武器輸出について考えるー理想と現実
今日は午前中まで雨でしたが午後からは小降りになり、今は晴れてきました。明日は晴天で気温も上昇するとのことでした。
今日は午後から急に用事が入って今帰ったところです。株価の方は引けにかけて上昇したようです。15100円台まで回復していました。と言ってもおじさんの持ち株はそれほど影響はありません。まあ静観といったところです。
しかし、肝心の軍事産業側からすればあまり乗り気ではないと思われます。これから主要な軍事産業の企業名を書きますが、まさかあの会社がと思われるでしょう。会社側も軍事産業部門があることをほとんど宣伝していません。
そんなことをしても企業イメージにプラスにならないからです。命中率最高のミサイルをわが社は開発していますというコマーシャルをする企業の製品を皆さんは買いますか。
実はあの日産自動車はミサイルを昔から作っているのです。日産の颯爽と走る車を買おうとは思うでしょうが、敵に命中するミサイルを見て日産の車を買う人は少ないでしょう。
うちの銃弾は高性能ですと宣伝してもエアコンは売れないでしょう。そんな恐ろしい物を作っている会社のエアコンを買うのはちょっとということになります。
装甲車を作っているのも思いがけない会社です。装甲車と同じような仕組みなのでしょうが建設機械大手のコマツ(小松製作所)です。今世界中でコマツの建設機械が売れています。だからと言って建設機械と一緒に装甲車を売るわけにいかないでしょう。
例えばベトナムにコマツが装甲車を輸出して中国では建設機械と売るというのはどうでしょう。もし中越戦争にでもなれば、ベトナムはコマツの装甲車で攻撃し、中国側はコマツの建設機械で防衛施設を作るということになります。
まるで中国の故事矛盾の世界です。ですから防衛産業としては余り自社が兵器を製造していることを知られたくないのです。つまりいくら政府が武器を輸出していいですよと言っても防衛産業分野に力を入れると言うことは考えがたいです。
日本では武器製造また武器輸出と言えば「死の商人」のイメージがつきまといます。電機メーカや自動車メーカーにとって平和だからこそ製品が売れるのです。それなのに「死の商人」のイメージがつくと商売に不利なのは明らかです。
また武器輸出の場合相手先の事情に合わせて武器を作らなければなりません。それぞれの武器は使用する側の事情に合わせて開発されます。中東のような砂漠地帯で日本の戦車を使うのは非効率です。
それに日本の武器はユーザーが限定されるので極めて単価が高いです。輸出先は新興国がほとんどなので価格競争力で中国やロシアに負けるでしょう。さりとてアメリカのように外交の手段として武器を輸出するわけにもいきません。
以前書いたようにオーストラリアは潜水艦をほしがっていますが、潜水艦の装備や技術は秘密の中の秘密なので簡単に提供するわけにはいきません。
また東南アジア諸国に小型艦船を輸出する話もありますが、いざ輸出したものが第三国へ持ち出される可能性もあります。そうなれば艦船に関するデーターが流出してしまいます。
さらに一度輸出するとそのメンテナンスにかかわらねばなりません。それがなければ買ってくれるところはありません。アメリカなどは航空機の重要部分をブラックボックス化して見えないようにしています。それでも日本の場合高度な武器をアメリカに依存しているので購入しています。
ある人は武器輸出三原則の見直しは日本が外国と共同研究することを可能にするためだと言っています。しかし、アメリカが日本と共同研究しても、自国の最高レベルの技術を提供するとは考えがたいです。日本からは日本が得意とする技術を手に入れるがアメリカの技術は教えないというのが普通でしょう。
安倍さんは武器三原則を変えればすべてうまく行くと考えているようです。安倍さんの政策は相手の善意を前提に物事を考える傾向があるようです。(対ロシア外交や対北朝鮮外交など)
国際社会は生き馬の目を抜くような厳しい社会です。安倍さんの理想と現実の国際社会は相当違っていると思います。いいとこ取りされて後はさようならとならないことを祈るだけです。
明日も忙しいです。