新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

恒産なければ恒心なしーある島の小さな取り組みー

 今日は朝から雨が降ったりやんだりの天気です。明日は寒波襲来のようです。今日はそんな天気なので家で録画したビデオなどを見ています。以前はゲオでビデオを借りたりしたのですが、今はもっぱらBSの映画を録画してみています。
 
 昨日は書いた内容が歴史だったので、様々な考えがあるのし自分の考えだけをそのまま書くことについて考えさせられました。ヤフーのブログを見ると過激な考えを書いたり。他人のブログを荒らしたり、炎上させたりしているようです。実際そんな被害について書いている人もいます。
 
 ブログも含めてインターネットの世界は、ジャングルのようなところで、素晴らしいものもあるけれど、思いがけないところに危険が潜んでいると思います。70歳まではブログを書こうと思っているので、ブログが炎上したり荒らされたら、新たに作らなければならないので困ります。
 
 特に卒業生の人に無事に過ごしていることを知らせる目的もあるので、できるだけ危険を避けようと思います。さて、今日のタイトルは孟子の言葉です。「恒産」とは変わらない財産の意味です。現代風に言えば安定した仕事ということになります。「恒心」は安定した心です。つまり安定した仕事がなければ、民心も安定しないということです。
 
 さように安定した仕事が何よりも大切なのです。しかし、現在はますます安定した仕事が難しくなりました。今日はそれについて書きます。現在の状況の問題点はいくつかあります。
 
 一つはますます人員整理が進んでいることです。最近のニュースをみても早期退職を求める報道ばかりです。NECは1万人の人員削減をすると報道されていました。昨日の報道でも海運大手3社ものきなみ減益だし、電力会社も同様です。電機会社でも減益が報道されています。
 
 次に終身雇用の見直し報道です。終身雇用については、雇用の固定化なのでやめた方が良いとの意見があります。雇用の流動化を目指す社会を作るべきだという報道もみられます。しかし、ローンを組むにしても結婚するにしても子供を育てるにしても長期雇用の保証がなければ難しいと思います。
 
 中国などでも人気は国営企業と公務員人気です。その次が外資系で最後が中国系企業です。ただ中国の企業は終身雇用は少なく、2年~3年の契約採用が多いです。退職金もないし、厚生年金のようなものも普通ないので、どんどん仕事を変わります。日本の終身雇用は学校卒業後すぐ雇用されなければ、途中で入社することは難しいです。給与や福利厚生において圧倒的に有利な大企業の場合特にそうです。
 
 もし大企業で終身雇用の会社と任期制の会社があったとして、どちらに多くの人が受験するでしょうか。よほど自分の能力に自信がある人ならば別ですが、やはり終身雇用の方を選択するでしょう。親の立場から言っても、そうです。結婚する場合でもやはりそのことを考えると思います。
 
 ただ企業の側から言えば、核になるメンバーは終身雇用で、それ以外のメンバーはできるだけ任期制でやりたいとおもうでしょう。そうなれば、非正規雇用が増えることになります。まあ現状分析だけではどうしようもないので、おじさんが考えるのはやはりワーキングシェアです。つまり、正規社員特に高所得の人の給与を減らして、その分を非正規社員の待遇改善にまわしたり、1人の高給を分けて2人を雇用するなどしたらと思います。
 
 中国では、スーパーなのに大勢の人を雇用していました。建築現場でも機械の使用を減らして人間を使っていました。もし、中国が日本並みの効率的な経営をしたら失業者があふれることになります。政府の方も意図的に指導しているように思えました。もちろん、その分給与も安くなります。中国では同じ企業内でも職種(同じ大学で同じ学部でも庶務と財務では同時入社でも給与が違います。・・卒業した学生さんの話)で待遇に格差があります。そういう意味では日本以上に実力主義の社会です。(定期昇給という考えもありません。)
 
 ただそれにも問題があります。企業からしたら、優秀な人材を少数雇用して、その人に高額の報酬を与えた方が効率的です。平凡な人2人より、優秀な人1人ということです。それでは、仕事が全くないかと言えばパートなどの仕事は結構あるようです。
 
 町を歩いていてもサービス業ではいつも人員を募集しています。張り紙がなくならないので、応募する人が少ないのでしょう。働く側もどんな仕事でもよいというわけではないようです。やはり格好良い仕事や、少しでも安定的に働けるところがほしいと思います。
 
 以前は中小企業や商店などで多くの人が働いていました。今は個人営業の店などがどんどんつぶれています。コンビニなども経営が厳しそうです。雇用が社会を安定させる最大の要素だと分かるのですが、現代社会は様々な理由で雇用の拡大が難しいようです。
 
 総スカンを食らうのは分かっていますが、以前ある島の取り組みについて書きます。最初その報道を知ってから多分10年くらい経過すると思いましたが、その島は今でもその取り組みをやって成果を上げています。(最近のテレビニュースで見ました。)その島は大分県にある姫島です。
 
 ここではぎりぎりまで公務員の給与を下げて、その代わり多くの島民を公務員として採用しているのです。そのため島に残った若者も職場はあるし、給与は安いけれど安定して勤務することができます。結婚もできるし、子供も安心して育てることができるのです。
 
 当然税金も払いますから税収も安定しています。財政も黒字で財政安定基金も相当な金額積立ているようです。小さな島だからできることでしょう。今でも実は公務員は単位的には大きな雇用先です。数年前までは大都市では小学校の教師を2000人くらい雇用していました。公務員の削減も必要ですが、発想の逆転があっても良いと思います。
 
 もちろん人件費を増加させないことがカギです。そうなるとえらくなっても(課長など)給料が余りあがらないことになります。競争を重視する新自由主義の考えと全く逆の考え方です。大都市などでは難しいと思いますが、以前ニューヨークでもこの島と同じようなことをしたと聞いたことがあります。(仕事のない人に落書きを消したり街をきれいにする仕事を与えて生活を安定化させた試みです。)
 
 雇用の改善には新しい技術によってどんどん起業が進むことも大切ですが、雇用を分け合うというのも大切ではないかと思います。
 
 明日はおじさんの楽しみにしている経済週刊誌を読みに本屋に行く予定です。