新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

古本屋に見る経済評論

 今日は朝から天気も回復しました。明日からはまた寒くなるそうです。指導学生さんによれば語学(日本語)の試験はまずまずだったそうです。明日はいよいよ記述試験と面接試験です。1年以上指導してきたので、我がことのようにどきどきします。
 
 今日はフリーな日だったので、午後から温泉に行きました。家から自動車で30分くらいのところにあります。町営なので1人500円です。遠くに山々を望むとてもよいところです。鉄分の多い温泉です。もともと炭鉱地帯だったのですが、今はまったくその面影はありません。
 
 株式市況も今日は少し下がりましたが、増益の企業も増えています。おじさんの持ち株の機械株や建設株も上がっています。増益や復配を好感した結果です。子供が持っている化学関係の株も増益を好感して上がっています。トヨタもリコール問題が解決する方向に行きそうで、値上がりしていました。
 
 一方金融関係は下がり気味です。値上がり銘柄もあるのですが、おじさんが中国へ行くまで相場が開いているのは、後2日くらいなので売ることはできそうにありません。以前書いたように国外に出ると売り買いができないのです。
 
 さて今日は夕方から古本屋(全国チェーンのブックオフ)に行きました。最近買った新書や文庫を売るのと同時に古い本も買ってもらいました。買った時は5000円くらいかかったのですが、売ると400円でした。それでも書棚が片付いたのでうれしいです。
 
 ところで、105円均一で単行本を売っていました。それは1990年から2000年くらいに書かれた本です。ふと思いついて経済・政治関係の本を見てみました。今から20年前の経済評論家はどのような主張をしていたのか見てみたかったのです。
 
 まず1990年代の経済書を見ると、不良債権の問題が取り上げられていました。またまだデフレに問題が出ていません。さらには、日本経済は復活するという意見も強かったです。まだ新興国が今のように注目されていません。北朝鮮崩壊論はこのころから出ています。
 
 2000年頃から中国が少しずつ注目されています。2005年くらいから中国が注目され始めます。そして、中国経済早期崩壊論が出始めます。とくにオリンピックが始まる前はオリンピック後経済低迷の主張が出始めます。アメリカ経済についても復活が主張されています。
 
 さすがにリーマンショックを予言するものはありません。中国元の切り上げ論は2005年くらいからでますが、その後の経過を見ても中国はがんとして切り上げをする気持はなさそうです。ブラジルなどのBRIC諸国は2005年くらいでもまだ出てきません。
 
 古本を見て思ったのは経済評論家は、1・2年の状況だけを見ているようです。東大の伊藤某先生は最近も経済評論をいろいろ書いていますが、1995年頃書いたものには、バブルの影響は間もなく終わると書いていました。1990年当時は失われた20年やデフレの時代が来るとはだれも考えていなかったようです。
 
 政治を見ても、橋本元首相期待論や田中真紀子氏待望論がありました。鈴木宗男氏の本もありました。小泉改革について好意的な本もありました。なぜか日本のマスコミは、過去に経済評論家が書いた本の評価をしません。多分それを一覧表にすればほとんどの経済評論家は頭を丸めなければならないでしょう。
 
 大学の経済学の先生も多分同じだと思いました。逆に最近よく言われるように中国は日本の経済運営の失敗をよく研究していると思います。残念ながら日本は失敗に学ばないようです。その証拠に20年前あるいは10年前さらに5年前にに書いた内容が全く的外れであっても、何の反省もなく今でも堂々と経済書を書いている人が
多すぎるからです。また、マスコミも全く的はずれな内容を書いた経済評論家を非難もせず、重用しているからです。書いた本人もそのことに触れた話は聞いたことがありません。誰も反省しないのです。
 
 大学の経済学部の学生の卒業論文で、経済評論家の予想がどの程度外れたのか、またなぜ外れたのかを書いたらおもしろいと思いました。皆さんも古本屋に行った時、えらそうに経済評論を述べている人の以前の言説を見てみるとおもしろいですよ。
 
 明日からまた二女と孫っちが来ます。忙しくなります。