新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

オリンパス事件に思う

 今日は朝は晴天だったのですが、午後からは曇ってきました。明日は雨の予報です。午前中は中国の学生さんと日本に留学中の学生さんの文章の添削です。中国の学生さんは以前教えていた大学の4年生です。来年日本に留学する(大学院研究生として)予定なのですが、すでに指導の先生から課題を与えられているようです。
 
 それを読んで感想を先生に送るのです。しかし、まだ日本語が不十分でおじさんが添削しています。たとえば、先生へのメールに「でも○○なので」とか「やっぱり難しい」などの表現があります。先生は友達ではないので「しかし、○○なので」とか「やはり難しい」などの訂正をしています。
 
 その学生さんは音声学を将来やりたいので、おじさんも知らない内容の文を書いています。こちらは訂正できません。もう一人の現在留学中の大学院生は日本思想史が専門です。今回は新渡戸稲造の「武士道」の要約をしてゼミで発表するようです。こちらは、ゼミ生が2人なので、すぐ発表が巡ってくるのだそうです。
 
 おじさんが大学院に在籍していた時も、ゼミ生はおじさんともう一人相方さんだけでした。相方さんは、その後指導教官の先生の出身大学の博士課程へ進学して、自分の出身大学の講師をしています。
 
 さて、今日は今話題になっているオリンパスの事件について書きます。いくつか大きな問題を抱えています。まず一番大きな問題は、外国特に欧米に対しての影響です。今回の事件が日本人経営者だけの問題なら大したことはないでしょう。日本ではよくあることだからです。
 
 しかし、この問題を提起したのがイギリス人の社長で、その社長を全く別の理由で解任したことは大変な問題になると思います。欧米ではフェアーかアンフェアーかは人間性の問題になるからです。日本人はアンフェアーであると欧米人が思うようになると日本の信用はがた落ちになると思います。
 
 日本では最近コンプライアンス(法令順守)が言われていますが、あの有名企業で優秀な技術を持ち好業績の企業でさえあの体たらくでは、日本の企業は見えないところで何をしているか分からないと欧米だけでなく世界中から思われるでしょう。
 
 また、オリンパスに限らず九電のやらせメール問題にしても、大王製紙の社長の問題にしても、ちょと遡るとJALの問題にしても、企業経営の在り方が問われています。時あたかも「官から民へ」と主張されている時代です。また、官の規制から民を解き放ち、市場に任せればうまくいくという市場万能論も主張されている時代です。
 
 このような事件を見ると、はたして民に全面的に任せて大丈夫なのかという気もします。もちろん、官も組織防衛意識や天下りなどの問題を抱えています。しかし、数百億円にものぼる損失を隠して別の手段で先送りし、それを指摘した社長は解任することはないでしょう。
 
 今世界中で新自由主義あるいは自由競争主義の行きすぎに対する反対運動が起きています。会社経営者が全員人格的にも能力的にも立派な人で、市場が完全に公平なものなら、官から民へという論理も成立します。
 
 しかし、今回現れてような企業にまつわる事件がこれからも続発するなら、企業に対する信頼はゆらぐでしょう。かって、大企業が公害を垂れ流しにした時、世論は企業不信になりました。その後企業はその反省の上に公害問題に取り組み、現在では世界で一番公害防止の進んだ国になりました。
 
 今回の一連の事件を通して企業経営者の反省が進むことが願わしいです。それとは無関係ですが、ソニーパナソニックなどの電機産業が大赤字です。おじさんの持ち株の証券会社もヨーロッパの子会社が大変な赤字で、人員整理をするようです。(もちろん決算は大赤字です。)
 
 輸出産業は全面崩壊状態です。これでは震災特需があっても企業経営は好転しないようです。これから株式投資を考えたいる人はちょっと考えた方がよいかもしれません。イタリアまで国債問題が波及したらまた一段の株安と円高になるでしょう。
 
 明日はのんびり過ごします。