新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国経済の行方ー体験的中国経済論

 今日は1日家で過ごすことになりました。このところ毎日が日曜日状態が続いています。朝起きて朝食・新聞を見て、ちょっとテレビを見て、メールなどを確認したりしていると昼になります。その間気が向けば家事の手伝いです。
 
 午後は昼寝か本屋さんに行くか読書です。こうしてだらだらと毎日を過ごしています。おじさんは、年のわりには遅起きなのです。朝5時から目が覚めて困るということはありません。
 
 今日はギリシア情勢も一段落で株価も上がりました。と言ってもおよそ買値からは離れすぎているので、評価損は相変わらずです。おじさんだけでなく金融機関や一部製造業も株価の値下がりなどで、膨大な株式評価損がでているようです。
 
 さて最近また中国経済崩壊論が出ているので、それについて書きます。別に中国政府からお金を貰って書いているわけではないのですが、余りに日本のマスコミの見方が偏っているので、どうしても中国弁護あるいは擁護に感じられるのかもしれません。
 
 これもおじさんのことを直接知っている人は、これまでの考えなどを理解できるので客観的に見てもらえるのでしょうが。ブログのようなネット上の意見は昨日書いたように、直接会って話すのと違って一部しか知ることができないので、どうしても受け取り方に違いがでると思います。
 
 まず中国のインフレについて書きます。3年間に毎年すごい勢いで物価が上昇しました。今年は特にそれがひどかったように思います。行きつけの麺屋さんでは、手書きでメニューを書き変えていました。しかし、それだけ見ると中国は大変なように思います。
 
 おじさんの考えでは、これは賃金の上昇に伴って当然起こることだと思います。特に食品や交通費などは、それまでが余りに安すぎたのです。食品の場合、売買原価が2元(24円)3元(36円)の世界なのです。ラーメンが1杯5元(60円)とか7元(85円)の世界です。こんな値段で利益がでるというのは、原価が恐ろしいほど安いのです。
 
 おじさんも人ごとながら、農民の人はこんな値段では生きていけるのだろうかと思いました。地方都市の住民の生活も段々豊かになれば、当然食品の値段もそれに伴って上がらなければ農民やっていけません。多分それまで政府が補助していたと思います。それを少なくしているのではないでしょうか。
 
 公共料金特にバス代もそうです。1時間近くバスに乗っても料金は2元(24円)です。ガソリン代や賃金が上昇しているのに、こんな安い値段では無理です。現在起こっているインフレは、賃金上昇に伴う物価調整だと思います。日本の昭和30年代後半の物価が今の中国の物価水準なのです。
 
 しかし、世界は昭和30年代後半ではありません。そこにある品物は平成23年のものです。パソコンもあれば携帯も皆持っています。(パソコンは6万円くらい、携帯は5000円くらい)中国の都市(地方も大都市も)住民は農民や低所得労働者の犠牲の上に成り立っていると思います。
 
 賃金上昇があるので、現在のインフレが起こっているのです。高度成長期の日本と同様です。それから、中国経済の強みは庶民が電化製品・自動車を持っていないことです。電化製品の普及は物によって違います。テレビはほぼ行きわたりました。携帯もそうです。
 
 冷蔵庫もかなり普及しました。次は洗濯機とクーラーです。クーラーは新築のマンションにどんどん入っています。掃除機はほとんど普及していません。意外なことにオーブンもありません。庶民レベルではパンを食べる習慣がまだないのです。レンジの普及も遅れています。
 
 自動車はまだ中の上階級のものです。地方都市でも自動車は普及し始めていますが、農村の普及が遅れています。作業用の軽トラックがあったら、農作業も随分便利だと思うのですが。耕運機を改造したトラックなどを使っています。先に書いたように農産物の価格が上昇し、農村が豊かになったら、急速に農業用機械(トラックターや軽トラックなど)が普及すると思います。そうなれば農業機械メーカーの利益があがります。
 
 それに公共事業の余地が相当あります。危険なアパートなどもたくさんあります。道路も不十分です。住宅改良も農村では必要です。つまり結論から言えば中国は膨大な内需があるということです。人は豊かになるためなら頑張ることができます。隣の家がクーラーを入れれば、自分の家にも入れたくなります。
 
 これはどこの国でも同様です。中国ではマンションを準備できないと結婚できないそうです。今若者であふれている中国地方都市では、結婚するために無理をして若者がマンションを買っているのです。親ももちろん援助します。中国では日本以上に結婚への圧力が強いです。(どんなに優秀でも結婚していないと一人前とみなされません。)
 
 上海や北京のマンションブームはバブルかもしれませんが、地方都市でのマンションブームはかなりの部分実需です。(学生さんの話を聞くかぎり)日本では大都市の情報や極端な話しか伝わってきませんが、地方中心都市での経験では、マスコミのいう中国経済の行方とはちょっと違った意見もあるのです。
 
 明日は友人のミヤジイと久しぶりに会います。