新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

おじさんの見た人民解放軍(パート2)

 今日は夏の暑さが完全に戻ってきました。これを書いている今もギラギラ太陽です。先週くらいから涼しくてよかったのですが、これから本格的な夏になるのかもしれません。
 
 今日は午前中保険会社の人が来て、孫の学資保険について話しを聞きました。わずかですが、孫の学資の足しにと思って、学資保険を考えているのです。午後からはご無沙汰している方々に暑中見舞いを書きました。帰国のご挨拶も兼ねてです。
 
 外貨相場も株式相場も、アメリカの債務問題でさっぱりです。来週にはデフォルトの期限がきますが、おじさんの見通しでは、とりあえずデフォルトになると思います。今の状況では、どちらかが妥協するのは無理です。完全な党利党略なので、妥協の余地はありません。日本のねじれ国会と全く同じ状況です。国民のためより、どちらが自党に有利かだけです。
 
 さて、昨日に続いて人民解放軍について書きます。日本の旧軍や自衛隊と全く違う点は二つです。一つは昨日書いた党が軍を支配するという点です。上は国防部(防衛省)から下は部隊に至るまで政治委員がいます。彼らは、国防部の指揮監督ではなく、直接党軍事委員会の下にあります。以前は軍事に素人な政治委員もいたようですが、今は軍人がある時は師団長、ある時は師団政治委員になっているようです。
 
 大学でも、ある教授が学院長(学部長)をやった後学院の書記になったりします。ですから、日常的にこちらは副書記さんです。とか主任に紹介されます。皆研究業績もすぐれ留学経験のある先生方です。以前から書いているおじさんの学部の学部長の先生も当然共産党員です。
 
 次に、人民解放軍には専属の歌手や芸術団があります。軍人の人もいますが、階級章を見ると軍属(文官)の人も多いです。以前解放軍の外国語学院で先生をしていた中国人の先生も、10年くらい前までは、全員軍人で階級もあったが、ある時から教官や芸術家、研究員、看護師などは文官になったと言っていました。
 
 軍人だった時は教官は総参謀部に所属していたが、文官になって、総後勤部所属になったと言っていました。芸術(踊りや歌など)家は文工団とも言われます。(多分文化工作団の略称だと思います。)これは解放軍の前身の紅軍のころからあります。文字が読めない農民や少数民族共産党の活動を知らせ、支持を得るために大きな働きをしたようです。
 
 ですから、軍の芸術活動は重要な位置にあります。旧軍では歌舞音曲など単なる慰安と考えたのとは全く違います。それから解放軍は軍隊の成立と関係しますが、宣伝活動にとても力を入れています。
 
 さて、現在の自衛隊や外務省などを見ていると、解放軍に比べて格段にインテリジェンスやカウンタインテリジェンスが欠けていると思います。戦国時代の日本では諜報活動や防諜活動は重要でした。家康が関ヶ原の前に豊臣方の武将に手紙を出し続けた話しは有名ですが、江戸時代の諜報活動は正々堂々と正面から戦う武士にふさわしくないという雰囲気がでてきました。
 
 それでも戦前は結構やっていたのですが、戦後全く否定されてしまいました。今「警視庁情報官」(講談社文庫)を読んでいるところですが、警察以外の諜報活動はやはり低調のようです。中国では国共内戦時には多くの共産党秘密諜報員が、国民党の組織にもぐりこんでいました。
 
 実際にある旧八路軍の記念館で、そのような資料の展示をみました。国民党のスパイ組織(軍統局)の主任クラスで入ったり、国民党の有力政治家の秘書として入ったりしています。2年前「潜伏」というテレビドラマが大ヒットしましたが(おじさんも見ました)本当に良くできていました。
 
 中国は、諜報活動については長い歴史と伝統があります。内部撹乱などはお手の物です。ですから、インテリジェンス(諜報活動)以上にカウンターインテリジェンス(防諜)活動が重要だと思います。ハニートラップ(女性の誘惑によって、相手を罠にかける)など中国の最も得意とするところです。三国志など読めばすぐわかります。
 
 以前瀋陽の領事館だったと思うのですが、領事の方が自殺しました。これもカウンターインテリジェンスの不備です。敵の謀略を防ぐための教育やもし謀略にひっかかった場合、処分するのでなくいかにそれをうまく利用するかの指針などを作って、外交官や公安・防衛関係者に周知徹底することは、国際社会では常識なのです。
 
 実際おじさんの街でも、総領事館の電話もファックスもメールも手紙の全てチェックされているとある大学の日本人教師の方が話していました。(こちらは某有名商社のOBです。)企業でも有力企業の場合は同様だと言っていました。もちろんおじさんの大学のマンションは、日本だけでなく多くの外国人教師が住んでいるので、管理人さんか警備員の誰かが公安関係者だと思います。
 
 なんといっても管理人さん(30代の女性でとても優秀です。)などは全ての部屋の合カギを持っているので、部屋の中に入って調べるなど簡単なことです。
 
 管理人さんが公安局の人かと思ったのですが、別の本を読むと、最もそれらしくない人が公安関係者だと書いてありました。それで、警備室でよく昼寝をしているおじさんがそうかななどと想像して楽しんでいました。もちろん、おじさんは絶対に問題になりそうな文章を書いたり、まして学生さんに話したりはしません。(チベット問題やウイグル問題など)
 
 最新の武器を購入したり開発したりするのはお金がかかりますが、諜報活動や防諜活動はそれほどお金がかからない(最新鋭戦闘機に比べて)ので、防衛関係機関や外交関係機関は力を入れたらよいと思うのですが。
 
 今日はとりとめもなく意見を書いてみました。