新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

世論調査政治の危険性

 今日はこちらは朝から雨です。結構ひどく降っています。今日まで休業日なのでのんびりしています。授業も今週で終わりで来週は期末テストです。試験問題もすでに作り終えたので、後は印刷するだけです。中国では町の印刷屋さんに頼むか、大学の印刷室に依頼するかしなければ印刷できません。普通の印刷機がないのです。すべてコピー機械でコピーするしかありません。ただコピー代金は安くて1枚1角(1円)くらいです。
 さて、このところ政治問題を扱っています。日本の将来を思うと暗澹たる気持ちになります。政治記事を書くと読者は増えてくれるのですが、余り上品でないコメントがきたりして困ります。ネット上の書き込みなどは、時として感情的になりやすいようです。おじさんも以前ある大学の先生のサイトに匿名では失礼なので、本名で書きこみをしたら、相当感情的な反論がありました。ちょとした感想を述べただけなのですが、その先生にカンに触ったようです。それまでのサイトのほんわかとした雰囲気と異なり、「あなたの個人的な体験で全てを判断するのはけしからん。」というような叱りつけるようなことばでした。
 昨日のコメントは削除しましたが、「知ったかぶりをするな。ボケ」と言ったような調子です。きちんと理論立てて反論してくれるならば、コメントを残したのですが。やはりマスコミ報道と反対のことを書くと逆風がすごいようです。マスコミもブログも民主党あるいは小沢さん擁護の論調では逆風がすごいのでしょう。
 今盛んに世論調査があっています。小泉さんの郵政選挙くらいから、毎月ないし何か事件があるたびに世論調査が行われその結果が発表されます。政治はその結果に従わなければならないような風潮があります。また国民もその世論調査が国民の意見全てだと思いこんで行動します。一種のアナウンス効果です。
 マスコミによって世論調査の結果が発表され、それを見た国民はさらに自分なりにその内容を受け止めていきます。マス(つまり大量)の意見にミニ(少数)の意見が押し流されてしまいます。小泉改革の時がそうだし、政権交代選挙がそうです。一方向に偏りすぎるのです。(本当は世論調査自身はミニ・・少数を対象なのですが。)
 今回の参議院選挙で民主党が惨敗しても政権は民主党です。さらに政治の混迷が深まるだけでしょう。鳩山さんの政権担当能力のなさは明らかでできるだけ早く党首を交代することが惨敗の程度を食い止めることになるでしょう。
 ただ過去には世論調査が行われなかった時代もあります。たとえば日露戦争終結の際、国民は大反対で暴動まで起きました。もし世論調査をしたら、ポーツマス条約反対が90%以上になったし、内閣支持率は10%を切ったでしょう。しかし、政府は実情は国民に話すわけにはいかないのです。逆に日米開戦について世論調査を行ったら、賛成が90%以上だし、内閣支持率は80%を超えるでしょう。しかし、結果は悲惨なものに終わりました。ハルノート(日本の中国からの撤兵勧告)の受け入れについても同様です。もし、ハルノートを受け入れていたら、太平洋戦争は避けられていたでしょう。しかし、世論調査をやったら反対90%です。
 かように、世論調査だけに頼る政治は危険なのです。国民に負担を強いる、また国民が嫌がる政治ができなくなります。消費税を上げることも同様です。15%まで最低上げなければ財政破たんは避けられないでしょう。そうでなければ年金給付を下げるしかありません。いずれをやっても、世論調査では政権支持率は10%台になります。
 世論調査政治は国民に受けの良い政治しかできなくなります。まさに現在の政治は小泉政治ポピュリズムをそのまま受け継いでいます。このままでは、日本の衰退は目に見えています。中国の報道では明らかに日本パッシング(日本素通り)です。間違えないでください。日本バッシング(日本叩き)ではないのです。
 そうは言ってもおじさんも次の政権なり政治なりを誰がどう担当すれば良いかわからない状況です。なんとか選挙に間に合うよう日本に帰りたいです。今日はのんびり過ごします。