新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

宗教国家アメリカ

 昨日から別荘の整備に行っていました。新日鉄と住金の合併は株式相場では大歓迎として受け止められているようです。住金と新日鉄は大幅高になりました。以前住金を持っていたので、とても関心があります。以前住金はJAL並みに経営危機に陥ったことがあります。
 
 額面割れまでしたと思います。おじさんも60円くらいから50円近くで購入したことがあります。その後500円くらいまで戻したのです。数万株単位で持っていたので、最高値まで持っていれば大変な額になったのですが、そんな勇気もなく相当手前で売ってしまいました。(今でもツマクマから責められます。)
 
 実はその時も、新日鉄救済合併がささやかれていました。その後中国への輸出増大でなんとか住金は危機を脱することができたのです。だから、今回の合併話を聞いた時も驚きませんでした。まだ公正取引委員会の審査待ちなので、何とも言えないところです。
 
 住金が吸収される形になると思うので、住金の従業員さんは大変ですね。それに高炉をそのまますべて引き継ぐのも難しいでしょう。かなりの数の人員整理が予想されます。
 
 さて今日はこれまでとは全く違う話題です。実はこれまで買った本を読み終えたので、新書を買いました。それは「アメリカと宗教」という中公新書です。最新の技術と高度な経済、それに世界最大の軍事力を持つアメリカは実は大変な宗教国家なのです。
 
 とくにアメリカのキリスト教原理主義は強い政治力を持っています。ご存じの方もあると思いますが、アメリカでは進化論を信じない人も大勢いるのです。それだけでなく、進化論を公立学校で教えないようにという法律まであったのです。また、アメリカのキリスト教界は、政治についても強い影響力を持ち、実際に政治活動にも参加しています。
 
 アメリカのキリスト教界は福音派と呼ばれる原理主義的傾向(聖書の言葉をそのまま信じる考え)を持つ保守派キリスト教会と近代主義(聖書の中で科学と矛盾する部分は科学を信じる)といわれるリベラルな進歩的なキリスト教会があるのです。政党でいえば、福音派共和党近代主義民主党支持ということになります。
 
 実際はアメリカのキリスト教界はもっと複雑です。詳しくは新書を読んでください。日本のキリスト教会はアメリカに比べてはるかに小さなグループですが、やはり同様のリベラルグループと伝統主義とがあります。リベラルグループは日本では社会派と呼ばれます。伝統主義は福音派です。日本のプロテスタント最大の組織日本キリスト教団の会議でもこの二つの流れが衝突します。これについては、最近の情勢は知らないので(3年近く中国にいるので)何とも言えません。
 
 アメリカと違って日本ではそもそもキリスト教信者が少ないので、そんな話題すら知らない人がほとんどだと思います。仏教の場合、仏教リベラル派というのもないし、神道も同様です。どちらかといえば神道自身が伝統保守派なので、日本では神道アメリカの福音派に近いかと思います。
 
 アメリカの福音派は信仰的に原理主義なだけでなく、生活についても伝統的な家族関係を重視し、強い国家を目指します。地域的にはかってはアメリカ南部が中心だったのですが、人口の移動の結果カリフォルニアなどの西海岸でも強くなっているようです。
 
 レーガン大統領が選ばれたのもそのような背景があったようです。中東の政治状況を理解する際にイスラム教を抜きにして考えられないように、アメリカの政治状況を理解するうえでキリスト教福音派に対する知識が必要です。宗教がほとんど問題にならないのは、東アジアくらいでしょう。
 
 今日からまた二女と孫たちが来ます。