新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

デフレの実感ー安売りスーパーで思ったこと

 今日は曇りのち小雨と言ったところでした。今日もツマクマが足をくじいたので、病院へ電気治療のために連れていきました。3月期決算については日本企業は総崩れ状態です。
 
 去年の3月期は大震災も円高もタイでの大洪水もなかったのでそこそこでしたが、今年は大手メーカーのみならず、証券などもひどい状況です。三菱自動車も海外から撤退するようですし、証券大手も企業の格付けしだいではヨーロッパやアメリカでの営業が難しくなると報道されていました。
 
 このままでは、日本企業の海外での活躍が難しくなりそうです。ところでタイトルのデフレですが、今日ツマクマとある安売りスーパーに行ってデフレを実感しました。本当にデフレがすごいのだと知りました。
 
 実はこの安売りスーパーはテレビでも紹介されたスーパーです。そこで見たのは信じられない価格ですた。何と中国より安い値段で商品を売っていたのです。それはまずワイシャツでした。これが、298円と398円なのです。一ケタ間違いかと思ったのですが、この通りです。
 
 もちろん国産製品のはずはなく、メイドインチャイナです。中国で3年間暮らし中国のスーパーに行き慣れたおじさんですから、中国のワイシャツの値段は知っています。298円というのは中国で言えば25元です。それでは中国でワイシャツだと80元(960円)くらいです。衣類は中国では意外と高いのです。中国でも靴や衣類は100元(1200円程度)以下では、ちょっとしたものは手に入りません。
 
 もし、中国で25元でワイシャツを売るとしたら結構売れると思います。それ以上に驚いたのはショーツです。これが88円でした。中国で言えば7元です。これは安いです。コーラーが1本5元です。(60円)中国の物価水準は地方だと日本の10分の1くらいです。そう言えばジュースも1缶50円くらいでした。これは4元程度ですから、まさに中国並みです。
 
 その中国と同じくらいの値段で売っているのです。どうしたらワイシャツを300円程度で売れるのでしょうか。輸送費、販売手数料、その他経費を除けば仕入れ値は100円と言ったところでしょう。多分どこかの販売店仕入れた中国製品が売れ残って、これから先売れる見込みがないので、叩き売ったというところでしょう。
 
 それでも飛ぶように売れるわけではありません。もし日本が本当に物不足ならこの値段で飛ぶように売れるでしょう。このことからやはり日本は供給過剰に対して需要の不足だと思いました。布地の原価はそんなに高いものではないでしょう。
 
 しかし、デパートで売っているワイシャツはデザインやブランドイメージなどが上乗せされているのだと思います。日本ではすでに安いだけでは売れなくなっています。逆に安い商品があるからこそ、給与が上がらなかったり、非正規社員でも生きていけるのだと思いました。この安売りスーパーを利用すれば、相当な低賃金でもやっていけそうです。
 
 ある人達はインフレを起こせと主張していますが、インフレの時こそこのような安売りスーパーにの出番でしょう。世界中が絶対的な供給過剰になっていると思います。なぜならほとんどの国は輸出によって利益を得ようとしているし、ほとんどの生活用品はその性能に差がないからです。
 
 絶対的な物不足の国ではいつもインフレの恐怖があります。しかし、物余りの国日本では、物価が上がれば買わないという消極的な方法で対抗する可能性があります。あるいはそれまで国産製品だったものを中国製品に買い替える可能性もあります。
 
 とりえあず円安にはなりそうにありません。円高が続く限りインフレは難しいようです。ただこれだけ安い値段で売られたのでは、街の商店街の商店は対抗できないと思いました。それに日本は1家に自動車が1台でなく、一人に1台の状態です。
 
 ですから、皆遠くから車で買いに来るようです。今日は平日だし、それも昼食時だったのですが、300台くらい駐車できる場所に200台近く駐車していました。皆少しでも安い値段を求めて買いに来ているのです。おじさんは閑なので、外出する度にいろいろなことに気がつきます。
 
 今日はなんだかまとまらない話になりまいしたが、デフレがここまで来ているのかということは実感できました。そうなると、働く人の給料もそれに近づいて行くのではないかとも思いました。