新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

橋下改革の行方

今日は朝の間は肌寒かったのですが、午後からは暖かくなりました。おじさんの街の桜も今が満開です。明日は司式(礼拝の司会)なので、今日はその準備をしました。一番大きな仕事は、礼拝のお祈りです。明日はイースター(復活祭)なので、そのことをお祈りの中に含めました。

 さて、数日前から橋下市長が、歳出削減案を考えているとの報道がありました。それに、組合活動に関する調査については、開封せず破棄するとの報道もありました。その前は、維新の会の市議がねつ造書類を基に、市議会で質問を行ったことが報道されていました。

 橋下市長については、ブログの意見などを見ると賛成派の人が多いようです。彼の強みは、いくつかあります。一つは決断の早さです。また実際の行動に移す点も特徴です。さらに従来のいきがかりにこだわらない点も特徴と言えるでしょう。

 しかし、同時に橋下市長が今まで評価された改革は、総論賛成、各論賛成の部分ばかりだとも言えます。もちろん、公務員や教員に関する条例などは、大胆な方針だとは思います。しかし、それに反対する人は公務員か教員しかいないので、圧倒的に賛成の意見が多いでしょう。

 また、選挙で勝利する原因ともなった大阪都構想も、市民にとってはどちらでも良いことです。さらに関西電力原子力発電所の運転停止についても、電気料金さえ上がらなければ別にかまわない、あるいはいいんじゃないのと言ったところでしょう。

 しかし、今回の歳出削減は市民のある部分に直接影響が及びます。もうひとつ橋下市長の特徴は、敵を作ってその敵を徹底的に攻撃することです。その手法は小泉さんに学んだのではないかと思うほどです。ただこのやり方がどんな結果を生んだかはご存じの通りです。

 郵政選挙の目玉の郵政改革は、小泉さんの引退とともに頓挫しました。小泉チルドレンも、現在では誰もいなくなりました。今回橋下市長が敵としてあげたのは、高齢者と生活困窮者です。若者の間には高齢者ばかりが優遇されているという意見があります。ブログの意見などにもよくでています。

 ただ選挙の際にはこのことは全く触れないで、市長になってから突然アイデアとして出てくるのはどうかと思います。もし、選挙公約(マニュフェスト)として高齢者への歳出削減を掲げて戦ったら、あのような大勝利とはならなかったでしょう。

 これからが正念場だと思います。もし、大阪の高齢者や生活困窮者が財政が厳しいのだから仕方がない。あるいは自分たちが支持した市長がいうのだから仕方がないと思ってくれるなら、橋下市長の改革は大成功だし、国政に進出しても期待できるでしょう。

 同じように改革を掲げて大勝利した愛知の減税政党は自壊してしまいました。理由は政党運営に慣れておらず、議会運営に失敗したからです。あの体たらくを見たら、有権者は次回の選挙で減税政党に投票するのを考えるでしょう。

 維新の会についても、報道を見る限り同じような傾向が見えます。また、他の政党だと、党首の他に有力な議員やその議員を中心のするグループ(派閥と言ってもいいのですが)が存在するのですが、維新の会については、そのようなものがありません。党首とでも言うべき橋下市長の姿だけが浮き上がっています。

 もし、橋下市長が国政に参加したら、大阪都構想などどうなるのか分かりません。既成政党も人気のある彼だから意向を聞いているのです。もし、このまま政権を橋下市長が掌握したとして、もし彼が病気で政治運営ができなくなったら、代わりに政治を行う中心がありません。

 また、橋下市長は常にマスコミの注目を浴びることで、人気を保っています。そのため、常にマスコミに注目される政策を打ち出し続けなけらばなりません。つまり立ち止ったじっくり考えることができないのです。もし、マスコミに発信することがなくなれば、急速に世間から忘れられていくでしょう。

 現代であってもネットの意見よりマスコミ特にテレビの影響力が大きいです。ある年齢層より上の世代は、今でもマスコミの影響が大きいです。そもそも橋下市長が知事の当選できたのも、マスコミで顔を売っていたからです。それだけにマスコミの力を良く知っていると思います。

 橋下市長がどこまで走り続けられるのか。また維新の会の議員がどれだけぼろを出さずにすむのか。マスコミが橋下市長の新鮮度をどこまで支持するのかに将来はかかっています。立ち止れば忘れられるし、だんだんすばやく処理できる課題はなくなるでしょう。

 これからは総論賛成、各論反対の件案が続きます。最大の難関は大阪経済の浮揚です。これは素早い意思決定を得意とする橋下市長でも簡単にはいきません。関西電力の対応から大阪経済界にも、橋下市長はポピュリストだとの認識も深まっていると思います。

 これからの橋下市長と維新の会の動きが注目されます。ただ言えることは、時間の経過とともに、橋下市長のカリスマ性や意外性が失われたいっているということです。何をするかわからないところに、魅力がありました。しかし、今見るところだんだん普通の政治家、それもポピュリストの側面がでているような気がします。

 興味のある方は今日の「アゴラ」の「「橋下市長について」「橋下徹のポピュリスト宣言」を読んでみてください。明日は、イースター礼拝の後、教会墓地で墓前礼拝があります。