新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

最近のニュースについてー経済情勢と中国情勢を中心に

 今日は朝から気温が低下し、今は小雪が降っています。週末にかけては寒くなりそうです。ツマクマは最近始めたフラワーアレンジメントに行っています。おじさんは、寒いので家で巣籠り状態です。
 
 さて、最近時代の流れの変化を示す報道がいくつか出ています。今日はそれについて書きます。いつもブログを書きながら思うのは、おじさんはあくまでも評論家あるいは観察者だということです。具体的に何かの行動をしたり対案を出すのでなく、今ある現状を分析するだけです。
 
 まあ定年も過ぎ、平均寿命を80歳とすると残り16年ですから、当然かもしれません。若い方ならもっと何かできるのかもしれません。ですから論調も現状維持的になるのは仕方のないことです。日本も戦後67年で、もうすぐ70年となります。古い言葉にも「七十古来希なり」(しちじゅうこらいまれなり。・・70歳まで生きる人は昔からまれである。)とあります。70年というのは一つの区切りなのでしょう。
 
 もうそろそろ時代は大きく生まれ代わる時なのかもしれません。ところで、まず目を引くのは為替相場や株式相場が大きく動きだしたことです。あれほど頑強に円高傾向にあった対ドル・ユーロ相場も動きだしました。これは輸出産業にとって大きな援護射撃になります。それにつれて株式相場もこれまでにないスピードで上昇しています。
 
 理由はいくつかあります。一つは、ヨーロッパの財政危機が少し落ち着きを取り戻したことです。それまでユーロ自身が崩壊するのではないかと言われていましたが、ギリシャ財政再建を承認したことでひとまず安心ということになりました。また、アメリカの景気も底打ちをしたようです。それでアメリカの株式相場も上昇し、それに伴って、円安傾向になりました。
 
 また日銀がインフレターゲットに近い政策をとったこともあります。金融緩和で市場にでまわる通貨が増加し、それが株式相場に回っていることもあります。ただ、この傾向がこれから先も続くどうかについては疑問です。問題は解決されないままだからです。
 
 政局の方は膠着状態のようです。選挙制度改革が進まなければ解散総選挙はできません。それに復興予算は通過しても、本予算の国会通過の問題があります。本来なら野党第一党自民党がゆさぶりをかけてくるところですが、どうも党首の谷垣氏の態度が煮えきらないようです。
 
 おじさんとしては、ここは一気に消費税やTPP,選挙制度について与野党協議に入り、それを片付けて9月に解散総選挙にもって行くと良いのですが、そうもいかないようです。難問を残して総選挙を行い、自民党が政権に復帰しても、今の民主党と同じように、党内の意見調整で苦しみ、参議院の壁にぶつかって、政治が停滞するだけのような気がします。まして第3極と言われる政党が進出すれば、ますます国会運営は難しくなります。
 
 最後は中国情勢です。経済情勢については、成長がダウンするとは思いますが、いつも書くように内需の規模が日本と比べものにならないほど大きいので、一気に経済が破たんすることはないと思います。一党支配なので、経済政策も臨機応変に行えます。
 
 それ以上に問題なのは、重慶市の副市長が逮捕されたという報道です。この街の書記は政治局入りがうわさされている薄氏です。報道されているように、内陸部最大の都市(人口3000万人)で発展も著しいです。その成果をもって政治局入りが確実視されていたのに、一気に政治問題化しています。
 
 薄書記はテレビで見たことがありますが、演説も上手で市民の評判も良いようです。彼は次の主席に確定している習近平氏のグループです。ライバルで首相に目されている人もいますが、中国での人気や演説のうまさから言えば、圧倒的に習氏の方が上です。おじさんも、中国のテレビなどで、二人を見ましたが、習氏の方が上です。
 
 今中国では、太子党グループと共青同グループが大きな派閥です。今回の副市長の事件はどうも共青同側が、太子党グループに仕掛けた攻撃のようです。時期的に太子党の盟主である習氏がアメリカ訪問中に、仕掛けているところもそれを示唆しています。
 
 このままで行けば薄氏の政治局入りはつぶれるでしょう。薄氏もこのまま黙って引き下がるわけにはいかないでしょうが、中国の場合、事件が表に出たこと自身すでに勝負がついたことを示していると思います。収拾するには、事件が表に出るまえにどうにかしなければならないのです。(これは日本でも同様です。)
 
 もちろん、太子党が勝っても共青同派が勝っても、今の政策が大きく変更になることはありません。そうは言っても中国の政局は日本に大きな影響を与えるので、注目しなければならないと思います。北朝鮮についても、中国は安定のために大規模な援助を行うようです。
 
 その見返りとして、中国が北朝鮮で大規模開発をすることを認めるようです。小さな記事でしたが、現在中国が借用している北朝鮮の港の埠頭をさらに貸し出すようです。かって帝国主義の時代、大国はまず港を借用し、さらに、後背地の都市を租借します。
 
 次に租借地の警備や治安維持の名目でまず警察を派遣します。次にわざと騒ぎを起こして、警察では対応できないのでという理由で小規模な軍隊を派遣し、実績を作っておいて、少しずつ理由をつけて軍隊の規模を拡大するのです。一度実績を作られると断るのが難しくなるのです。
 
 かって中国はこの手で、多くの都市を植民地化されました。今度は北朝鮮でその手を使うのではないかと思っています。もちろん最終目的は、親中政権の樹立です。あるいは、北朝鮮が暴発しそうになった時、その軍隊を使って暴発を阻止するのです。その準備を着々と行っているように思えます。北朝鮮は、現在の体制を維持するために、背に腹は代えられず中国の意向に従うしかないようです。
 
 若い指導者にはまだ老練な中国の意向を押し戻す力はないようです。案外軍部の指導者も我が身の安全と地位の保証を条件に中国の支配下に入るのを承認しているのかもしれません。国際政治は権謀術数の世界ですから。(韓国ドラマ「トンイ」・・NHK・BSでそんな内容をやっていました。時代は変わっても中国いつもその手を使っています。韓国ドラマにおける朝鮮と中国の関係は北朝鮮問題を考えるヒントになります。)
 
 明日も寒そうなので巣籠りになりそうです。