新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

雇用問題について考える

 今日は1日中雨が降ったりやんだりでした。雨と言ってもとても強い雨です。今も結構降っています。お盆過ぎまで真夏日だったのに先週後半から雨になりました。水不足にならないし、植木に水をやらなくてもいいので助かっています。
 
 就職活動もとりあえず、一段落です。今のところ応募しているのは専門学校と大学、それに県立学校の講師登録です。短大はすでにご縁がありませんでしたとの連絡がきました。今のところ県立学校の講師待ち(先生が入院したり、研修で派遣されたりすると年度途中でも講師の需要があります。)が本命です。
 
 今日はおもしろいというか、おじさんの実感に近いコラムを見ました。ヤフーの政治サイトです。ぜひご覧になるのをお勧めします。今まで読んだコラムの中で真実に近いものです。「官製デモなんか中国ではありえません。」という日本のマスコミや中国嫌いの人には刺激的なタイトルです。加藤嘉一という人が著者です。やはり、おじさんの実感と近い人がいるのだと安心しました。
 
 さて今日は労働生産性と雇用問題です。日本は欧米に比べて労働生産性が低いと言われます。いろいろ見てみるときっとそうだと思います。だから日本も労働生産性を高めるべきだということになるのです。それはそうなのかもしれません。
 
 実は中国で見たのは恐ろしいほどの労働生産性の低さです。スーパーなどでも日本では信じられないほど多くの従業員がいます。また、肉、魚、野菜や果物は全て従業員の人が計って値段を貼ります。お客さんは自分で野菜や果物を選んで計測コーナーに持っていくのです。
 
 もちろん日本では野菜・果物・肉・魚・などはトレーに入って売っています。ですから、また、スーパーでは清掃専門の人がいつも店内を清掃しています。大学でも道路でもそうですが、大勢の清掃員がいます。逆説的ですが、中国人が皆ゴミを捨てなくなったら、これらの人は失業することになります。
 
 また、スーパーでは店員さんが大勢います。それぞれ持ち場にいて商品を売り込むのです。衣類やお酒などです。高額商品のところには必ずいます。雑貨部門にもいます。おじさんがワインを見ているとすぐ近ずいてきて売り込みます。
 
 建設現場で働いている人もあまり労働生産性が高くありません。熟練工がほとんどいなくて、ある時は大学の実験棟の壁面にタイルを貼ったのに、全て貼り直していました。機械を使えば生産性があがるのに、あえて人力を使うところもあります。
 
 おじさんが考えてみると13億人の中国の人に仕事を与えるのは並大抵ではないと思います。もし欧米はもちろん日本並みの労働生産性まで向上させるなら膨大な失業者がでるでしょう。日本人のような清潔で外見を気にするとなると、小さなお店や道端で果物や弁当を売っている人は皆失業するでしょう。
 
 日本特に若者の雇用問題の難しさは労働生産性と関連していると思います。現代のように高度に技術化した社会では、高度な専門技術を持った極めて労働生産性が高く高額収入を得る人と、専門技術を持たず、簡単な仕事しかできず低所得の人に分かれると思います。もちろん高度な専門技術を必要とする仕事の求人はそんなにありません。
 
 また、大企業が求める人材は全ての若者のうち本当に一握りだと思います。それに文系の場合大学を卒業しても、大企業に就職できる人はほんの一部でしょう。おじさんの実感でも、たとえ正規雇用であっても、企業の規模と待遇は大きな関係があります。さらに卒業時就職できないと、次のチャンスはほとんどありません。おじさんの家の近くでも正規雇用されずに非正規雇用で生きている若い人が何人もいます。
 
 子供の頃から知っているので、なぜ非正規雇用なのかも知っています。大学中退であったり、短大を卒業したけれど就職できなかった。高卒後正規雇用になれなかった。ベンチャー企業に就職したけれど会社になじめず退職して次の仕事がみつからない人などです。以前であれば、中途採用などもあったのですが、今は難しいです。
 
 今書いた若者はすでに20代後半から30代前半になります。このような若者が将来正規雇用になる可能性は極めて低いでしょう。今は両親が生きていて何とか実家で暮らせていますが、両親が高齢化したり死んだ後はどうなるのか暗澹たる気持ちになりました。
 
 中国のように、とにかくどんな形であれ働く場があり、中途採用もある世界もいいのかなと思ったりしました。労働生産性が高まれば高まるほど、雇用機会が少なくなるような気もしました。ただ中国のような生き方を(マイペースで他人の目など気にしない)いつも他人の目を気にする日本人にできるか疑問ですが。
 
 明日は公証人役場に相続について聞きに行きます。