新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国大学就職状況報告

 今日も暑い1日でした。今日の午前中は半年に1回行っている前立腺の検査です。数値が余り良くないので、いつも心配です。そうはいってもまだ治療をするほどではありません。
 
 昼前から親戚の人が来ました。その後夕方から懸案のテレビを買いに行きました。エコポイントがなくなる時に買う予定もあったのですが、その後半年中国に行くのでパスしました。エコポイントもなくなり、地上波もなくなる直前なので、さすがに新たにテレビを買う人は少ないようです。
 
 それで、思っていた以上に安く買うことができました。52型にしました。昨日書いた株価も相変わらずです。こちらで利益が出ればよいのですが、そうもいきません。
 
 さて、昨日コメントがあって、中国の大学事情について読むのを楽しみにされている方がいるようです。それで、しばらく中国の大学事情について書きます。今回は中国の就職(進学も含む)事情について書きます。中国の企業の様子は日本より欧米に近いものです。
 
 まず日本のように3年生の後半から就職活動をするようなことはありません。ただ、おじさんの大学の例しか知らないのでその点はご了承ください。新学期は9月からなので、9月になると一斉に大学で企業就職説明会がありました。中心は理系です。おじさんの大学は建築系の学部(学院)があって、こちらは就職貴族です。引く手あまたです。日本と違って、理系であっても大学院修了でなくて就職する学生さんがほとんどです。理系は全体に就職が良いようです。
 
 おじさんの学部の主任の先生のお嬢さんなどは、就職できなかったら進学するという話でした。理由は大学院が3年で(日本は修士は2年)、その間に景気変動がある可能性があるので、とにかくまず就職できるときにしようということです。就職はうまくいきました。中国でも女性は男性に比べると就職が難しいそうです。
 
 文系の場合は日本と同じでやはり理系に比べて格段に難しいです。おじさんの日本語学部でも1学期(9月から1月)にはほとんど就職が決まりませんでした。おじさんが心配して中国人の先生に「大丈夫ですか。」というと、「毎年うちの学部は2月過ぎて決定するから大丈夫ですよ。」という話でした。
 
 日本の場合6月くらいまでが勝負で、その後の大企業就職は難しいのですが、中国は通年の就職活動でした。それに、日本と大きな違いは、内定が出てから簡単に辞退できないことです。ちゃんとした理由(留学など)がないと違約金を企業に払わなければなりません。(2000元とか極端な場合5000元とか・・初任給が2000元くらいなので日本でいえば20万円とか50万円です。)
 
 大学院の学生さんの話では、ある大学に就職が決まったが事情があって断ったところ5000元請求されたそうです。結局それを払って新たに就職した大学の初任給は2000元なのだそうです。
 
 おじさんは今年も卒論指導の学生が6人でした。日本語学部全体で55人しかいないし、中国人の先生は12人います。日本人の先生が4人です。ですから単純計算だと4人でよいのにおじさんだけ特別多いのです。この6人についどのような進路か確認しているので報告します。(おじさん以外の日本人の先生は5人、中国人の先生は平均3人です。)
 
 2人は進学です。一人は中国の日本語研究のメッカ北京外国語大学付属日本学研究センター大学院です。中国の日本語研究について知っている人は皆すごいというレベルです。おじさんもこの学生さんは誇りです。卒論も90点(優・・学部で10人以内)でした。ちなみに卒論は太宰治人間失格と斜陽についてです。
 
 もう一人は某旧帝大大学院の日本語学研究科の研究生になります。就職は4人です。日系企業としては、「ユニクロ」に一人男子学生が行きます。上海で今研修中でその後中国各地に配置になります。就職試験はかなりの倍率だったようです。女性では中国の都市銀行に就職します。(今おじさんが使っている銀行です。)この学生さんも某旧帝大の大学院の研究生に決まっていたのですが、就職が決まったので断ったそうです。
 
 今一人の女子学生さんは、故郷の国営企業に決まったそうです。中国では国営企業は公務員に次いで人気の就職先です。男子学生さんで日本語の勉強が苦手だった学生さんは、大学の近くの不動産会社に就職してマンションを売りまくっています。
 
 何とか無事指導学生さんが就職できてよかったです。進学する学生さんの一部にはおじさんが推薦書を書きました。今年の傾向として日本の大学院に進学する学生さんが多いようです。おじさんの家の近くの旧帝大の大学院(社会学専攻)にも進学する学生さんがいます。また関西地方の旧帝大の大学院(法律学専攻)の学生さんもいます。某国立女子大学に進学する学生さんもいます。
 
 中国の日本語学部のおもしろいことは、第二専攻があることです。日本語学部と法学部の両方で勉強して両方の卒業証書と学位(文学士と法学士)がもらえるなど日本では信じられないことです。もちろん両方の卒業論文を提出する必要があります。
 
 大学院修了の学生さんは5人ですが、大学の日本語の教師が2人と企業が3人です。一人は何と中国でも有名な新華社に就職します。この学生さんは、朝鮮族で中国語と朝鮮語と日本語が話せます。
 
 おじさんの大学は中国重点100大学の上位三分の一くらいなので、やはり就職にも強いようです。