新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

KYの世界に生きてみてー中国での3年間の体験

今日も一日曇り空でした。今日は庭の手入れや家の整備などで一日過ごしました。経済雑誌が発刊される日なので、本屋に行こうかと思ったのですが、つい昼食後昼寝をして行きそびれてしまいました。

 株価はちょっと値上がりして15000円台を回復したようです。以前は15500円を軸に展開していたのですが、今は15000円台を軸に展開しています。それでも14000円割れまで行ったのですから値上がりしたものです。

 一番新しく買った電機株も買った日が年初来安値でその後順調に戻しています。もう少ししたら目標値に到達します。そしたらデイトレ最初の商いが成立します。

 さて今日は以前流行語にもなった「KY」(空気が読めない)について書きます。実は先日おじさんがいつも見ているブログ(「アゴラ」)に「毎日の生活を開放的にしてくれるKY」というタイトルの記事がでていました。

 このブログの作者はニューヨークに滞在してるのだそうです。そして、ニューヨークでは相互不干渉の気質があってある意味とても開放的で気楽だというのです。

 読者の方で海外旅行を経験した方も多いと思います。しかし、海外体験はそこに住人として住むのと観光客として外から見るのとでは随分違います。

 おじさんも中国に3年間住んでここもKYの国だと分かりました。旧満州中国東北部)に住んでいた人たちが、満州はなんだかのびのびしていて住みやすかったと言ったのを聞いたことがあります。

 また同じアゴラである方が民度が高いのは日本だとも書いていました。それも事実です。今本屋さんに行っても雑誌を見ても週刊誌を見ても嫌韓反韓あるいは反中国の記事があふれています。

 日本人のほとんどが中国嫌い韓国嫌いになったようです。日本の場合国民の大多数が一斉に一方向へ進みます。戦前でも大正デモクラシーの時代は皆欧米が好きで欧米にあこがれたのに、戦争の時代には反欧米に固まってしまいました。

 狭い国で同じ文化同じ言語を有するからでしょう。それに北海道から沖縄まで全く同じ教育システムで授業をしています。同じ価値観を持たねば生きていけません。

 それに異民族異文化と言うものがほとんど存在しません。ところがほとんどの大陸国家は異民族異言語異文化の上に成り立っているのです。

 中国でも教育システムが全く違います。おじさんが大学で教えていたい時代、学生さんに小学校は給食ですかと聞くとある人はそうだと言いある人は違うといいます。制服についてもそうです。全国大学統一試験にしても名ばかりで各地域で問題も別なようです。

 街に出て感じたのがKYです。皆他人に何の関心も持ちません。おじさんの街は日本人がほとんどいません。3年間いて街で日本人にあったのは3回くらいです。それもこちらが夫婦で日本語で会話していたので話かけられたのです。

 もちろん日本語で会話してもまわりの人は皆無関心です。無理にそうしているのでなくて、自然なのです。最初はバスやモノレールの中で日本語で話すと何か言われるのではと思ったのですが、そんなことはありません。

 繁華街の一番にぎやかな通りのデパートの階段に座って道行く人を眺めるのが好きでした。目の前をいろいろな人が通ります。日本で買っても数十万円はすると思われるチワワをつれて散歩している金持ち風の人。

 みすぼらしい格好をしてゴミ箱をあさってペットボトルを拾っている若者。道端に何か字を書いてお金を恵んでもらおうとしている人。くつみがきのおばさんが声をかけてきます。マクドナルドの店に青い人民服を着てお客さんにお金をねだる老人。この老人はマクドナルドの店の人から丁寧にでるように言われていました。

 さすが儒教国家ですから、そんな物乞いであっても丁寧に店員さんは応対します。繁華街であってもスーツにネクタイなのは銀行員かホテルの従業員くらいです。

 市政府の高官でもノーネクタイです。(ある共産党の講演会での体験)それに平日でも大勢の人が歩いています。出店もあります。昼食時には近くの中学から大勢の子供が昼食を買いにでてきます。この中学は名門校で金曜日の夕方にはずらりと外車が子供を迎えに来ています。

 これもあるサイトに書かれていましたが、自分に対してや将来に対して一番悲観的なのが日本だそうです。大学の授業で「いじめ」について話ましたが信じられないというの学生さんの意見でした。

 いじわるな子供がいて他の子供を虐めるのはあるが、集団で一人を無視するなどあり得ないと言っていました。それが原因で自殺するのは気の毒だと言っていました。

 もちろん中国の学校でも自殺はあるようです。成績不振や就職問題、恋愛問題などです。しかし、日本のようにKYが理由でいじめられたりはしないようです。

 おじさんの住んでいたところは300万人が住むと言う市街地で日本人は300人程度の街でした。そんな中国人社会の中で中国語も挨拶以外知らなくても3年間生きていけました。特段圧迫感もなく夜一人で歩いていても怖くはありませんでした。

 怖かったのは道を渡る時です。信号も横断歩道もなく隙を見て渡らねばならないのです。それも段々なれてきました。街にすんでいるので雰囲気も旅行者とは違います。だからぼったくられたりすることもありませんでした。一度だけ深夜空港から帰る時のタクシでぼったくりに会いました。それでも日本円で2000円くらいです。普段は1000円くらいです。

 今思い出しても不思議な体験です。皆が親切だったわけでもおもてなしがあったわけでもありませんが、何だかさっぱりしたさわやかな思い出だけがあります。

 反中国の記事を見るたびにまああれも本当だがそうでない世界もあるのだと思います。明日は忙しいです。