新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国を見る視点ーマクロとミクロ

 昨日から今日の明け方にかけてとても冷え込みました。多分零度近くまで下がったと思います。今日も夕方夕食を買いにでかけたら急速に冷え込んでいました。(夕食は学生食堂で買いました。今日はマーボ豆腐です。5元・・60円位)今週の金曜日に日本に帰るので今冷蔵庫の中の食べ物を食べつくしています。今冷蔵庫の中は肉と玉ねぎ、それに白菜と人参だけです。
 
 明日はそれで野菜炒めもどきを作って食べます。朝食用にはパンとバナナとリンゴ、それにヨーグルがあります。少しくらい処分しても良いのですが、終戦直後の物のない頃の生まれなので、食べ物を無駄にすると罰があたると教えられているので、出来る限り食べつくすつもりです。
 
 さて今日は奇妙なタイトルにしました。実はおじさんは最近閑なのでブログのカテゴリーに従って良く読んでいます。沢山カテゴリーがあるのですが、以前は政治関係を見ていました。ところが、過激な意見が多くとてもついていけないので、最近は就職・公務員・景気・国際経済・その他経済のサイトを中心に見ています。
 
 それでもなかなか過激な意見が多いです。どのサイトを見ても反中国の意見であふれています。今日はそのことについて書きます。実は認知的不協和に陥っているのです。つまり、自分が見ている現実と書かれている内容とのギャップなのです。国民の8割近くが中国が嫌いなので仕方がないのですが、おじさんの見ている現実はブログに書かれている世界と違うのです。
 
 それは多分おじさんの見ている世界は中国のほんの一部のそれも恵まれた環境なのだと思います。昨日も学生さんが二人来て卒業論文の指導をしました。二人ともとても真面目な学生さんです。一人は経済学部の大学院研究生になります。研究生の選考のために指導教官の推薦書が必要なのです。それをおじさんの名前で出したいと言ってきました。推薦書の原稿は自分で作ってくるので明日サインだけします。
 
 もう一人の学生さんは、日本語での勉強を諦めて法学部の大学院(北京大学)の受験を考えています。今日来た学生さんもいます。3人の仲好しグループです。その中の一人の学生さんは、指導教官でもないのに、おじさんの名前で推薦書を出してほしいと依頼があったのです。その学生さんは大学院の研究生をめざしています。(この学生さんも法学部)
 
 おじさんの現在の指導学生のひとりは、すでに北京にある中国最高水準の日本研究施設の大学院の修士課程に合格しています。現在は太宰治に関する卒業論文を書く予定です。皆熱心です。卒業した学生さんも、金曜日おじさんが日本に帰るのを見送りに来てくれます。と言ってもマンションを朝6時に出るのです。その学生さんは、朝5時過ぎにタクシーを捕まえてマンションまで来てくれるのです。
 
 もちろん働いているので、休みをとったのだと思います。おじさんの目の前にいる学生さんは、こんなに頑張っているし、また親切にしてくれます。別の指導学生さんは卒業後日本語教師になって日本語を教えているのですが、疑問点があって質問してきました。すぐに返事を書いたらとてもよろこんでくれました。
 
 人間は自分で見たことを信じます。それは良くないことでしょう。単なる自分の経験を信じるだけでは、全体が見えないからです。つまりおじさんが今出会っている現実は中国のほんの一部つまりミクロの世界なのです。中国全体(マクロ)としては、ブログやマスコミの言う通りとんでもない国なのでしょう。
 
 しかし、人間は自分の生きている範囲でしか世界を見ることができないのです。どのブログを見ても、中国の良いことを書いている人はいません。おじさんが、こんなことを書けば媚中派だとかそれなら中国にずっといれば良いと言われるのが関の山でしょう。それとは別の次元の話しなのですが。
 
 そのような学生さんであっても、もし日中間で紛争になれば当然中国を支持するだろうし、戦争にでもなれば日本を攻撃してくると思います。第二次大戦の時、アメリカ留学経験のある日本人は辛かったと思います。もし、アメリカ留学中に教授や学生さんや地元の人に親切にしてもらったとしても、日米開戦になったのですから、日本のためにアメリカと戦ったと思います。
 
 おじさんは、少しでも中国の学生さんが日本のことを理解してくれるよう微力ながら頑張っています。少数でも日本人は鬼子(中国では日本人は鬼だという人もいます。現実に会ったことがあります。)ではないことを示そうとしています。
 
 おじさんが少々努力しても結果は変わらないと思いますが、ただ中国の悪い面ばかりを取り上げても、両国が仲良くなるはずはありません。生徒と先生の関係でも同様です。生徒は自分が悪い面があっても、それだけ指摘され続ければ先生が嫌いになります。先生が少しでも良い面を見つけてほめてやれば、代わるものです。いやな隣人でも引っ越しができないのです。何とか両国がうまくいってほしいと思っています。
 
 それに韓国も同様です。日米韓の同盟についても反対意見が沢山でています。東アジアに生きる限り、日本一国だけで生きていくのは難しいし、今の経済情勢では日本をリーダーにして中国や韓国がそれに従うのは無理だと思うのですが。
 
 今日は暗い話しになりました。申し訳ありません。明日は帰国準備に入ります。