新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国人大学教師の見た日本

 昨日は午後相続関係の手続きがあったり、夕方から来日する中国人の先生の出迎えなどで忙しくてブログを書くことができませんでした。相続関係の手続きはもう少し時間がかかりそうで、明日また行く予定です。明日にはなんとか完了する見込みです。
 
 最近金やプラチナの価格が上昇しているので、貴金属買い取りの個別訪問があっています。以前は貴金属は鑑定が難しいので、そんなことはありませんでした。ところが今は史上最高値をつけているので、各家庭に眠っている指輪やネックレスなどを個別訪問で掘り起こしているようです。
 
 切れたネックレスやサイズの合わなくなった金やプラチナ製品をわざわざ売りに行く人はすくないので、商売になると思います。買い取る側も家庭の主婦が買った金やプラチナ製品が偽物である確率は低いと考えているのでしょう。主婦でそんなものを持っている人は、信用のある宝石店やデパートで買うのが普通なので、リスクは低いでしょう。(とくに古い住宅街の一戸建てなどは、昔から住んでいるので信用度も高いです。)
 
 それに主婦が貴金属の相場を知っているはずもないので、相場の2割とかで買い取れば、仮に偽物や混ぜ物があっても、リスクを十分補えると思います。それにしても、貴金属相場の値上がりがここまできたのかと思いました。
 
 さて、今日は昨日こられた先生の日本の印象を書きます。その先生は四川省のある市の大学の先生です。2月の5日に大学院の入試を受験するため来日しました。先生の住む市に行ったことがありますが、空港もある結構大きな市です。(ヤフー天気予報の中国都市にも出ています。)
 
 まず、日本の印象はどうですかと聞くと、静かなのが一番印象的ですと言いました。今日は先生が受験する町まで高速バスで行くので、バス停まで送りました。高速バス乗り場で待っている時も、日本人は皆静かに待っています。確かにこれが、中国であれば大声で話したり、携帯電話をかけたり、バス乗り場の前では物売りの声が聞こえると思います。
 
 それに運転する自動車のうるさいクラクションの音もしているでしょう。また日本では町行く人も黙っています。友達同士でも大声で話したりはしないのです。中国だと町は騒然としています。あるいは雑然としているといってもよいでしょう。自動車が小さいような気がするとも言っていました。確かに、おじさんの町も高齢者が増えたり、通勤用に使ったりする車に軽自動車が増えています。
 
 以前は通勤用でも立派なセダンを使っていたのですが、バスや電車の代わりに通勤に一人で乗るなら、軽自動車でもよいとなったようです。それに高齢者は同乗者がせいぜい夫婦だけなので、軽自動車になったようです。軽自動車自身もサイズが大きくな乗りやすくなったようです。
 
 また、ワンボックスカーの場合、子供2人に夫婦で遠出などには便利ですが、小家族では効率が悪いようです。それで子供が大きくなるとワンボックスカーの需要も減ります。おじさんの息子が小学生くらいの頃はワンボックスカーが多かったような気がします。
 
 それから先生が仰るには、町がきれいで物売り(屋台)がいないということです。先生は昨日の昼に中国を出て、夜ついたのです。それに日本に来るのは初めてです。中国人の日本に対する印象がストレートに出ています。日本ではよほどの町でないと屋台で商売していることはないでしょう。また、路上で食べ物や野菜などを売っていることもありません。
 
 また、歩きながら食べたり、道にゴミを捨てたりする人も最近ではほとんど見ません。確かに中国では、食べ歩きは常識で、器はその辺に捨てたりするし、食べ物の残りも平気で道端に捨てます。こう書くと日本だけが極端によく聞こえますが、中国で生活してこんな悪い面を捨象する中国のよい面があるのです。
 
 逆説的ですが、かっての日本にあって今の日本にないものです。それは騒然とした中にある町の活気のようなものです。お祭りの日の出店の賑わいや何か騒然とした中にある一体感や一種のバイタリテイのようなものです。高度成長期の日本にはありました。
 
 皆が未来は明るく豊かになると思って精一杯がんばっていた時代です。昭和30年代後半から40年代後半までの10年間くらいです。貧しかったけれど、バイタリテイに溢れた時代です。アメリカからは、日本人はサルまねで独自の技術はないといわれ、日本製品ダンピングだとか、日本製品は安かろう悪かろうだと言われた時代です。
 
 また、日本の野菜は人糞を野菜にかけるので寄生虫がいるといわれ、欧米人は特別に栽培した清浄野菜を食べていました。おじさんが子供時代住んでいた港のある町では、仕事のないおじさんたちが、焼酎を飲んで花札ばくちを昼間からしていました。
 
 すべて懐かしい思い出です。それを知らない若い世代の方は、中国を見てかっての欧米人のような感想を持つだろうなと思いました。今日の夜から今度は指導学生さんが受験前に準備におじさんの家に来ます。夜おじさんの町の空港へ迎えに行きます。