新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

保守層の葛藤

今日は晴天でした。とても暑かったです。ノースリーブの女性を見かけたほどです。明日は雨との予報です。今日はツマクマの所用のお手伝いで今帰ったところです。

 株価の方は200円以上の値上がりでした。今の日本の相場はアメリカの相場そのままの引きうつしなので朝アメリカ相場を見た時から値上がりは想定内でした。ただこのところの値下げをまだ克服していません。日経平均15000円台への回復は難しそうです。

 そう言えば証券会社の決算報告がでていましたが、前年はアベノミックス景気が好業績でしたが、今年は厳しそうです。来年の業績ダウンを先取りして証券株の雄野村ホールデングスは去年の900円越えから500円台までダウンしています。

 500円台というのはアベノミックス開始直前の株価です。まあ1年でアベノミックスの化けの皮が剥がれたというところでしょう。おじさんもこうなるだろうとは思っていました。

 ところで今日、本屋さんに行くとおもしろいことに気づきました。本屋さんには保守を標榜する雑誌がいくつかあります。それらをひろい読みすると保守層の葛藤が見えてきました。

 まず保守層基本としては安倍政権支持です。なぜならそれらの本は保守層を購読者として成り立っているからです。ただ今若者の書籍離れが進んでいますから、それらの書籍の読者はある年齢層以上でしょう。オールド保守とでも言える人たちです。

 それも地方保守層が読者対象だと思います。なぜなら安倍政権の新自由主義的な政策については反対だからです。一番顕著なのは安倍政権の移民政策です。保守というのは日本の伝統を守る考えです。海外から大勢の外国人が入ってくるなら伝統を守ることはできません。

 またTPPについては雑誌によって評価が分かれます。これも安倍政権が推進していることですが、日本の伝統産業であり保守層の中核をなす地方在住者にとって脅威になる農業問題だからです。

 全体に新自由主義経済に保守派の雑誌は反対姿勢をとります。保守の論客の中でも主張が割れるのです。ッ保守層であっても経済のグローバリズムを否定するのは難しいからです。外交問題になるとさらに複雑になります。これまでの保守層は親米・親韓・親台だったのです。

 かって韓国ロビー・台湾ロビーと言われるほどの人たちが保守政党にはいました。いわば韓国や台湾の代弁者だったのです。この両国から資金援助を受けていたといううわさがあったほどです。中国に対抗して台湾を応援し、北朝鮮に対抗して韓国を応援する。旧ソ連(ロシア)に対抗してアメリカを応援するという分かりやすい外交の構造でした。

 ところが今は韓国も台湾も中国寄りになってしまいました。アメリカのオバマ大統領も保守層が支持する安倍政権に好意的ではありません。そうなると保守層はどこを頼りにすればよいのでしょうか。

 一時のような日本核武装論はなくなりました。核武装をすれば世界から孤立すると分かったからです。しかし、アメリカの態度にも納得いかないところです。それにアメリカの占領下で作られた憲法改正をするということはアメリカが支えてきた戦後を否定することになります。

 そうなればアメリカを頼むのは論理矛盾ということになります。そこで今日読んだ雑誌ではロシアを頼るべきだとの評論がでていました。ただ終戦時の満州でのソ連軍の行動や冷戦時代の流れから考えて日本の保守層にロシア協調路線が受け入れられるとは思えません。

 常識的に考えて反米から親露路線に切り替えても得るところはありません。しかし、国際的に孤立するわけにはいきません。ここに保守派の葛藤があります。もし親米を貫くなら戦後レジュームを変えられないし、親露路線だとアメリカから見捨てられます。

 今のウクライナ情勢を見ている国民にもロシアと仲良くする雰囲気は出てこないでしょう。それに親露路線に進めばアメリカだけでなくEU諸国との関係も悪くなります。

 冷戦時代のような二項対立(あれかこれか)なら良いのですが、複雑な国際情勢の中どのような方向に保守層は進むのでしょうか。中途半端であればネット右翼のような極右が進出してくる可能性もあります。

 今リベラル派は冬の時代ですが、保守派にとっても冬の時代は目の前です。これからどんな時代がきても韓国や台湾が中国を捨ててかってのように日本に従ってくることはないと思います。

 政治体制は別にしてこの二国が将来の貿易相手国と考えているのは中国だからです。アメリカもそれは分かっていると思います。アメリカ自身もEU諸国も中国重視だと思います。

 現実の外交や政治は非情なものです。明日はのんびり過ごします。