新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

格差社会中国ーある地方都市の印象

 今日は曇り空でした。天気予報ではもう少し暖かいとの予報でしたが、実際はそれほどでもありませんでした。今日はツマクマは大学の同窓会です。同期の人が集まります。会場は隣の県で結構離れています。女子のみなので、今日の夕方6時集合です。泊まりがけで明日帰ってきます。
 
 おじさんの場合は1度だけ先輩から頼まれて大学に同窓会にでたことがあります。経済などと違って、文学部は横のつながりがないので、知っている人はいなくてつまらなかったので、それっきりです。高校と中学は数年前に同窓会がありました。
 
 さて今日は教会学校の中高科(うちの教会ではジュニアーチャーチと呼んでいます。)に呼ばれて中国事情について2回目の話をしました。と言っても20分程度です。前回はパソコンに入っている画像や撮影した写真を見せたりしたのですが、今一反応が悪かったので、今日は中国グッズを持って行きました。
 
 中国で買った携帯・バスカード(中国でもおしゃれなバスカードあります。使い捨てでなくお金を入金するタイプ)銀行カード(あの有名な銀連カード付き)、大学カード(大学のスクールバスや食堂で使えます。)などです。それに中国のお金を持って行きました。紙幣と硬貨です。硬貨はほどんと流通していないので、当然ながら自動販売機はほとんどありません。(100元・50元・20元・10元・5元・1元・5角・1角です。)
 
 紙幣を使って物価について説明しました。1角は日本円で1円ちょっと5角は6円くらいです。これらの紙幣はほとんど野菜などを買った時に使います。大根1本2,5元(約30円)と言ったところです。中国の量り売りが大体500グラム単位で、単位あたり1元とかで、それ掛ける重さです。
 
 中国の場合、明らかに生活必需品は相当低価格に抑えています。以前書いたとおり、マントウ(何も入らない蒸しパン)だと1元とか2元(12円とか24円)です。缶ビールだと地元産で3元(36円)です。バドワイザーでも6元(72円)くらいです。コーラーは5元(60円)です。つまり、地元産のビールならコーラーより安いのです。中国では学生さんは皆ビールです。学生さんのよく食べるラーメンは6元(72円)です。おじさんの好物は清刀削面(塊をナイフで削った面を澄んだスープで食べます。もちろん目の前で削ってそれを目の前で湯でます。)が6元です。
 
 ところがマックのハンバーガーセットは30元(360円)近くします。つまりハンバーガーはラーメンの5倍するのです。日本でラーメンが600円くらいとするとハンバーガーが3000円するということになります。つまり、ハンバーガーショップで食べている人とラーメン店で食べている人は階層が違うのです。
 
 外資系の食べ物屋さんは全てこの価格水準です。(ピザハット・ケンタッキー・味千ラーメン・スタバー・サーテイワンアイスクリームなど)バスにもランクがあります。上級車・中級車・普通車です。上級車はめったにありません。(3年間で1度だけ乗りました。他の車はワンマンバスですが、これは車掌さん付き)同じ路線でも中級車は2元(24円)で普通車は1元(12円)です。
 
 当然普通車は椅子は何とプラスチック製(以前は木製)でドアは完全に閉まらず、まっ黒な煙を吐いて走ります。昔「田舎のバスはおんぼろバスで」と言う歌詞の歌がありましたが、全くそのままです。坂道をあえぎながら登ります。もちろん、こちらは満員です。中級車は混んでいる程度です。
 
 おじさんたちも、中国では高給取りでしたが、近距離の移動の場合は普通車を待って乗りました。病院も先生のランクによって値段が違います。診療部長級・専門医級・主任級医師級・普通の医師級で値段が違うのです。ちゃんと受付に値段が書いてあります。
 
 当然、病院の格によって値段が違います。最高ランクは医科大学病院です。おじさんの街には2つありました。ツマクマが歯科にかかった時も、VIP待遇で行くと待合室から違うそうです。(もちろん入り口も違います。)ホテルの待合室並みです。そこの待遇だと、医科大学の副教授で日本の医科大学留学済みの先生の診療が受けられます。
 
 何と先生の携帯の電話番号まで教えてくれるのです。ただ診察を申し込むだけで、100元(1200円)かかります。1200円だと日本なら当然ですが、中国では靴磨き1回1元・バス代1元・ビール1本3元の世界ですから、日本の感覚で言えば、受付してもらうだけで一万円ということになります。靴磨きの人は100人の靴を磨いて、やっと診療の受付をしてもらえるのです。(医療費はもちろん別です。)
 
 以前授業(日本概況)で日本の社会保障についてやりました。宿題として、学生さんの家の社会保障(年金・健康保険など)について調べて報告しなさいというのを出しました。日本なら国民年金・厚生年金・共済年金くらいですが、中国の場合千差万別でした。それに高額の個人年金をかけている家庭もありました。(農村は低く国営企業や政府関係は良かったようです。)
 
 ところである時気がついたのですが、どうも中国では医療カードのようなものを配布しているようです。それを担保にお金を貸すというようなビラを見たことがあります。中国語なので完全には理解できませんでしたが、日本の年金担保の貸付のような感じでした。
 
 衣料品についてはとても高いです。100元というのは最高紙幣なので日本でいえば一万円札の感覚ですが、衣料や履物などは、100元どころか300元くらい当たり前です。日本で言えば衣類で一万円や二万円と言ったところです。あの日本で知られたユニクロでも日本と同じくらいの値段で売っています。
 
 3年間いたのですっかり街になじんできました。それで、ツマクマがデパートで買い物する時は、デパートの入り口の階段に座って、道行く人を眺めていました。中国では階段に座っている人は大勢いるのです。おじさんも街の人なので、すっかり街の風景になじんで、まず日本人と思う人はいませんでした。(その証拠によく道を聞かれました。)
 
 するとおもしろいことに、着ている服装や態度、持ち物で階層が良く分かるのです。日本の場合やはり目に見える形での階層はないと思います。(ヨーロッパでは言語によって階層が分かるそうです。)一番お金持ち風な人は日本でも買うと数十万円するかわいいチワワを連れて散歩していました。
 
 おじさんが見ても、この犬は高いだろうと思いました。皆近寄って見ています。来ているものを見ても見るからにお金持ちそうでした。逆にボロボロな格好の人や、ゴミ箱からペットボトル(これは売れるのです。)をあさる人もいます。年寄りで近寄ってきて、手を出す人もいます。(もちろん物乞いです。)靴を磨かせてくれという人もいます。
 
  もちろん座っていて危険を感じることはありません。警察は繁華街を車でパトロールできないので、ゴルフ場のゴーカートのような物でいつも巡視します。おもしろので一度写真を撮ろうとしたら、手で×のマークをされました。中国人で警察車両を写す人はいないので外国人とばれたのかもしれません。
 
 おじさんの住んでいた地方都市でも格差が見えました。多分大都会ならもっと大きな格差があるのでしょう。おじさんの住む地方都市では、上海や北京のような超大金持ちは見かけませんでした。ただ、中国のために一言いうなら、格差はありますが、皆たくましく明るいです。(街全体が活気に満ちていました。)
 
 明日はツマクマが帰ってきます。