新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

撤退戦の難しさー異次元緩和も同様

 このところ、円安株高傾向が続いています。おじさんの持ち株も少し持ち直しました。ところで、最近ヘリコプターマネーが話題になっています。

 ヘリコプターマネーと言っても、ヘリコプターを買うお金とかヘリコプターの形をしたお金ではありません。ヘリコプターからお金をばらまくという意味です。

 今の異次元緩和は市中にできるだけお金を流通させて、経済を活性化させたり、物価をあげるためのインフレ期待に働きかけようとするものです。

 ところが日銀が銀行から国債を買ってお金をどんどん銀行に入れても、銀行は日銀に預けて少しも市中で出回るようにしないのです。銀行からすれば、貸し出したい優良企業はお金をもっているし、資金を必要とする企業は業績に問題があるので貸したくないのです。

 高齢社会になって需要がどんどん減少しているのに、国内で設備投資をどんどんやろうという企業はそうありません。ところで、今の異次元緩和を始めて3年近くなります。

 とうとうマイナス金利まで導入し、最後は10兆円もの財政出動かヘリコプターマネーかというところに来ています。ヘリコプターマネーと言っても本当にヘリコプターからお金をばらまくのではありません。

 一つは国民全員に一定のお金を配るやりかたがあります。ただこれではもらったお金を貯金してしまう可能性があります。また金券にすれば、生活必需品をそれで買ってしまいそれで余裕のできたお金を貯金すれば同じです。

 今考えられているのは国債を日銀が直接引き受けるということです。これは現在法律で禁止されていますが、安倍政権なら何でもやるでしょう。

 問題は、異次元緩和を収束させるときです。国債を銀行からどんどん買い入れてもいつか限界か来ます。マイナス金利をどんどん進めてもマイナス10%などと言うことは不可能です。

 ものには必ず終わりが来ます。政府日銀は徐々に緩和を収束させるつもりでしょう。撤退戦の難しさは相手が自分のおもう通りに動いてくれないことです。

 もしこちらが撤退を始めると分かったら一斉に攻撃してきます。こちらは撤退しないといけない理由があるので立ち止まれません。

 戦国時代でも現代でも攻撃や守備に比べて撤退は一番難しいのです。周到に準備しても、相手がどうでるか分かりません。

 異次元であるだけに従来以上の反動があります。マイナス金利をゼロ金利に戻すだけでも大変です。円が高騰する可能性があります。一気に対ドルで90円台まで行くでしょう。

 先の大戦でも1年の短期決戦で終わるつもりだったのにズルズル長引き結局4年かけてすべてを失いました。始める時はこうなればやめようと言う考えがあったと思います。

 しかし、相手はそれに乗ってこなかったのです。最後は戦争の歴史でもまれな生還のない作戦を考えました。それでも敗れたのです。

 今回の敵はマネーファンドです。もし日銀が撤退戦の兆しを見せただけで猛烈な攻撃を仕掛けてくるでしょう。逆説的ですが景気が回復してきたときが一番大変なのです。

 今ならまだまだ異次元緩和が続くと皆思っています。もし景気回復の兆しが出たなら、当然異次元緩和からの収束が話題になります。

 逆説的ですが景気回復が大きなショックをもたらすことになるのです。日銀としては景気が回復してほしいが、異次元緩和の収束時の激動も怖いというところでしょう。

 取りあえず景気回復の兆しはないので、撤退戦は不要のようです。ただ今の異次元緩和を永遠に続けることができないのは事実です。明日は孫たちが来るのでブログはお休みです。