新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国大学生就職事情

 今日は晴れたり曇ったり天気でした。今日からいよいよ日本シリーズなので、ソフトバンクを応援するおじさんとしては、試合中継は見逃せません。さっき試合が終わってホームラン2本でソフトバンクが負けました。何を言っても無駄なので論評はなしです。
 
 さて、今日おじさんがいつも見ているダイヤモンドオンラインで中国の大学生就職事情が報告されていました。おじさんが以前いた大学でも就職活動が始まっています。日本と比べて中国の大学生の就職事情はどうなのでしょうか、今日は3年間で知った事情を報告します。
 
 中国では9月から新学期が始まります。ですから今はおじさんがいた大学でも企業説明会が真っ盛りだと思います。中国では様々な企業の企業説明会が大学校内であります。小さな張り紙で知らせる企業もあれば、かって日本の大学が学園紛争のころ校門近くに立てた立て看板サイズの大きな企業説明会のお知らせもあります。(真っ赤な横断幕にお知らせを書く企業もあります。)
 
 企業によっては、特定の大学だけで企業説明会をやっているところもあります。(説明会のビラに開催大学と期日が書いてあるので分かります。)時には軍の就職説明の看板もあります。それらに共通しているのは、企業の社員としての募集(事務職と技術職などの分類)ではなく、細かく職種を指定して募集します。(軍の場合ですと、レーダーの専門職とか通信の専門職、それに勤務地も書いてあります。雲南省とかチベットとか)
 
 例えば法務職とか人材管理とか財務職とかです。その場合日本と違って履修した専門や資格が求められています。英語4級とかコンピュータソフト1級とか経済学専攻などです。おじさんが気になったのは語学の資格がほとどの職種で求められている点です。日本の場合は、面接が中心でそのような資格は余り要求されないようです。
 
 実際に応募する学生の場合、資格証のコピーを応募の際添付します。また、受賞した賞の賞状をコピーしたものを添付したりします。(これも重視されるようです。)中国では人柄以上に何を勉強したかも大切です。おじさんの日本学部の場合は、近くにある外国語大学の方が企業説明会が多いので、そちらに聞きに行く学生さんもありました。(逆の場合もあります。他校から聞きに来る。)
 
 あるサイトでは学生は普段着で面接に臨むとありましたが、おじさんの大学では3年前から学生さんはリクルートスーツで面接に臨んでいました。ですから今の時期はリクルートスタイルの大学生が大勢いました。ほとんど手に応募用の書類を持っています。企業説明会では、説明後書類を提出して、書類選考に通るとその場で企業担当者が面接や筆記試験があります。おじさんの大学の教室を使ってやっていました。(筆記合格ご面接が2回ないし3回あるようです。)
 
 また就職専門のサイトがあって、それを見て応募する学生さんもあります。また、先生のコネで就職先を見つけてくることもあります。企業が先生を通して求職してくるようです。そのルートで就職した学生さんもいます。
 
 もちろん日本語を使った仕事を中国にある日本の大企業で見つけるとなるとそれは大変な競争率になります。大手自動車メーカーなどですと、日本語通訳職は中国全土で10名の募集とか数名の募集とかです。その他日系企業への競争は日本語での採用となると相当の高倍率になります。(その分中国企業より待遇もいいです。)
 
 日本語スピーチ地方大会(例えば四国大会とか九州大会のレベル)で特賞になった学生さんはこの全国で数名の日系企業に就職できそうです。大学院の学生さんも就職活動をします。大学の教官の募集サイトもあるとの話でした。大学院だからと言って就職に有利でもないような気がしました。ただ大学院卒で就職すると待遇は日本以上にいいです。(ある警察官に就職した大学院生の場合、学生だと2000元のところが4000元の給与だと聞きました。)
 
 日本と決定的に違うのは、内定を受けると大学に報告を出します。そしてその時点で就職活動は終わりなのです。もし、内定をした後にそれを断って別の企業に就職すると違約金を取られるようです。実際に就職が決まった後日本への留学を決めた学生さんは違約金をはらったようです。2000元(2万4千円くらい・・中国の物価水準だ大学卒初任給レベル・・日本の20万円の感覚)だったと思います。
 
 大学院生で、ある大学の就職内定を断って別の大学に決めた学生さんは、1万元(12万円)を請求されたので何とか大学の先生のお願いして交渉してまけてもらったようです。日本では信じられない習慣ですね。それどころか就職してすぐ辞めたらもっと高額の違約金を企業に払わないといけないそうです。確かに企業は募集について沢山のお金をかけているので当然かもしれません。
 
 4年生の学生さんからのメールでは、今年は結構就職状況が良いそうです。去年もおじさんが聞いたい限りでは相当良かったようです。中国の場合、後期にあたる2月3月になっても就職活動をします。今年卒業した大学院生の場合などは、卒業直前になって北京の有名新聞社(中国について関心のある日本人なら誰でも知っています。)に就職しました。
 
 中国では転職は当たり前で、日系企業でもその他の外資系企業でも数年勤めてその経歴をもとにどんどん転職して行きます。人気NO1は日本と同じ公務員です。次が国営企業、その次が外資系企業です。公務員の場合村官と言って村の役人でも人気で、そのための養成講座もあるくらいです。公務員養成講座も盛んにやっています。極端な場合、駄目だったら受講料を返しますという講座もあります。
 
 日本のニュースを見ると中国の大学生の就職状況が厳しいと書かれていますが、日本と同じあるいは日本以上に大学の格差が大きいようです。それと学部間の人気の違いもあります。人気は工学部系で不人気は日本と同じ文学部や新聞学部、芸術学部などです。
 
 まだまだいろいろおもしろいことがありますが、中国ではやはり勉強が良くできる大学生の就職が良いようです。明日は教会で夜はまた日本シリーズ第2戦を観戦します。