新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

小さなニュースですが。-台中関係の進展

今日は予報通り晴天でした。1月末なのに春の暖かさです。しばらくこの暖かさが続くようです。もちろん、これはおじさんの地方のことで東北や北陸、北海道は相変わらず真冬でしょう。

 今日は午前中授業でした。来月4時間授業があって授業終了です。2月13日から学期末考査が始まります。毎日学校に行くわけではないので、来週の金曜日までに試験問題(含む模範解答)と解答用紙を作り上げねばなりません。

 今日の円相場は円安だったので、株式相場も400円近い上昇でした。日経平均15500円台までは短時間で戻ると思います。円安と株式市況は密接に関連しているようです。ただアメリカの金融政策が今後どうなるのかが問題です。まだまだ注意が必要です。

 さて今日は小さなニュースですが、ちょっと気になるニュースが新聞に出ていたので書きます。以前から書いているように、日本は対内的には盛り上がっていますが、対外的には難しい局面だと思います。

 ブログの意見は圧倒的に日本に好意的ですが(当然と言えば当然ですが)はたしてそれだけでしょうか。ヨーロッパのように遠い国にとっては尖閣列島のような小さな島のことなどどうでもいいことでしょう。ただドイツとイタリアを除いて他の国は全て先の大戦では日本と敵対関係にあったので、戦前の価値観の復活に好意的なはずはありません。

 それにフランスは以前からですが、イギリスなどはこのところ急速に中国に接近しています。国民が親日的であることと国家が日本の味方をすることとは別です。よくブログで国民に日本人気があるから、親日国だという意見がありますが、国際政治は冷徹な物です。

 そういう点では見逃せないニュースが新聞に掲載されていました。若いブログの書き手の方の中には新聞を含むマスコミ嫌いの方がいます。ネット情報だけを見て新聞は一切見ないという方もいます。

 しかし、ネットの情報は圧倒的に幅が狭いです。さて、本題です。今日の新聞の国際面に「台湾の対中トップ、初訪中へ」とありました。事前の調整なしに台湾の高官が中国を訪問することはありません。今のような対日問題が冷え込んでいる時期に台湾の高官が中国を訪問するというのは、台湾の中国への姿勢ひいては日本への姿勢を示したいると思います。

 桜井女史などは以前から台湾の親日的雰囲気を礼賛していました。国民は圧倒的に親日だと言われています。しかし、政府は別でしょう。なぜなら現在の台湾経済は中国経済抜きには成立しないのです。交流はどんどん進んでいます。

 日中関係がどんなに冷え込んでも、台湾は日本のために自国の立場を危うくするようなことはないという意思表明でしょう。万が一日中が軍事衝突しても一方的に日本の味方をするとは限らないということです

 日本の外交担当者は、もう少し日本の立場に配慮して、2月中旬などでなく、たとえ訪中するにしても先にしてくれればと思っているでしょう。その点で言えば日本の外交担当者にとってショックだったと思います。これでとうとう東アジアで日本を絶対的に支持してくれる国はなくなりました。

 ブログなどで中国が孤立していると書かれていますが、新聞報道を見る限り(マスコミを信じない人も多いのですが)ハルピンの銅像中韓両国の親密な関係が示され、今回の台中高官会議で台中の親密な関係が示されました。

 残る北朝鮮と日本が仲良くするのは無理です。中国・韓国・アメリカ・ロシアを出し抜いて北朝鮮が日本と友好関係を見直そうとしても、他の国々の反発を買うだけです。

 もちろんロシアは漁夫の利を狙っています。中韓それに台湾から見放された日本がロシアに接近するなら北方四島での妥協を求めるか、シベリア開発への資金提供を求めるでしょう。日ソ不可侵条約を一方的に破棄し、終戦後も戦争を継続した記憶は中韓憎しの議論の中で忘れさられています。

 日本が中国包囲網を作るという安倍さんの深慮遠望はすでに破たんしています。東南アジア進出の主張もすっかり減りました。(中国がダメなら東南ジアへ)

 実際アメリカの金融緩和の出口政策で日本とくに安倍さんが作った絆を破たんしつつあります。密接な関係を築いたはずのトルコは対ドル安で青息吐息です。インドも同様です。タイは国政の混乱の真っ最中です。

 かって成長著しかったインドネシア経済も下火です。新興国からの資本引き揚げの影響はインドネシアでも起こるでしょう。インドシナ半島の諸国は以前書いた通り中国との高速道路やパイプライン、高速鉄道構想で結びついています。

 もちろん中国も無傷とはいきません。経済のかじ取りがとても難しい時期にきています。だからと言ってアジアの国が一斉に中国を見捨てて日本に付くほど国際政治は甘いものではありません。

 どちらについた方が長期的かつ短期的に有利かをいつも東南アジア各国は考えています。東南アジアが下火になったら今度はアフリカへと話題は移っています。マスコミはいつも何か新しい話題を求めています。

 アフリカ進出は東南アジア進出以上に難しいです。東南アジア進出の場合、よほどでない限り命の危険はありませんが、アフリカの場合、生きて帰れない可能性まであります。(民族紛争・宗教紛争など)

 会社の命令だからと言ってそんなアフリカの危険な国へ社員が行くかどうか疑問です。おじさんの息子が中央アフリカへ5年間赴任しろと言われたら、命の方が大事だから会社を辞めなさいというかもしれません。

 そんな親御さんも少なくないでしょう。今ブログなどを見ると皆視点が内向きになっています。これはとても危険な兆候です。いつも世界に目を向けておく必要があると思います。

 明日は午後から授業なのでブログをお休みするかもしれません。