて、テキパキと値段のついたシールを貼ります。客のマナーはとても悪いです。おじさんが行くスーパーは繁華街の真ん中で、ランクは中くらいなのですが、それでもひどいです。

 ほとんどのお客さんがカードで買い物する、別の繁華街のデパ地下のスーパーはさすがにそんなことはありません。ここには日本食品などもあります。ただし、庶民が買い物するようなところではありません。中国の最高額紙幣の100元札(1300円くらい・・日本の金銭感覚だと1万円札)がちょっと買い物するとなくなります。

 以前日本からの指導で作ったお米が5キロで120元(1500円くらい)しました。ラーメンが6元(90円)バスの最低料金が1元(13円)靴磨きが1回2元(26円)の世界ですから、いかに高級スーパーか分かってもらえると思います。このような上流階級向けのスーパーは金持ち喧嘩せずで、静かで落ち着いた雰囲気です。

 ウオールマートもカルフールもこんな高級スーパーを目指してはいません。どちらかと言うと、庶民向けのスーパーです。理由は、高級スーパーは客単価は高いけれど、お客さんの数が中級スーパーと問題にならないほど少ないからです。スーパーは薄利多売が原則なので、騒然としても大勢のお客さんが来る方を選んでいるようです。

 スーパーと言っても大手の場合は、専門店も同居しています。カルフールの場合でも、専門店街が1階で地下がカルフールになっているようです。日系のスーパーとしては、成都にあるイトウヨーカドウが中国西南部では有名です。一度中国に行ってすぐ行ったのですが余り記憶にありません。

 近くに伊勢丹があって、そこはさすがに日本のデパートだけあった、雰囲気も日本そのものでした。コンビニもやっとローソンがおじさんの大学の近くに進出しました。ただ商品が少ないし、値段もやや高めなのでどこまでがんばれるか心配です。ただ店員教育はさすがに行きとどいています。「おにぎり」と「おでんもどき」が人気でした。(中国にはおにぎりと言う食べ物が存在しないからです。中国の米はぽろぽろでおにぎりに向かないのです。)

 新興国はやはり、日本ほどの清潔安全志向がありません。日本人は世界的にみても極端なほどの清潔安全志向だと思います。おかげで世界一の長寿国になれたとも言えます。日本では中国でも清潔安全志向が高まると言っていますが、それは大都市周辺の中産階級のさらに上位層だけだと思います。

 それでもスーパーで買い物するのは、日本の生活水準で言えば年収600万円以上の中産階級です。中国で言えば大手企業あるいは中級以上の公務員レベルの人です。(それより下の庶民階級は自由市場や露店あるいは、道端の物売りから買います。)中国で日本製品が高く評価されているが、売れないのは、やはり高級すぎるからだと思います。中国のような新興国では、中程度の内容で、価格もそこそこのものが良いようです。

 確かに日本の品物は良いという評判ですが、だからと言って日常レベルでしょっちゅう使うものとしては値段が高くて買えないのです。良い品を安くというのは言うは易く、行うは難しです。日本流の流通システムでは、日本に進出した外資系の流通業が撤退したように、中国では受け入れられず、撤退する可能性が大きそうです。

 明日はツマクマの学生さんと一緒に近くの観光地を案内します。もしかしたら、ブログもお休みになるかもしれません。