新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

恒産なければ恒心は事実のようです。-ある県の子育て調査から

今日も不安定な天気です。湿度が高くてムシムシしていました。今日はツマクマの所用のお手伝いなどで忙しかったです。

 株価の方は一段落と言ったところです。各種の経済関係報告がこれからなので様子見と言ったところでしょう。証券株が久しぶりに上がっていましたので、先行き強気なのかもしれません。

 アメリカの相場が大幅下落の割には下落幅が小さかったです。以前から書いている電機株はひとまず売り値のラインに到着しました。もう少し様子を見たいと思っています。

 売りと買いが交差しているようでまだ方向が見えてきません。さて今日はある県の「子育てに関する県民意識調査」の結果からです。昨年結婚したカップルは戦後最低の数だったようです。

 団塊ジュニアもすでに結婚適齢期を過ぎていますので、男女の数がこれから減少していくと思います。そんな中政府は少子化対策を本格的に取り組むようです。

 しかし、日本の場合結婚しないで子供を産む例は極めて少ないです。少子化を食い止めるにはまず結婚してもらわなければなりません。子供を産んで育てる手立てをいろいろありますが、結婚を増やす手立ては難しいです。

 それで若者が結婚の条件としていることを理解するのは重要です。この調査はある新聞の記事からです。新聞を読まない人が増えたようですが、新聞は情報の宝庫だと思うのですが。

 この記事の見出しは「好きより経済」です。もうおわかりですね。結婚の第一条件は相手が好きだということより相手の経済が大事だということです。

 結婚経験のない男女に結婚のイメージを聞いたところ一番多かったのが「精神的・経済的に安定する」です。全体の35%でした。実は10年前同様の調査をした時は29%で全体の4位だったのです。

 10年前一番多かったのが「好きな人とずっと一緒にいられる」でした。全体の42%でした。もちろん今回でもこの項目を選んだ人はいますが、28%にダウンして3位です。

 少子化のポイントである子供については「子供がもてる」で今回は32%、前回10年前は31%ですからほとんど差はありません。

 もうひとつ大きく10年前とは差がついたのが「時間やお金を自由に使えなくなる」です。10年前は38%の人が選んだのに今回は26%でした。すでに結婚した人たちを見て、お金や時間が不自由になるのは当たり前だと考えているのでしょう。

 この結果についてあるコメンテーターは「結婚をリスクの一つと考える人が増えたように感じる。」と述べています。これはおじさんも以前書いた通りです。若者もそうですし親御さんたちもリスクを心配しているのです。

 以前若者は貧しく結婚しても二人で家庭を築いて次第に豊かになるというのが普通でした。おじさんたちも結婚した当初は文化アパートと呼ばれる木造のアパートでした。それから官舎に移りさらに家を建てました。

 右上がりの経済の時代最初は貧しくても年齢を重ねると次第に豊になれたのです。ところが現代では一度ついた職業や企業から抜け出すのは難しです。それに格差がどんどん開いていきます。

 どこかでやり直すことはかなり難しいです。スタートがほとんど全てを決めるのです。今回の調査は地方の話です。地方の場合はよけいにやり直しの機会が少ないです。

 地方の場合地元の大企業はほとんどありません。大卒の就職先であれば地元銀行か電力会社、あるいは公務員くらいです。それ以外は中小企業です。

 結婚して二人だけならいいのですが子供が生まれその教育費を考えた時ある程度の収入にある相手でなければ大変です。二人で働くにしても男性でさえ大手企業がほとんどない状態ですから、女性の場合よほど手に職を持っていなければある水準以上の生活は難しいです。

 一番困るのは将来豊かになる展望がもてないことです。さりとて結婚して都会へ出ていくこともできません。それだけに結婚相手の経済状況が極めて重要になってくるのです。

 地方の独身の男女の場合ほとんど親と同居しています。ですから給料がそれほど多くなくても生活費がほとんどかからないのでそれなりに豊な生活が送れます。しかし、結婚していま負担していない生活費を自分たちで出すとなると大変なのです。

 それに子供の教育費もかかりますし、女性が働く場合子供を保育園に預けると保育料もばかになりません。収入が高ければそれだけ保育料も高いのです。以前同僚だった方は子供の保育料のために働いているようなものですと言っていました。

 政府が少子化対策でどのような手段を考えているか分かりませんが、右下がりの経済状況の中独身男女に結婚してもらうのは中々難しそうです。

 明日からちょと忙しくなるのでしばらくブログもお休みです。再開時にはぜひ見てください。