新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

急速に変化する国際情勢ー金総書記の死

 今日は昨日以上に良い天気でした。午前中は銀行回りです。自動振り込みをいくつかの銀行に分けてやっているので、入金された年金をそれぞれの銀行に振り分けなければなりません。
 
 まあこんなことでもないと家からでることもないので、ちょうどよい運動です。家から20分くらい歩いたところに、銀行があります。大型スーパーの中に自動払い出し機があるので、それを利用します。今日は月曜日で年末なので大勢人が来ていました。
 
 それが終わって途中で昼食をとって家に帰ってパソコンを開けると、何と北朝鮮のキム総書記が死亡したとのニュースが流れていました。あわててテレビを入れると各局でこのニュースとニュース解説を流していました。来年にかけて世界中で大統領選挙などが行われるので、大きな変化があると思っていましたが、まさか北朝鮮でもおこるとは思いませんでした。(アメリカ・ロシア・中国・韓国・台湾もしかすると日本など)
 
 もちろん、金総書記は体調が悪く、アメリカの調査機関も3年くらいしかもたないだろうと報じていたので、余り驚きはありません。さて、今日はその影響について書きます。外貨市場、株式市場どちらも大きな衝撃を受けてはいないようです。
 
 若干の円安になりましたが、すでに有事のドル買いなどは死語になったようです。地政学的にも、日本に直接影響がありそうですが、株式相場は朝安の傾向を少し広げた程度です。株式をやりだして知ったのですが、大昔「スターリン暴落」というのがあったそうです。
 
 独裁者スターリンが死んだ時、株式相場が大幅下落したそうです。今そんな指導者はいません。中国でもアメリカでも、現指導者が死去すれば、すぐに別の人が立つ準備ができているからです。北朝鮮の場合でも、金総書記がそんなに生きれないことは分かっていたはずです。
 
 国民も分かっていたはずです。中国にいた時、金総書記訪問のニュースを見ましたが、よろけるような歩き方をしていました。表情にも生気がありませんでした。中国と北朝鮮の交流は深いので、口コミなりを通じて知っていたはずです。
 
 ですから、とりあえず大きな混乱はないでしょう。難民が激増することもないと思います。陸続きの中国や韓国は警戒を強めているはずですし、日本に来ようとしても冬の日本海は荒れて大変です。
 
 それにすでに北朝鮮は金総書記死去に備えて集団指導体制を確立していると思います。問題は長期にわたった場合です。政権運営の歴史を見ると、後継者が若い場合後見人がつきます。しかし、えてして後見人は後継者が成長しても権力を手放したくないのです。
 
 そうなると後継者側と後見人側に分かれて権力闘争が起こります。また山積みする懸案事項に最終判断をだれが下すかという問題もあります。金総書記は長い政権運営準備期間があったので良かったのですが、息子さんにはそんなに準備期間がありません。
 
 特に経験が必要な外交問題には不慣れなはずです。中国・アメリカというしたたかな国を相手に交渉するのは大変です。特に中国の場合、指導者の子供あるいは孫くらいの年のキムジョンウン氏を対等な相手と見るかどうかです。
 
 中国はやはり年功序列というか、年長者の方が優位に立ちます。それに中国の政治指導者は、苛烈な権力闘争を勝ち抜いてきたベテランです。苦労もしているはずです。もちろん亡くなった金総書記も敵対者を粛清して今の地位を築いたはずです。
 
 しかし、報道を見る限り金ジョウン氏はそんな経験がまだありません。中国のこれまでの姿勢から考えたら、さらに北朝鮮に経済開放(と言えば聞こえが良いのですが、戦前の租借地のようなもの)を求めていくと思います。
 
 以前も書いたことがありますが、中国は北朝鮮を経済圏に組み入れ併せて暴発しないように、北朝鮮国内に
経済拠点を多く持ちたいはずです。ですから改革開放を迫っていくでしょう。北朝鮮にとって日本・韓国・アメリカ以上に悩ましいのは中国だと思います。
 
 韓国の歴史ドラマを見ても(おじさんが好きなトンイもそうですし、チャングムもそうです。)朝鮮半島にとって中国は迷惑な存在なのです。トンイでも中国は朝鮮を支配下に置こうとする国として描かれています。しかし、もし中国が強気で出るなら、逆に日・米・韓に救いを求めるかもしれません。
 
 今中国政府もアメリカ政府も韓国政府も情報収集を急いでいると思います。とりあえずは葬儀の際の序列が問題です。その後6ケ国協議に対する反応から、新しい政治体制が分かってくるでしょう。もし、開催が先延ばしになるなら、政治体制がまだ確立していない証拠です。
 
 当面は北朝鮮は強気にでると思いますが、重要なのは中国の動きです。来年の指導者交代とともに2012年は国際情勢にとって大変な年となりそうです。それに比べれば橋下さんが大阪市長になったというニュースなどちっぽけなものに思えてきました。
 
 明日は特に用事もなくのんびり過ごします。