新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

どうなるTPP問題

 今日は一日ぐずついた天気でした。曇り時々雨といったところです。気温もこれまでと違って肌寒くなりました。今日は色々片付けないといけない仕事があって、午前中から午後にかけて忙しかったです。でも、大体片付いたので一安心です。
 
 さて、このところTPPについて様々な議論がなされていますが、最終的には野田首相の決断にかかっています。おじさんとしては、いまこそ世界に打ってでるべきだと思いますが、民主主義は多数決の意見を尊重するので、まさに、決定権者の野田首相が、賛成反対のどちらを多数意見とするかにかかっています。
 
 仮に野田首相が参加しないという判断をしてもそれは仕方のないことです。日本は間接民主制なので、国民投票のようなものをするわけにはいかないからです。国民投票をしても全有権者が参加するわけでもないし、そもそも直接民主制はとらないので、そんなことをするのも不可能です。
 
 民主党の中にはTPPを推進するなら離党するという人もいますが、それなら離党すれば良いだけです。また国民新党も連立を離脱すると言っていますが、それも良いと思います。自ら信じるところを推し進めればよいだけです。ただ経済団体を応援団としていた自民党などは、今参加に反対しておいて、政権奪回後いや賛成ですというのは難しいでしょう。
 
 アメリカなどもそんな手のひらを返すような政党を信じてはくれないと思います。このような国際問題を政局に利用すると後で取り返しのつかないことになると思うのですが。まあ民主党もインド洋の給油問題で反対した経緯もあるので、政権奪回の一つの手段(いわゆる政局)として、国際問題を用いるのもありかもしれません。
 
 昨日夜ある経済ニュースを見ていたら、今回のTPPの問題はある種供給側の問題だと言っていました。消費者の視点ではどうかと言うのは余り語られていないと言っていました。そうですね。もちろん供給側でも製造業は賛成、農業・医療分野は反対と言ったところです。
 
 ある人は規制分野である農業や医療が反対し、自由競争している製造業が賛成していると言っていました。また、その番組では畜産についてもふれていました。焼き肉屋さんでも、輸入肉も沢山売れるし、和牛の需要もあると言っていました。考えてみれば牛肉の自由化が進んだから、安い値段で焼肉が食べれるのでしょう。
 
 お米は話題になっているカリフォルニア米について、やはり今の値段では日本のお米に負けるけれど、関税が引き下げられてお米の値段が下がれば売れ行きも違うと言っていました。純然たる消費者の立場から言えばTPPで農産物の値段が下がった方がありがたいでしょう。
 
 立場の問題だと思います。それから貿易の自由化に対する考え方の問題でしょう。おじさんとしては、いつか市場を開放しなければグローバル化する世界の中で生きていけないと思います。日本が開国した時も大変だったし、固定相場制を変動相場制にした時も大変だったし、農産物の自由化をすすめた時も大変でした。
 
 しかし、農業がそれによって壊滅することもありませんでした。これまでほぼ壊滅した産業は、石炭産業と紡績業くらいでしょう。完全に壊滅したのは石炭産業です。農業や医療の場合、完全に外国産に置き換えることは食の安全とかかわるのでないと思います。(国民が全員外国産の農産物だけ買うことはないでしょう。)
 
 おじさんの立場では、ブログの世界の片隅でちょっとつぶやくのがせいぜいです。積極的に賛成の論陣を張るつもりもありません。ただ事態の推移をながめるだけです。そして、その結果何が起こるか見続けていくことだけがおじさんにできることです。
 
 明日は久しぶりに散髪に行きます。