新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

世界で注目される平和な国日本

 今日は全国的に猛暑のはずなのですが、おじさんの地方はにわか雨や強風で結構過ごしやすかったです。
 
 円高も一段落ですが。76円近辺で張りついたままです。様々な評論サイト(JBプレスやダイヤモンドオンラインなど)を見ても、どうも世界中でもっとも安定した通貨が円とスイスフランのようです。それでとりあえず、危険を回避する意味で円を買っているようです。
 
 これは以前から思っていたことですが、すでに経済評論家の間では常識になりつつあるようです。震災・原発事故・政治的な不安定などの要因を加味しても、世界の中で最も安定した国の一つなのでしょう。超大国アメリカや中国よりも、たとえ政治家は無能であっても、まだまだ捨てたものではないのでしょう。
 
 おじさんが見てもカントリーリスクは最も低いと思います。その一つは国民性です。温和で争いを好まず、国内に宗教的、民族的な対立を持たず、ほとんど鎖国状態で、その上まじめで勤勉、公務員の不正は中国などに比べて信じられないほど少ないのですから当然でしょう。
 
 おじさんが中国に住んで思ったのは、大陸国家ははずれはドーバー海峡から、こちらは対馬海峡まで歩いて行くことができるのです。ドーバー海峡などは泳いで渡ることができるほど狭いのです。ですから、たとえ今住んでいる所がだめでも、どこにでも新天地を求めて行くことができます。
 
 極端に言えば体力さえあればユーラシア大陸のはてまで特別の準備もなく行けます。ところが日本の場合、極端に言えば九州から本州、本州から北海道まで行くのでも大変です。もちろん橋やトンネルがありますが、もしそれが破壊されたら、国内での移動も不可能です。
 
 そのため日本は狭い国内で、皆争わずまじめに生きてきたと思います。争わない日本人の原形は江戸時代250年間に作られたと思います。戦国時代以前の日本人はもっと戦闘的だったようです。宗教勢力も石山戦争であらわされるように、武装して激しかったようです。(石山戦争ー信長と本願寺の戦争)
 
 江戸時代の宗教政策のおかげで、宗教対立はなくなりました。日本人が昔から宗教に寛容だったというのは間違いだと思います。おじさんは思うのですが、「昔から」の「昔」は古代からではなく「江戸時代」からなのです。
 
 地域対立も明治以降なくなりました。それ以前は国内でも西軍東軍の関ヶ原の合戦以来、親徳川と反徳川の対立は水面下では続きました。戊辰戦争での会津と薩摩の対立は、西南戦争まで続いたといいます。しかし、今はそんなことはありません。
 
 イギリスや中東諸国で起こっている若者の反乱にも日本は無関係です。今頃東京で若者が集まって暴動を起こすなどありません。若者がデパートや専門店を大勢で破壊して、電化製品を盗むなど考えられません。それでは、日本の若者は昔から大人しかったのでしょうか。今の若者特にネットなどに書き込む若者は団塊の世代が大嫌いのようです。
 
 この団塊の世代が若者だった時代、あるいはそのちょと前まで若者は社会に反抗していたのです。大学紛争だけでなく、その10年ほど前の安保闘争の時でも若者は、大勢デモをし警察と対決したのです。まさに怒れる若者たちでした。いま、大学生にそんなことを呼びかけても白けて参加する者はいないでしょう。
 
 つまり、江戸時代に宗教対立がなくなり、鎖国で異民族を受け入れなかったので、民族対立がなくなり、明治の統一国家によって地域対立がなくなり、大学紛争を境に怒れる若者の暴動もなくなりました。つまり、日本は現在ほとんどの国が抱える全ての問題を持たないのです。
 
 おまけに、憲法9条があるので、外国に戦争をしかけることもありません。竹島問題でも尖閣列島の問題でも、こちらから武力で戦いを仕掛けることはないのです。もちろん、外国が戦争を仕掛けることもありません。もし、戦争を仕掛けるなら、その国は日本製品の輸入ができなくなります。
 
 そうなったら、国家経済は成り立たないでしょう。スイスも先述した条件に似ているようです。スイスは永世中立国ですが、日本は安保条約を持っています。しかし、だからと言ってアメリカの戦争に参加するわけではありません。
 
 以前日本は東洋のスイスを目指すと言われていましたが、まさに今そうなっているようです。日本全体が日本は駄目だと言っているのに、世界中は日本が一番安全で平和で命の次に大事なお金を預けるに足る国だと考えています。何だか変ですね。
 
 明日は検査入院のための準備をします。