新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国人大学生の見る男女観

 今日は昨日ほど暖かくはないのですが、真冬というほどでもありません。先日書いたように一度雪が降るほど寒かったのですが、その後は10度前後で推移してありがたいです。もちろん部屋にはエアコンを入れています。これを書いている部屋は10畳くらいあって、エアコンを入れても寒いくらいです。
 
 おじさんの街では赤ちゃんは厚着でまるまるしています。大事な一人っ子が多いので、風邪をひかせては大変なのでしょう。しかし、以前ツマクマが書いたように、なぜか穴あき(お尻の部分が開いている)パンツをはいています。今はもちろん厚手のズボンを履いていますが、赤ちゃんパンツはお尻の部分が開いています。
 
 今日も採点でした。今やっているのは中級作文です。今回は紹介文や敬語文(敬語を使った文章の作り方)やメール文、議論する文章などをやりました。(以上が試験範囲で本当はデーター読み取りなどもやりました。)今回はもう一人の日本人の先生とクラスを分けて持ちました。(来学期はその先生が両方のクラスを教えます。)
 
 それで点数調整のために、その先生の問題を共通問題として出しました。なかなかユニークな先生で、問題は「男と女について書きなさい。」という問題でした。ちょっと考えたら何を書いてよいのか難しいのですが、さすが大学生だけあって、現代中国における「男女問題について」書いてありました。
 
 驚いたのは中国は建国以来男女平等をスローガンにしていたはずなのですが、日本と同じ問題が存在したのです。それは男女性別役割分担です。現代中国でも日本と同じで「男は外にでて働き、女は家にいて家事をする」です。ほとんどの学生さんがそう書いていました。中国の学生さんが、日本の男女性別役割分担の本を読むとも思えないので、そのまま中国の現状を言っているのだと思いました。韓国もそうですから東アジアに共通の観念のようです。(儒教の教えかもしれません。)
 
 また男性のイメージはたくましくて戦闘的、女性のイメージはやさしくと大人しいというのも日本と全く同じです。男性は理系に強く女性は弱いと書いた学生さんもいました。さらに驚いたのは、就職においても男性が有利で能力が同じであれば確実に男性、少々劣っていてもやはり男性を採るそうです。(学生さんがそう書いていました。)そう言えば知り合いの中国人の先生のお譲さんも電子工学専攻なのですが、女性だと就職が難しいそうです。
 
 中国では工学系でも大学院に行かない学生さんが多いです。学部だけでも売り手市場なのだそうです。ですからそのお嬢さんも就職状況がどう変化するか分からないので、まず就職活動をしてみて、だめなら大学院へ行くそうです。
 
 語学系は圧倒的に女性が多いし、女性の方が優秀な場合が多いのですが、こちらでも男性の方が就職に有利なのだそうです。大学院を修了しても、女性の場合大学で勤務するのは難しいそうです。男性であれば結構就職できると言っていました。
 
 それでも大学の先生を見ると日本に比べて圧倒的に女性の数が多いです。もちろん語学系は圧倒的に女性が多いのですが、理系でも結構います。教員休憩室でも難しい数学や物理の本を読んでいる女性教員も結構います。理系の学部でも日本に比べて女子大生が多いような気がします。
 
 学生さんによれば、それに中国では圧倒的に結婚に対する強制が強いようです。ある学生さんは、どんなに優秀な女性でも結婚していないと評価されないのだそうです。それは多分男性にも当てはまると思います。女性の方が少ないし、自分のレベルにあった女性を探すとなるとさらに難しいようです。ですから、大学でも彼や彼女がいない人には、友達同士で紹介しているようです。
 
 独身の先生には先輩の先生が相手を紹介しているようです。またお見合いも盛んで、結婚紹介所のようなところもあるようです。慶縁などという言葉が出ているので多分そうだと思います。やはり中国では家を途絶えさえないようにするというのが大変重要なことのようです。
 
 日本と違って男女別姓は当然ですから、自分の家の姓が途絶えるなどということはあってはならないことだと思います。日本の場合結婚しない又結婚できない人が急増しているので、家を途絶えるなどということは普通になるのでしょう。
 
 明日も1日採点です。