新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

大学院入試問題ー難問奇問

 今日も寒い1日でした。今日は学生さんから頼まれて資料を県立図書館へ探しに行きました。事前に調べていたので意外にあっさり探すことができました。その本は絶版になっているので、本屋さんにはないのです。これでおじさんの依頼された資料探査は終わりです。
 
 さて、昨日やっと指導学生さんから依頼された大学院の入試問題の解答が終わりました。しかし、その某国立大学の大学院入試問題は本当に難問奇問が多いです。これがもし大学入試なら受験雑誌か予備校あたりでたたかれたところでしょう。その点大学院の入試問題は余り問題にならないようです。
 
 学生さんが受験するのは日本語教育専攻です。この専攻では、まず共通問題として、日本語教育に関する問題があります。これは常識的な問題です。もちろん外国語の試験もあります。留学生の場合は日本語の試験です。その他専門試験があります。問題分野としては、日本語教育・日本語・日本文化の三分野です。
 
 専門試験はその3分野から2分野を選択します。学生さんは日本語と日本文化を選択する予定です。日本語と言っても日本語の場合もあれば、言語分野全体の場合もあります。専門試験も事項に関する説明する短問と論述問題があります。
 
 今回取り上げるのは特に文化分野の論述問題なのです。もちろん、常識的な問題もあります。たとえば「日本の歴史区分を行い、それぞれの文化の特徴を論じなさい。」とか「日本の伝統文化について東アジアの交流の視点から具体例をあげて論じなさい。」などです。
 
 一方奇問としては「カレーライスは和食であるかそうでないか日本の食の歴史及び文化を踏まえて論じなさい。」などです。外国人留学生によってはカレーライスは食べないので難しいと思います。「観察データーをビデオに収録することのメリットとデメリットについて論じなさい。」これも答えにくい問題です。同じような問題として「近代現代の歴史に人々の記憶を生かすことの長所と短所を論じなさい。」です。
 
 難問というか奇問というのは「映画分析に映画の文法を使用することの長所と短所を具体例をあげて論じなさい。」です。おじさんはそもそもテレビの洋画劇場くらいしか見ないので、「映画の文法」などという言葉すら知らないのです。これも外国人留学生が答えられるとはちょっと思えないのですが。
 
 どこから手をつけてよいのか分からない問題もあります。「近代日本文学の作品の一つをあげて、作品にみられる都市空間論を論じなさい。」とか「近代の日本の文学者が作品の舞台として雑誌をひとつあげて、その特徴や活動を論じなさい。」です。これは文学専修以外の学生無理でしょう。
 
 学生さんが全く手がでないと思われるものは「近代日本の美術作品をひとつあげて分析しなさい。」です。日本語教育を勉強しようとする外国人でそこまで書ける人はいないでしょう。映画から文学、さらには芸術作品まで相当造詣が深くなければ合格しないようです。
 
 しかし、大学の4年間でそこまで勉強できる人はまずいないような気がするのですが。おじさんもウッキーぺデイアを参考にして何とかこたえを出しました。本当はまだまだ難問があるのですが、読者のみなさんがいやになると思って省きました。
 
 どんな勉強をすれば合格できるのか、これを見て指導教官としては自信がなくなりました。明日は家のお手伝いです。