新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

円高について考える。

 今日は朝から雨との予報だったのですが、結局午後になっても降りませんでした。しかし、くもり空でちょっと重苦しい天気です。それに先週に比べて格段に寒くなりました。今週に入ってセーターを着ています。去年は中国だったので、今年の天気が例年と比べてどうなのかちょっと不明です。
 
 中国でも去年の今頃はセーターを着ていたような気もします。TPPについては、今日の夕方野田首相が最終決断を下すようです。予想では参加を表明するということのようです。今になっていや参加は延長しますなどと言ったらまず、政権維持は難しいでしょう。
 
 さて今日も株価は下落です。大震災以来日本の株価は最悪です。悪いことは重なるもので、大震災にタイの洪水によるサプライチェーンの切断、さらに欧州危機とそれに続く円高です。企業業績はさっぱりです。国内需要も落ち込んでおり、大手建設会社も復興需要は余り見込めないようです。
 
 このような日本経済を取り囲む状況の厳しさの中で最大の問題は円高だと思います。そこで円高について考えてみたいと思います。円高がこれだけ続けば、円高の良い面より悪い面が出てきていることは間違いありません。円高対策については色々な意見がありますが、とりあえずとりとめもなく書いてみたいと思います。
 
 円高の原因ですが、いくつかあると思います。今は変動相場制なので、相手があって通貨の価値が決まります。有力な通貨はドルとユーロです。考えてみるとユーロもちょっと前(ヨーロッパの財政問題が起こる前)までは大変なユーロ高でした。今より50%近く高かったと思います。
 
 ドルも一時(3年くらい前)は120円台だったようです。ところで日本の景気あるいは株価はどうだったかと言えば、3年前の方がはるかに高かったです。2年前でもそうです。ですからその頃売ろうと思った持ち株の値段は今では半分近くまで下落しています。(ツマクマからなぜその時売らなかったのかといつも怒られます。)
 
 つまり円安だった頃はアメリカもヨーロッパも好景気だったのです。それが今はどうでしょう。ヨーロッパではイタリアの国債まで信用不安が及んでいます。イタリアの国債が破たんしたら影響はギリシャどころではないでしょう。日本の政権も不評ですが、ギリシャもイタリアもそうです。
 
 ついでに言えばアメリカのオバマ大統領の支持率も低下の一途です。アメリカ経済も財政問題をめぐって困難が続いています。雇用の回復もありません。それどころか大規模なデモまで起こっています。
 
 そう考えてくると、今世界で一番安定しているのは日本ということになります。(中国はドルに連動する通貨体制ですから問題外)つまり大震災があろうと、タイでの生産中止があろうと、民主党政権の運営がまずかろうと、それ以上に他の欧米諸国の方がもっと悪いということになります。(大規模なデモがないのは日本だけです。)
 
 これで言えば、何をしても円安になる可能性は今のところないと言えます。仮に政府が為替介入したとしても、経済や政治のファンダメンタル(基礎)ががたがたな欧米の通貨があがる可能性はないということです。市場は生き物なので、人為的に操作するのは不可能です。
 
 もちろんスイスのように限りなくドルを買い続kて通貨をドル高に導く方法もありますが、経済規模から考えて不可能です。通貨をじゃんじゃん出してインフレにして通貨価値を下げよという意見もありますが、日銀はそんなことを認めるはずもありません。
 
 国債発行を増やして景気回復を狙えといいますが、銀行にお金がまわってきても、日本の有力企業のほとんどが赤字となっている現状では企業が銀行からお金を借りて設備投資にまわすことは考えられないでしょう。輸出以外に需要が見込めない現状では、相手国である欧米は瀕死の重傷状態だし、中国もインフレから成長率がダウンしそうですから輸出が伸びる可能性はありません。
 
 それではどうなるのかと言えば、投資家としては静観するしかありません。じたばたしても仕方ありません。他力本願ですが、欧米の経済状況が回復するのを待つしかないと思います。グローバル化した現代では一国だけで何かを決定するのは難しそうです。
 
 一つだけ言えるのはまだ投資の時期ではないので、投資は様子を見た方がよいということです。おじさんも値段にほれて再度株式の買いをしたい気持ちはありますが、今の状況では(特にデフレが続く状況)現金を普通預金等で持っておく方がよいのではと思います。
 
 土曜日の日本シリーズまではのんびりパソコン相手に過ごします。