新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

明治時代の子供も大変でした。

 今日は寒い一日でした。午前中はそれほどでもなかったのですが、午後から寒くなりました。昨日は教会のクリスマス礼拝がありました。と言っても特別なことはありません。(讃美歌と礼拝説教がクリスマス向けなのだけです。)今年は洗礼式がありました。1名の方が洗礼を受けられました。おじさんが洗礼を受けたのはクリスマスではなかったのですが、一般的にクリスマスに洗礼を受ける人が多いです。
 
 中国にいた時も、クリスマスに洗礼式があると週報に書いてありました。クリスマス礼拝の時は、以前書いた聖餐式があります。普通は月の最初の日曜日にあります。それからおじさんの教会ではクリスマス祝会があります。皆で持ち寄った料理を食べ、歌を歌ったり、ハンドベルをやったりします。
 
 中国の教会は出席者が700人もいるので、祝会などはありませんでした。教会の行事としては日本のクリスマスより地味な気がしました。ところで昨日は別荘の方で急用ができて行っていたのでブログを書けませんでした。今日の午後に帰ってきました。それから花壇の手入れをして今に至っています。
 
 さて何を書こうか迷ったのですが、ちょっと視点を変えて教育史に関することを書きます。よく昔の子供はのびのび育っていたと言います。しかし、事実はそうではありません。実は現職の頃学校の図書館にあった、おじさんの県の教育史を読んだことがあります。
 
 昔の教育の歴史などおもしろくないだろうと思っていたのですが、友人のミヤジイから勧められて読んでみました。余りのおもしろさにはまってしましました。本当に「あなたの知らない不思議が世界」なのです。
 
 読んでみて感じたのは、大変革の後の混乱した時代の教育の方が制度が確立して安定している時代よりおもしろいということです。ですから、一番おもしろいのは明治維新後制度が確立する明治30年代くらいまでです。
 
 「ぶれる」ということで政府や首相が非難されましたが、明治の教育制度などぶれまくりです。20校近くあった中学(旧制)を何と3校に集約してしまったりします。朝令暮改など平気です。生徒の実態なども無視です。
 
 まず明治の初期の小学校ではまず落第制度がありました。おまけに勉強も完全な詰め込み教育です。それに各学校ごとに競争がありました。各小学校の優秀な生徒が地方ごとに集められて、県の担当者が審査りしたようです。また、成績が優秀な小学校には、それを示す旗が授与され名誉だったそうです。さらには、県の担当者が県内各地を回って、この地方の文化程度は低いなどと今なら大問題になるようなことを報告書に載せています。
 
 その優秀な小学校が何とおじさんの別荘のある校区の小学校だったのです。また、ある老人の小学校時代の回想として「家に時計などない時代なのに、時計の見方という授業があって困った。」と書いてありました。また、学校の規則にもおもしろいものがありました。
 
 例えば、許可を得れば、誰でも学校を見学できたようです。ただその際私語をしたり、廊下に唾を吐いたりしないようにという規則もありました。
 
 実は病気に関して全く意外な規則を見つけたことがあります。明治の20年代くらいまで、小学校から専門学校レベルまで、この病気についての規定がありました。それは結核ではないのです。何と天然痘なのです。これにかかった生徒については入学できないと規定されていました。
 
 小学校の先生も明治初年には数が不足していて、寺子屋の先生をあてたりしています。また、小学校が不足していたので寺子屋を当てたりしていました。日本の識字率の高さは良く知られていますが、男女とも小学校への就学率が80%を超えたのは意外に遅く、明治20年代以降のことのようです。
 
 やはり女子の就学率が低かったようです。今でこそ小学校が廃校になるというと大反対運動が起きますが、明治の始め頃には小学校を村の人が焼き討ちしたり打ちこわしをしたりしました。子供が農作業などの大事な労働力だったからです。また小学校の費用負担の問題もあったようです。
 
 しかし、教育の大切さや教育によって生活が楽になることを知って学校を大事にするようになったのです。この時代の保護者は教育を行政のサービスなどとは考えていません。(もちろん、現代の東アジアで教育を行政の単なるサービスだと考えているのは日本だけです。共産主義の中国でも韓国でも「教師の日」という教師に感謝する特別な日があるくらいです。教師に生徒が感謝の品を贈呈したり、飲食店で教師のみの割引があるのです。・・おじさんの中国での体験)
 
 まあ、おじさんは現職を退いたのでよいのですが、教育現場への成果主義能力主義の導入があったり、、教師受難の時代ですね。おまけに給料の20%ダウンまで予定されているのですから。
 
 それでも教師を目指す人は本当に立派な人だと思います。明日は正月へ向けての準備です。