新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

日本の国債問題について考える。ー国債暴落の可能性はー

 今日は全国的に雪模様だそうですが、おじさんの地方も同様です。一時晴れ間も見えたのですが、今は断続的に雪が降っています。先週はバスツアーだったのですが、ポカポカ陽気でした。週ごとに気温が上下するようです。来週は又10度以上になりそうです。
 
 今次々に短期の決算報告がでていますが、やり大幅な赤字決算が多いようです。シャープが株式市場で売られているようです。電機関連は雇用も多いのですが、テレビ部門を筆頭に赤字部門が多そうです。それに携帯電話もあっと言う間にスマホに取って代わられ、従来型の携帯電話を製作していた企業は大赤字のようです。
 
 自動車だけは、エコカー減税で持ち直しているようです。ただこれも需要の先食いということになるでしょう。来年買い替えようと思っていた人が1年早めてだけのことです。安価な電気自動車や水素自動車のような革命的な発明がなされない限り爆発的な需要はないと思います。
 
 さて、今日の朝日新聞(おじさんは子供の頃から朝日新聞を読んでいます。)によれば、ある銀行が国債暴落に備えていると書いてありました。また解説記事(いろいろ意見もありますが、解説記事は日経と朝日が充実していると思います。他の新聞は両紙のような解説記事が少ないような気がします。)でも国債の暴落の可能性について書いてありました。
 
 今日はそのことについて書きます。今なぜ国債の暴落が話題になるかについては、国債が安全だということの裏返しでもあります。つまり、危険・安全の根拠は同じなのです。それをどう評価するかの問題なのです。ヨーロッパやアメリカの国債の格付けの引き下げ、あるいは財政破たんの可能性の連想から日本の国債は大丈夫なのかということが問題になっているのです。
 
 額やGDP比から言えば(1000兆円の国債発行高)間違いなく危険水準にあります。ですが、安全だという根拠があるから、とりあえず国債を売る動きが表面化しないのです。それでは安全だという根拠を検討してみましょう。まず、日本国内で消化されていることが挙げられます。
 
 買っているのは個人と国内の銀行です。特に銀行が中心です。銀行が買うのは有利な投資先がないので、安全出確実に利息が得られる国債を買っているのです。ただ銀行について言えば、報道されているように大手銀行は長期国債から短期国債に乗り換えているようです。
 
 国債は売らなければ損失はでません。ただ決算期ごとに評価しなければならないので、国債の価格が下落すれば含み損がでるのです。ということは1年~3年の短期国債なら、償還まで持てば元金は戻ってきます。その間だけ含み損を持ちこたえればよいのです。10年先の償還なら、値下がりした評価損が長期間にわたって銀行を苦しめることになります。
 
 どうも地方銀行はその流れに乗り遅れたようです。今さら長期国債を売って短期に乗り換えることはできません。一斉に地方銀行が長期国債を売れば、長期国債の値段が下落し、大きな損失を被ることになります。同時にそれが引き金となって、国債全体の値段が下落する可能性もあります。
 
 今の国債のおかれた状況はトランプで組み立てた家(トランプハウス)のような状態です。誰かが不用意に一枚抜くと全てが崩れてしまうのです。銀行が国債を買う原資は当然国民の預貯金です。しかし、これも高齢化の進行とともに減少します。預貯金以外の保険などの形で今金融機関(銀行・生保など)が保有している現金は高齢化とともに流失します。
 
 おじさんも夏には自動車を買い代えねばなりません。(すでに9年近く乗りました。)そのための原資は保険の満期金です。収入が限られた高齢者は、何か大きなものを購入するたびに預貯金を取り崩すしかありません。持家の高齢者も多いのですが、ご存じの通り家は手入れしなければ持ち続けることはできません。ここでも預貯金の大幅な引き出しがあります。(電化製品もほぼ10年ごとの買い替えが必要です。)
 
 国の場合で言えば、日本政府の借金の国債も多いが財産として残っているから心配ないという考えもあります。財産とは高速道路やダム、橋などのインフラを指します。おじさんも以前は納得していたのですが、あるサイトを読んでいやそうではないと思いました。
 
 これは当然のことなのです。なぜなら、道路もダムも橋も全てメンテナンス費用が膨大にかかります。メンテナンスだけでなく、ある年数が経過すれば作り代えなければなりません。永遠にメンテナンスをせずに持つインフラはありません。そのために建設国債があったのですが、今はそれも含めて膨大な額になっています。
 
 国債は借金ではなく、いつまでも償還せず借り替えを繰り返せば永遠にそのままだから大丈夫だという意見もあります。今ある借金はそうでしょうが、国債が危険だというので国債を購入する人が減少すれば、危険を承知で買ってくれる程度まで利息を上げなければなりません。
 
 そもそもの発行額が膨大なので、利息を上げるとその費用のために又国債を発行しなければならないくなります。日本は貿易が黒字だから大丈夫というのも怪しくなりました。去年だけでなく今年も世界的な不況で輸出が伸びず、逆に去年以上に原油天然ガスの輸入が増えて貿易収支が赤字になる可能性もあります。
 
 大方の予想は4年後くらいまでに、国民の総預貯金高と国債借り入れ高が同じになり、その時点で国債金利が上昇するだろうと言われています。ものには限度があるので、どう考えても無限に国債を発行し続けることは無理です。今年から来年は復興のための国債発行もあるでしょう。
 
 そのためにも大変だけど消費税を上げなければなりません。それに財政支出を一律にカットしなければならないと思います。日本のような平等・公平を第一に考える国では、個別の削減は政治文化として無理だと思います。削減反対の理由はいくつでも上げることができます。
 
 以前も書いたように、日本は総論賛成各論反対の政治文化なのです。総論部分(ここでは全予算項目の歳出の5%カットとか10%カットとか)を決めておかなければ、省庁間でまたごたごたするだけです。全予算項目が削減なので我慢してくださいと言えば仕方がないとなるでしょう。ところがあちらは予算がそのまま、こちらだけカットとなれば大騒ぎ(応援団の関係議員や利害関係団体等も一緒になって)になってまとまらないと思います。
 
 そうは言っても政治は複雑なので難しいかもしれません。個人としてできることはほとんどなさそうです。おじさんはとりあえず利息を貰ったので国債は売却しました。
 
 今日は寒かったので本屋に行けませんでした。明日は行きます。本屋に行くのがおじさんの楽しみに一つなのです。