新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

体験的中国人論

 今日は台風が来そうだというので、庭の植木を片づけたりしました。とりあえずまだ風は強いですが、雨は降り始めていません。昨日大学に申し込みに行っていてよかったです。申し込みは木曜日・金曜日・月曜日の3日だけです。昨日の段階でも聴講生の申し込みは全学で20人にもなったそうです。
 
 さて今日はおじさんが体験した中国の人達について書きます。というのは、今日偶然中国の大学の学生さんからのメールも見たのと、中国の同僚の先生(学部長の先生)からのメールがあったからです。最近中国人論が良く出ているのでおじさんも自分の体験を考えながら「中国の人ってどんな」について書きます。
 
 ところで学生さんのメールは日本に留学するのでおじさんに推薦書を書いてほしいというないようです。この学生さんはおじさんが教えて現4年生ではトップクラスの学生です。日本語学部ですが、第二専攻として経営学を勉強しています。日本留学はこちらで来ます。早稲田大学北海道大学の大学院を2月に受験する予定です。
 
 本題の中国人気質についてです。日本人と全く違うのは他人をほとんど気にしない点です。日本人の場合過剰に他人の目を気にすると思います。よくいわれるように、日本人は集団主義で中国人は個人主義だと思います。日本人の中でも、一人で何でもすることが好きな人は中国で住みやすいと思います。
 
 KYという言葉は中国ではありえません。そもそも場の空気のようなものは出来にくいのです。日本人の場合、子供の頃から同じ文化・同じ価値観で生きていますから、共通のものが日本人全員にあります。それに、「らしさ」という言葉で表わされるように、あるべき理想の姿がすでにできているのです。(例えば「男らしさ」「女らしさ」)
 
 ところが多民族国家である中国では様々な民族が一緒に暮らしています。ですから、クラス全員が同じ価値観を持つなど考えもつかないことです。(25人のおじさんの大学のクラスにも漢族以外に苗族・満州族朝鮮族・壮族・モンゴル族の学生さんがいました。)
 
 次に個人主義の面では、誰とでもすぐ仲良くなります。知らない人でも何かの関係で知り合うと色々頼んだり、携帯電話の番号を交換したりします。友達の友達は友達感覚です。日本人の方が人見知りをするようです。また他人に対して警戒心が強いようです。
 
 また、強者に対しては妬みより自分もそうなりたいと思うようです。日本人の方が妬みの感情が強いようです。簡単に言えば中国人は外向きで日本人は内向きと言えましょう。もちろん中国の人が良い面ばかりではありません。個人的にはきちんとしていますが、組織的にはいいかげんです。
 
 中国の人もきちんと時間を守ります。学生さんでも遅刻する人は滅多にいません。また、海外では修理を頼んでも1週間くらい待たされると言われますが、おじさんのマンションの管理人さんは早い時はその日のうちに、遅くとも数日のうちに修理をしてくれました。
 
 一方、大学では3年間1度も給与明細をくれませんでした。だから税金がいくら取られているのかも知りません。もちろん契約書で給与は分かっているので、おおよその引かれものは分かりますが、詳細はわかりませんでした。おまけに給与引きだしようのカードしか貰っていないので通帳もありません。
 
 その上25日が給料日なのにその日に入っていたためしがありません。土日を挟むわけでもないのに給料が払われてないのです。と言っても次の月にかかることはありません。中国人の先生はきちんと25日に振り込まれているし、給与明細もあるようです。外国人教師担当部署がいいかげんなのです。
 
 給与以外に他の地区へ教えに行くと手当がでます。それは現金で学部の世話係の先生が手渡してくれます。もちろん明細はなしです。なぜこの金額なのかもわかりません。建物でも新築なのに1年間使われないもこともあります。
 
 それから中国の人は日本人以上に野次馬根性がすごくて、何か騒ぎが起こるとすぐに大勢集まってきます。また、女性であっても大声で喧嘩をします。(空港とスーパーで見たことがあります。)食欲も旺盛で、女子大生でも昼間から鍋ものをおかずに大盛りのごはんを食べます。もちろんダイエットに気をつけている人もいますが。
 
 値段を値切ることについては、どこでもできることではありません。例えば市場なのではいくら言っても絶対に安くしてくれません。雑貨屋さんや観光地などでは値切ることもできます。ただそんな場合相手もその分値段を高めに設定しているのです。驚いたのは、一度パソコンのプリンターリボンを買いに行ったら、学生さんが値下げ交渉を始めました。もちろん安くしてくれました。
 
 役人も威張っている人もいれば、親切な人もいます。おじさんたちも色々な役人に出会いました。中国の役人は全員威張っていると思ったので親切な人に出会った時は驚きました。それから、ちょっとしたプレゼントは喜ばないと聞いたのですが、マンションの管理人さんたちに日本の石鹸などを上げたらとても喜ばれました。
 
 おかげでさりげないところで助けてもらったりしました。最後に言えることは、どこの国でもいい人もいればそうでない人もいるし、いい加減だ人もいるしきちんとした人もいることです。全体としておじさんは中国では客人(外国人専門家・・中国が中国のために招聘した専門家)なので待遇はよかったと思います。
 
 日本人や中国人の書く中国人論を見た時、そうだと思うところと、人によって違うのにと思うことがあります。それでちょっと書いてみました。明日ものんびり過ごします。