新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

安倍政権の政策に贈る言葉ーわが亡き後に洪水よ来たれ

今日も真夏日です。午前中から午後にかけてはツマクマの所用のお手伝いです。それが済んで今これを書いています。今週は株価も値上がりし投資家の皆さんには御同慶のいたりです。

 さて今日もいろいろ書きたいことはあったのですが、タイトルにしました。「わが亡き後に洪水よ来たれ」は時々聞く言葉です。出典は詳しく知りませんが日本のことわざで言えば「後は野となれ山となれ」と同義に使われているようです。

 今の安倍政権というより安倍さんの政策をみているとまさにこの諺がぴったりです。安倍さんが何年首相を続けるか知りませんが、その後の首相になった人は後始末が大変だと思います。

 お気づきの方も多いと思いますが、安部さんの政策は単純な保守ではないのです。経済においては新自由主義的な面を持ち、またグローバル経済的な側面を持っています。

 一方国内的には民族主義的な傾向もあります。外交では米韓台と言った伝統的な自民党の友好国ではなく、ロシアや北朝鮮と言った従来自民党では異端とされる国と仲良くしようとしています。

 「決められる政治」の対議語は「決められない政治」です。安倍さんはどうも決められないのは決断力がないからだと思い込んでいるようです。それで去年の「異次元の金融緩和」などと言ったことができるのです。

 「決められない」のはそれなりの理由があるからです。世俗の言葉に「それを言っちゃおしまいよ。」と言うのがあります。分かっているけれどそこまで踏み込むと終わりだということです。

 安倍さんは、ずかずかその分野に踏み込んでいきます。今頃になって安倍政権の誕生を拍手で迎えた保守派の人も戸惑いを隠しきれないでしょう。

 保守派あるいは伝統墨守派の人にとって移民を毎年10万人単位で認めるなどあり得ないことです。また伝統的家族主義の産物である配偶者控除をなくすのも許せないことです。女性は家庭に男性は社会にという男女役割分業は保守派の人の伝統的家族観です。

 どうも安倍さんはそれを否定する政策を取っているようです。選択的男女別姓さえ認めない自民党保守派の人は安倍さんの最近の家族に関する政策をどう見ているのでしょう。積極的な反対はないようです。

 さらに外交でも保守派の人は何度も煮え湯を飲まされたロシアや北朝鮮と仲良くするのも許せないでしょう。数年前までは韓国・台湾への礼賛が保守系の雑誌に掲載されたものです。

 特に台湾は親日国として保守派の人からもてはやされました。逆にロシアは旧ソ連の敗戦後の暴挙のせいでその評判は最低最悪でした。

 今でも敗戦時中国東北部にいた人たちはロシアを恨んでいます。伝統的保守層の地盤である農村部にも安倍さんはどんどん変革の政策を進めています。

 TPPがそうですし、農協中央会を解体するようです。農業の分野でも大きく変わりそうでう。労働問題でも本来新自由主義であれば国家が企業に賃上げの要請をしたり、消費税を価格に転嫁しない企業を調べるGメンを置いたりはしないでしょう。

 どうも安倍さんの政策には一貫した思想性というものがなさそうです。大胆と言えば聞こえがよいのですが、一種思いつきか誰かの意見を適当に採用していとしか思えません。

 岸元首相のお孫さんらしいのですが、岸さんが強引な政治を行ったのでそのあとの首相は寛容と忍耐をスローガンにしたように記憶しています。

 聖書にも私が来たのは平和をもたらすためではなく剣を投げ込むためだという言葉があったように記憶します。日本では外国と違って一度決めるとそれを変えるのはとても難しいのです。

 外交でも一旦こじれると元に戻すのが大変です。今回の北朝鮮との合意でも韓国をはじめアメリカや中国との関係を阻害するものです。この3国は日本だけが勝手なことをしていると考えているでしょう。

 東南アジア諸国に頼りにされて上機嫌ですが、所詮代理で中国と戦争してくれるのを望んでいるだけです。東南アジアの国が日本と中国との戦争に見方してくれるはずもありません。まして北朝鮮問題でこけにされた韓国がアメリカが進んで日本の応援をしてくれるとは思えないのです。

 アメリカや韓国との仲が悪くなった時ロシアや北朝鮮が日本の味方になってくれるはずもありません。日本がロシアや北朝鮮と不仲になって孤立した時、アメリカ・韓国・中国が喜んで迎えいれてくれるはずはないでしょう。
どうぞご自由にということになります。

 高い支持率の酔っていると突然足元をすくわれる可能性があります。どうも今の安倍さんは織田信長を思い出させます。長期政権になるためにはタヌキおやじと言われた徳川家康に倣わなければならないようです。

 どうみても安倍さんが徳川家康のような策略家には見えません。諸外国の首脳から見ればとても分かりやすい2世のボンボンと言ったところでしょう。策士は管官房長官くらいでしょう。

 明日は忙しいのでブログはお休みです。