新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国宗教事情報告

 今日は朝から激しい雨でした。ツマクマとばーちゃん(義母)は昨日から野球見物で、その後次女のところに泊まりました。今日は日曜日なので、教会へ行きました。円高は相変わらずだし、アメリカの株式相場も下落したようです。明日の日本の株式相場も下落間違いなしでしょう。
 
 経済について思うところは、またいつか書きます。今日は日曜日で教会に行ったのをきっけに中国の宗教事情について書きます。と言ってもこれは全ておじさんの見聞によるところで、中国全土の宗教事情とは違うと思います。また、言葉の面や大学の外国人教師という立場(授業等で宗教的な発言は契約で禁止されている)なので、どうしても限界がありますが、とりあえず一人の日本人が見た中国の宗教事情ということでご理解ください。
 
 まず結論から言えば中国は仏教国です。仏教は生活のあちこちに生きています。日本で言えば神道(神社)が担当する部分も仏教が担当しています。(交通安全・家内安全・無病息災などの祈願)ですから、乗用車には堂々とミニチュアの仏像が乗っています。また農家の土間には仏様が飾ってあります。
 
 観光でお寺を回ると、観光客向けの法話があります。ここまでは日本と同じです。その後今度はお坊さんが一人一人と面談します。さらに悩みのある人には個別にそれぞれお坊さんが対応します。そして、最後はあなたの悩みを解決するためにはこの仏画を買いなさいということになります。
 
 簡単に言えば商売をやっているのです。仏画はちょっとしたものでも2000元とか3000元とかします。日本円だと2万円とか3万円ですが、中国の物価水準は日本の10分の1なので、日本の金銭感覚で言えば20万円とか30万円とかです。もちろん政府公認のお寺なので、(政府主催の仏教大会参加の写真とか飾っているので)このような商売も政府公認です。
 
 観光地では新しいお寺が作られていました。どう見ても日本円でも数億円単位の大工事です。お金の出所は信者さんなのか、政府の援助なのか、いずれにしても新しい観光地として期待しているようです。中国の人自身も仏教に対して関心が高いです。おじさんの街にある大きなお寺は市内観光の一部ですが、来た観光客は大きな線香を買ってまじめな態度で拝んでいました。(四方を向いて祈る四方拝です。)
 
 学生さんについては、日本概況の日本の精神文化の時に質問しました。それは、宗教が一番良く表れる葬儀についてです。おじさんが観察するところでは、都会ではほとんど無宗教の葬儀です。大学構内でもなくなった旧職員の訃報が貼り出されています。それによると、○○会館のようなところで葬儀を行うとなっています。この場合遺族の人が挨拶したり、死者の知り合いの人が弔問したりするだけで、宗教的儀式はありません。
 
 もちろん墓地もあります。おじさんの街の有名なお寺には納骨堂もありました。おもしろいのは納骨堂の入り口には閻魔大王の手下のような人の人形が立っていました。ある学生さんの田舎では道教の道士が来てお葬式をすると言っていました。この道士の人は学生さんの話では普段は別の仕事をしていて、お葬式の時だけ働くのだそうです。
 
 葬儀屋さんは当然あります。花輪(生花ではなく造花です。)を飾ります。さて、キリスト教はと言えば、カソリックは天主教と言ってちゃんと教会があります。どちらかと言えばプロテスタントの教会の多いようです。おじさんの街にはどちらもあります。もちろん政府公認で堂々と看板を大通りに出しています。
 
 おじさんは大学からバスで15分くらいにある教会にまず行きました。大通りからちょっと入った9階建ての大きな建物で十字架が教会のてっぺんについています。(バスからも良く見えます。)ただここの教会は音楽中心の教会なのでやめました。繁華街にある教会に行くとそこは欧米の人も来ていました。牧師さんによっては説教のまとめを英語でやったりします。
 
 週報(礼拝の内容について書いた報告)も英語が使われているし、英語の礼拝もあります。ここは一番の中心地から時計台が見える一等地にあります。やはり8階建てくらいで、収容人数は1000人くらいです。牧師さんも4人くらいいます。結婚式もやっています。地下には駐車場も持っています。
 
 そんな大きな教会なのに、朝2回昼と夜に1回ずつ礼拝があります、聖書讃美歌は教会に備え付けです。おじさんがでる朝10時半からの礼拝だと800人くらいの聴衆がいます。それに新来会者も毎回20人くらいいます。多分所属する信者さんは3000人くらいだと思います。
 
 礼拝の内容も進行も日本とほとんど同じです、もちろん聖書も日本と同じ内容でそれを中国語で書いてあるだけです。礼拝参加者はなんだか日本ほどまじめではありません。携帯は鳴るし、礼拝に飽きると寝るし、のどが乾けばペットボトルのお水を飲みます。人によっては、デジカメで礼拝を撮影しています。
 
 やはり高齢者の人が多いですが、若い人も結構います。おばあさんみたいな人が孫を連れてきたりしています。内容はもちろん道徳的な内容だけで政府批判などはありません。当然政府関係者も毎回聴衆に混じっていると思います。
 
 文化大革命で宗教施設が破壊されたと聞いたのですが、今は相当復旧しているようです。また共産主義無宗教だと聞いたのですが、宗教に関心を持つ人は多いし、それに積極的に政府は宗教を抑制しているようでもありません。(もちろん政府の政策に従う限りでしょうが)地下教会もあるようです。学生さんから聞いたことがあります。(学生に対して宗教の話しをしてはいけませんが、私が日曜日何をしていますかと聞かれて教会に行っていますというのは自由なので、私がキリスト教徒だと学生さんは知っています。)
 
 おじさんが見たのは中国の宗教事情の一部ですが、地方都市のそれも一部の宗教事情ですが、生の庶民の宗教生活を見てきました。ちなみにおじさんの街に日本人は300人しかいないので、外国人に見せるためのやらせではありません。
 
 明日はのんびり過ごします。