新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

維新の会の政策について思う。

 今日は午後から晴れ間もでてきて暖かくなりました。数日続いた雨も一段落です。と言っても週末はまた寒くなりそうです。今日はツマクマもいないので、繁華街の本屋さんに行ったりして過ごしました。繁華街には結構大きな本屋さんがあります。
 
 今日は大きなニュースがありました。日銀がとうとうインフレターゲットを考慮するとの報道がありました。さらなる金融緩和をデフレ脱却まで続けるようです。アメリカも2014年までデフレ傾向が続くなら、金融緩和を続けると言っています。おかげで株式市場は上昇し、円安に振れたみたいです。
 
 この傾向がいつまで続くかは不明です。ただ危惧されるのは、このような金融緩和が続きすぎて、バブルになったり、通貨切り下げ競争が激しくならないかということです。円だけが安くなればよいのですが、そうなれば今輸出で一息ついている諸国も今度は日本に輸出先を取られるので、通貨安の方向な政策を取る可能性もあります。
 
 これから経済がどうなるか、全く見通しがつかない状況です。イラン情勢も含めて中東情勢も不透明です。シリアの政権が崩壊すれば影響は大きいと思います。だからこそ、中国もロシアもシリア制裁に反対しているのです。イランはシリアを支援しているので、シリアが崩壊するとイランにも影響があるでしょう。
 
 さて今日の朝日新聞を読むと、いよいよ維新の会が政策の大枠を発表しているようです。細かいことはまだ出ていないようですが、大体の進む方向は見えてきました。一言で言えば、それほど新味のあるものではありません。おじさんは維新の会に期待していないので、見方も厳しいかもしれません。
 
 そもそもネーミングが気になります。「維新」にしても「船中八策」にしても、時代がかったお芝居のせりふのようです。ところで、おじさんは、以前明治維新から67年目はどんな時代だろうかと考えてことがあります。その頃の日本は今と同じように政党政治が行き詰っていました。それにやはりデフレで困っていました。ただ当時は農産物の価格が低下して農村が疲弊していたようです。
 
 現在の農村ではそんなこともありません。当時「昭和維新」という言葉が流行しました。なんだか今の時代に似ていると思います。こんな時代には、思い切って何か既成の体制を壊さなければ、あるいは壊して新しい何かがほしいと考える人も多くなるものです。
 
 具体的に見てみると、首相公選や参議院の廃止、憲法改正規定の見直しなど、短期間ではできそうもないものがあります。首相公選については、外国でもやったけれでうまくいかなかったと言われています。それは議会と首相が対立することが多いからです。(大統領制アメリカでも大統領と議会が対立して大変です。)
 
 まして、参議院の廃止などは明治の国会開設以来の2院制の変更なので、大変な議論になると思います。また年金制度について、掛け捨てを考えているようですが、そんなに簡単にはできないでしょう。朝日新聞の記事を読む限り、現在の政党と協力できるのは、道州制と公務員の人件費削減くらいです。
 
 みんなの党の担当者も言っていますが、自分達の主張とほとんど同じようです。もちろん、橋下市長は自分には今の政治家にはない実行力があると主張したいのだと思います。しかし、ねじれ国会が解消しないかぎり法案を通すことはできません。
 
 仮に次の総選挙で多数をとったとしても、野党に転落した自民党民主党参議院は占められています。今民主党が苦しみ、かって自民党が苦しんだねじれに、維新の会が苦しむだけです。それに、大幅な公務員の給与削減を提唱するのですから、当然官僚支配からの脱却も主張するでしょう。
 
 行政経験の少ない政党はある程度は官僚の力を借りなければどうにもなりません。大阪市大阪府のような地方自治体であれば、行政のする内容はたかがしれています。(3割自治と言われるように、地方の行政の7割は国の下請けなのです。)しかし、国固有の行政である司法・防衛・外交・財政などは、よほどの専門知識や経験がなければやれないと思います。
 
 維新の会が政権を握ったとしても、そのような行政を指導できる政治家はそんなにいないでしょう。政治家はやはり経験を積んでいなければ、素人ではたとえ民意で選ばれた代議士といえども国政を担当できないのです。民主党が良い例です。政治家の力を過信しすぎたのです。もし、多数党にはならないが、ある程度の数の議席を確保したとすれば、今度は政界はいくつもの勢力に分裂し、意見をまとめるのが難しくなるでしょう。
 
 かってイタリアがそうで、小党分裂でしょっちゅう首相が代わっていました。既成政党で次の総選挙で与党に返り咲くはずの自民党もあの支持率では、かっての小泉郵政選挙議席に届くのは難しいでしょう。それに選挙制度をどうするかで、議席も大きく変わります。
 
 とりあえず3月解散はなさそうで、おじさんの予想では9月に話し合い解散となるのではないかと思います。というのも、何とか1票の格差に決着をつけなければ、総選挙は無理だからです。もし、自民党が妥協するなら、公明党の意見も取り入れて話し合いがつくかもしれません。今の段階では選挙制度改革は暗礁に乗り上げています。
 
 案外維新の会の態勢が整う前に、ばたばた自公と民主が話しあって、6月解散というのもあります。政治は一寸先は闇なので分かりません。特に維新の会は消費税について立場を鮮明にしていないので(これを鮮明にすると、支持が分裂するからでしょうか)消費税の是非を巡っての総選挙となれば闘いにくいでしょう。
 
 そういえば早速TPPについては基本的に賛成の立場を打ち出したので、農村部では維新の会に対する落胆があると思います。ただ大阪都を目指し、産業振興を打ち出す橋下市長としては、経済界が賛成するTPPに反対することはできないと思います。
 
 明日は、またいろいろ忙しそうです。