新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

盛山和夫著「経済成長は不可能か」を読む

 今日は晴天でした。ツマクマはお稽古事の仲間と1泊2日の旅行です。目的地まで新幹線利用なので、早朝に出かけました。おじさんは日曜日なので教会です。今日は幼児祝福式(日本の七五三のようなもの)がありました。その後壮年会がありました。以前は青年だった会員も次第に壮年になっていきました。
 
 教会も高齢化がすすんでいます。おじさんが今の教会に行き始めた頃は青年がたくさんいたのですが、今では壮年になっています。若者が余り教会に来なくなりました。以前はキリスト主義学校の生徒さんが大勢きていたのですが(多い時は20人くらい)今は義務出席でなく自由出席なので5人くらいになりました。(在籍は15人くらいなのですが)
 
 昨日はおじさんの応援するホークスが負けたので、今日は是非勝ったもらいたいものです。
 
さて、今日はタイトルに書いた本の紹介です。著者は経済学者ではなく、社会学を専門にする方です。ただ専門は社会階層論なので、格差をもたらす経済問題にも詳しいです。経済学者ではないので、式やグラフなども少なく読みやすいです。中公新書で税抜き820円なのでそんなに高くありませんから興味のある方は買って読んでください。
 
 著者はまず行財政改革だけでは経済成長は無理だといいます。これもおもしろい意見です。現在の一般論としては、行財政改革のムダを省けば景気がよくなると考えますが、彼は「ムダを排除しても成長にはつながらない」と言います。
 
 なかなかおもしろいと言うかユニークな考え方です。著者は経済成長について、高齢化と少子化の問題を取り上げます。また経済成長のためには、企業が将来設備投資をしようという意識が必要だというのです。少子化については、従来これは個人の問題だとしてきましたが、彼はさらに国が介入すべきだというのです。
 
 国が何の援助もしなければさらに少子化が進むと考えているようです。おじさんも、政府がなんとかして雇用を拡大しないと結婚できないし、そうなれば子供が増加する可能性はありません。人口が減少してもよいのだという意見がありますが、それはないと思います。
 
 著者の意見を集約すれば「投資なくして成長はない」という言葉に集約されるようです。しかし、企業が国内に投資しようとする気持ちになるかどうか難しいところです。日本で将来需要が拡大すると見通しがつけば、企業は投資するでしょう。
 
 しかし、東北でもまたいつ地震が起こって津波が来るか分からないし、原発事故がいつ終息するのかも分かりません。さらには原発を減らすとして、代替のエネルギーをどうするのか、また電力は安定的に供給してもらえるのか、電気料金はどうなるのかなど問題は山積みです。
 
 この著者の結論は思ったより平凡です。簡単に言えば財政赤字に目をつむって、さらにしばらく国債発行を増大させ、市中にお金を出して、景気を刺激し、数年して景気が拡大したところで、消費税を上げて財政赤字解消に向かうといっているようです。
 
 しかし、著者もいうように、国内で投資を拡大するメリットが企業にあるのか疑問です。人件費の問題や市場の問題、運営経費の問題など考えれば新興国(中国やタイ、インドネシアなど)に工場を移すのはやむを得ない気もします。
 
 もちろん他の国が真似できないような高度な技術を開発すればよいのですが、残念なことにそのような技術は大勢の人を雇用する場にはなりにくいと思います。逆説的ですが、他の新興国がまねできない高度な技術は、それを使いこなせる高度な知識・技術を持つ人しか雇用できないのです。(中国は雇用の減少を防止するため、人力をできるだけ使う仕事を残しています。販売員や現場作業員など)
 
 効率を上げ、労働生産性を向上させるためには、少ない労働力で多くの製品を作るか、少数の高度な技術者で非常に高価な価値のあるものを作り出すかです。IT化が進めば進むほど未熟練労働者や高度な知識を有さない労働者が正規雇用者になるのは困難なようです。
 
 おじさんの大胆な考えでは、医療特に介護分野での賃金を上昇させ、それによって雇用を拡大してはどうかと思っています。そのために赤字国債を発行してもよいと思います。これも反対がでるでしょうね。
 
 今日はテレビを見て過ごします。(塚原卜伝日本シリーズ、トンイなどです。)