新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

総論賛成各論反対又は内と外

 今日も晴天でした。ただ空気が乾燥していて気温の割には過ごしやすかったです。今日は色々な家事の手伝いで午前中は過ごしました。午後は定期預金を取り崩して旅行の準備金に充てに銀行に行きました。100万円3年間預けてなんとたった利息は4000円くらいです。以前は金利3%などと言った時代も長かったのですが。
 
 おじさんが家を建てた昭和50年頃TBSの転換社債は確か7%くらいの金利がついていたと思います。昔は退職金を定期や社債にしていたら、金利だけで結構お金がもらえたものです。もちろんその分物価上昇率も高く、とても金利だけでは追いつかなかったので、どちらもどちらです。
 
 もし、収入が安定しているならお金を借りて家を建てたりするのも良いと思います。今絶対大丈夫なのは公務員くらいでしょう。日本航空でも倒産するし、東電でもあぶないし、銀行など合併すると人員整理が待っています。本当に不安定な時代です。ですからどんなに金利が安くても簡単にお金を借りることが難しいでしょうね。
 
 さて、今日はテレビを見ながら考えさせられたことについて書きます。日本だけなのか、世界中人間はそんなものなのか、総論賛成各論反対、又は内と外があります。内と外はどうも日本特有かもしれません。
 
 今回の東日本大震災でも考えさせられたことです。それはがれきと放射線汚染の問題です。がれきについて言えば、大量のがれきをどう処理するかの問題があります。これを被害県内でけで処理するのは無理です。それならがれきを引きとってくれる県はあるのでしょうか。
 
 どこの県でも今廃棄物処理問題に苦慮しています。ゴミ処理場を作ろうとするとすぐ反対運動が起こります。ごみ処理問題やがれきの問題が大変なのはわかる(総論賛成)しかし内の地区にもって来てもらっては困るです。大文字焼きの問題もそうです。反対した人も、多分震災の援助のために支援金を求められたら多分快く応じたでしょう。
 
 それは外の問題だからです。もしそれが自分の家の近く(内)にがれきが大量に入ってくるとなると絶対反対となるのです。移民の問題もそうです。外国人労働者を受け入れなければ労働力不足解消にならないと考えている人は結構います。しかし、外国人が自分の家の近くに住むのはいやだ、一緒に働きたくないとなるでしょう。
 
 財政危機の解消についても同様です。財政危機解消は賛成(総論ー外)しかし増税は反対(各論ー内)となります。各論なしには何の解決にもなりません。もちろん各論反対の理由はいくらでも考えられます。それに各論の反対は強固です。それは内にいやなことが入ってくることは許さないという日本の精神文化と強く結びついているからです。
 
 多分内と外の区別がはっきりしてきたのは江戸時代からだと思います。それまでもあったと思いますが、戦国時代のような内も外もなくただ弱肉強食の時代には総論(平和国家・社会の安定)などなく各論(自分がどう生き残るか)しかなかったと思います。
 
 江戸250年の間にしっかりしみついたのです。これを打ち破るのは難しいでしょう。明治になっても結局変わらなかったと思います。戦後高度成長が各論の部分の反対を豊富な税収の伸びが補ったのでしょう。簡単に言えば政府にお金があったのでそれをばらまいて不満を抑えたと思います。
 
 しかし、金の切れ目が縁の切れ目で、現代のような政府にお金がない状態で各論を抑えられるかは疑問です。つまり無理に各論を抑えようとすると激しく反対が噴き出します。かっての農村共同体で無理に幕府が意思を通そうとすると一揆が起こったのと同じです。江戸時代でも一揆は厳罰になりましたが、その責任は役人もとらされました。
 
 そうなると江戸時代の役人の子孫である現代のお役人もあたらずさわらず先延ばしということになります。もし今起こっている各種の問題(財政問題やPTTなど)を無理に解決しようとすると一揆に近い激しい反対運動が起こります。
 
 現代日本の政府のお役人は江戸時代の役人のように強制力はないので、多分解決は無理だと思います。やはり日本はゆでガエル状態(ゆでられて死ぬのは分かっているが、急に暑くなるわけでないので抜けれらない状態)のまま沈んでいくしかなさそうです。
 
 よく民意を問え(解散総選挙をすること)と言いますが、民意が分裂しているのにいくら総選挙をやっても解決しないと思います。明日からツマクマと義母は知り合いの方と1泊旅行です。