新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

真理は些事(さじ 小さな事)に宿るー外交も同じです。

 先日ある小さな記事を新聞の海外欄で見ました。ニュースでは余り取り上げられない内容です。ただこれは外交上ちょっと問題だと思いました。

 それは台湾が日本の沖ノ鳥島を島と認めないという記事です。いま尖閣列島問題が話題になっています。と言っても一時ほどではありません。

 日本人は熱しやすく冷めやすいので今は尖閣列島問題も以前ほど騒がれないようです。無人島であれ、そこが自国の領土であるかどうかは、排他的経済水域問題と大きくかかわります。

 もし沖ノ鳥島が島でないとすると、この海域全体が日本の排他的経済水域から除外されます。台湾では現政権だけでなく、次の政権を担う野党も現政権と足並みをそろえています。

 野党としては、日本との関係を考えて穏便に済ましたいところでしょうが、自国の経済的利益とかかわってくるとなると、そうはいきません。

 日本の言い分を認めたら、今の現政権から裏切り者呼ばわりされるでしょう。現政権は中国よりですから、できるだけ親日にならないよう、動いているようです。

 逆に日本としても、次の政権が親日的であるとしても、沖ノ鳥島が島でないなどという台湾の言い分を飲むことはできません。

 この現政権の沖ノ鳥島問題は王手飛車取りの実に外交的にはうまいやり方です。次の政権が親日的にならないように手を打っているのです。

 もちろん中国政府も台湾の立場を応援するでしょう。台湾を自国の一部と見ているのですから、自国の問題として取り上げるつもりでしょう。

 中国政府としては、台湾の立場を支持することで何の問題も生じません。逆に次の政権もこの問題では、日本に厳しい姿勢を取らなければならないし、それは応援する中国政府とも連携しなければなりません。

 もし、この問題で次の政権が日本よりの姿勢をみせれば、現政権側はその姿勢を非難しますし、中国政府もそれに同調するでしょう。

 台湾国民にとっても、この問題は自国の利益にかかわることですから、一種のナショナリズムが働くと思います。日本政府にとっては、この問題は台湾との間に打ち込まれたくいのようなものです。

 現与党が野党になった時、この問題で次期政権が揺さぶるでしょう。日本では次の政権の親日姿勢に期待する声が多かったのですが、この問題で一時凍結ということになるでしょう。

 オーストラリアの潜水艦問題に続き台湾との領土問題と安倍政権にとっては頭の痛い問題が続きます。オーストラリアの潜水艦問題では敗れて良かったという意見を時々見ます。

 よく言われるように、勝ちに不思議あり、負けに不思議なしです。国内世論がこんな調子では勝てるはずがありません。負けが決まるまではなかった意見です。負けてから良かったいうくらいなら、初めから反対論を唱えていれば良かったのです。

 負けが決まるまでほとんど反対論は聞きませんでした。ところで、円が106円台まで来ています。日経先物もすでに16000円台を割っています。2日の相場が心配です。明日は日曜日なので教会です。孫も今日帰りました。