新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

似ているようで違うものー日中行政組織比較

 今日は台風が通り過ぎたと思ったのに意外に強風が吹いています。天気予報は晴れの予定だったのですが、曇り空です。コメントいろいろいただきありがとうございます。他の中国在住のみなさんはブログが使えたようですね。おじさんは使えなかったので、住んでいる街の公安局かそれともプロバイダーがいじわるをしたのかもしれません。
 
 そういえば、成都に旅行に行った時(プロのガイド付き)は2階建てバスを見ました。あれは1階と2階で料金が違うのでしょうか。それとも、あれは観光バスだけだったのでしょうか。窓ガラスを割るハンマーの由来について良くわかりました。そういえばスクールバスにもついていました。
 
 さて今日は、外見はそっくりなのに管轄が違う行政組織について書きます。もし、そんなことは前から知っているという読者がおられれば、その方は相当な中国通です。おじさんも中国に行くまで全く知りませんでした。
 
 まず戸籍から書きます。日本で住民票を届けたりもらったりするときは市役所(区役所)か役場です。ところが中国では、何と警察なのです。といっても戸籍専門の部署があって、警察署と別のところにあります。おじさんの区の場合、大学の中門の前にありました。おじさんは住民票のようなものを持ちませんでしたが、ツマクマは旅行ビザ(3ケ月)を取るために必要で、住民登録をしました。
 
 ところで、住民登録にしてもビザにしても必ず写真が必要です。その写真の人物が本当に当人であるのかの証明書があるのです。それがついていない写真では最近出入国管理局が受け付けてくれないという話でした。それでツマクマも、その証明をつけてくれるところで写真を撮りました。その証明を出すのは何と許可を得た写真屋さんなのです。大学の正門の前にあって、海外へ行く留学生もそこで撮って証明をもらっていました。
 
 警察でおもしろいのは、そもそも中国語でも「警察」「検察」と日本語と同じ用語です。裁判所は「法院」で違います。警察にも2種類あって「人民警察」(民警」と「武装警察」(武警)があります。前者は公安部(公安局)管轄で後者は人民解放軍管轄で簡単にいえば軍隊の一部です。普段街で見かけるのは民警です。最近「武装検査点」と呼ばれる喫茶店の大型パラソルのようなものでできた警察の出先機関が多くなりました。
 
 それまで民警は拳銃を持っていなかったのですが、去年くらいからどうも拳銃を持っているようです。ホルスターのようなものが腰に見えて、どうみても回転式けん銃のようです。あまりじろじろ見ると怪しまれるのでさりげなくみたのですが、間違いないと思います。武装警察は一度モノレールの駅に巡回に来たのをみました。こちらは全員マシンガンを持っていました。最初モデルガンかと思ったのですが、ここは中国そんなはずはないので本物だと思います。(あと現金輸送車のガードマンはショットガンを持っています。)ちなみに外出する軍人さんは丸腰です。そういえば市の共産党本部の警備員も拳銃を持っていました。
 
 ところで消防はどこに所属すると思いますか。日本であれば市役所又は一部事務組合(いくつかの町村が合同で結成する。)でしょう。実は消防は軍隊の一部なのです。つまり人民解放軍に所属します。これもおもしろい点です。ちなみに、消防署に救急車はありません。救急車は病院に所属して、有料なのだそうです。使ったことがないので知りませんが、そういう話でし。
 
 有料となれば、タクシー代わりに使う人もいませんね。日本も有料にすれば利用者は激減するでしょう。それから出入国管理局は日本では法務省の管轄ですが、中国では公安局(警察)の管轄です。おもしろいのは上海から出入国する際、係官にパスポートを提示しますが、係官の前には、サービスがとても良い・やや良い・普通・悪いを押すボタンがあります。日本では信じられないことです。ほとんどの人はとても良いを押してあげます。もちろんおじさんも押します。
 
 このボタンは中国銀行へ両替に行った時もカウンターにありました。中国というと腐敗とコネ社会のようですが、ある部分とても評価が厳しい社会でもあります。そういえば学部の送別会の時、主任の先生が何かメモを回していたのですが、後で聞くと今年の最優秀の先生を選んでいたのだそうです。選ばれるとちょっとですが、賞金がでるそうです。
 
 スーパーでもホテルでも今週のとか今月の優秀社員というコーナーがあって、顔写真いりで社員の人が出ています。日本では考えられないことです。ちなみに病院ですと、すべての医者(中国では医生)と看護士の顔写真が出ています。特別招聘した医生のことも入口に書いてあったりします。
 
 大学構内に警察の派出所があるのも驚きです。もちろん本物のパトカーが大学構内を巡回しています。学生の身分証明のようなことも警察がするようです。日本でも身分証明書代わりに一番有効なのが警察(公安委員会)が発行する運転免許証なので、確かに一番確実な身分証明かもしれません。
 
 警察官を撮影するのは厳禁で、警察が繁華街で乗るゴーカートをツマクマが撮影しょうとして、NOといわれました。でも大学構内の派出所は警備の警察官を撮影をOKしてくれました。こんなところも中国的です。パトカーや警察車両を私用で使うのは常識です。
 
 まだいろいろありますが、結構中国の社会を観察してみるとおもしろいです。明日は病院回りです。