新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

「日本語教育」の難しさ

 昨日は午前中学校の授業で午後からポステイングの準備があってブログが書けませんでした。ポステイングの準備とは、タウン誌に広告を挟み込むのです。

 新聞の折り込み広告の要領です。以前は3部くらいと少なかったのですが、最近は7部と多くなりました。1回510部なので510×7ということになります。

 昨日はそれで結構時間がかかりました。ただこれは頭を使わなくていいので、後半はテレビを見ながらやりました。「序の舞」と言って女流日本画家の「松園」という人の生涯です。

 さて、4月・5月と留学生に日本語を教えています。3月までの学校ではプレゼンテーションと言って日本語作文でした。学生さんの数も多く、全くやる気のない学生さんだったので、成果についてはそれほど気にしていませんでした。

 今回は数も少なくやる気もある人が多いのですが、なかなか難しいです。中国の大学で教えた時は、学生さんの能力も高く、日本の高校生に教えている感覚でした。

 今日本の留学生の大半はベトナムとネパールです。前の学校も今の学校もそうです。中国や韓国の学生はほとんどいません。

 以前は中国か韓国の学生さんだったので、本屋さんにある外国人向けのテキストはほとんど、中国語か韓国語で対訳が出ています。

 実はこの2か国は漢字圏なので、勉強がしやすいのです。とくに中国の場合、簡略体を日本語風の漢字に戻すことに慣れれば相当早く日本語を読めるようになります。

 おじさんは中国に居る時逆をやったので、よくわかります。また、中国でも外来語に充て字をしたりしているので、カタカナを結構理解しやすいです。

 漢字の場合表意性が強いので、中国語の漢字の意味と日本語の漢字の意味に共通性があります。ところが、ベトナムやネパールでは日本語と全く共通性がありません。

 ひらがなは理解しやすいのですが、漢字とカタカナが苦手です。それに、教えていて分かったのですが、日本語の表現は極めて多様でそれを覚えるのも大変です。

 聴解という英語のリスニングに近いものをやっていますが、結構気持ちを集中して聞かないと聞き取れません。おじさんもちょっと他のことを考えるとあっという間に聞き漏らしてしまいます。

 そのため集中力が必要なのですが、学生さんはすぐ飽きてしまいます。語学力をアップするためには、教室内で母語を使わないことが一番なのですが、どうしても皆すぐ母語で話します。

 ネパールの人よりベトナムの人にその傾向が強いです。皆午後からアルバイトをして生活費を稼いでいます。中国の学生さんはアルバイトがなかったので、一日中勉強できました。

 アパートに帰ってから復習できないので、勉強したことを覚える時間が余りありません。N3だと中学生の日本語レベルなのですが、それも難しいようです。

 覚えなければならないことが沢山あるのに、自宅学習の時間もないし、漢字圏でないので、語彙を覚えるのも大変でどうなることかと思っています。

 このまま2年間専門学校にいても現在の日本語能力では就職が難しそうです。明日は来週の授業の予習をします。