新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

中国の高齢者・日本の高齢者

今日は朝方は小雨だったのですが、午後からすっかり晴天になりました。おじさんは、午前中から寒気がしてちょっと風邪気味だったのですが、昼寝をしたら回復しました。多分昨日と一昨日2日間出ずっぱりだった疲れが出たのだと思います。

 昨日は午前9時頃から出かけて、帰ったのは午後10時半でした。昨日は社会経済論演習のテキストを貰いました。講義の名前には「日本」と付いていますが、受講生が全員中国人の大学院生なので、内容は中国経済論です。中国人の大学院生は全員、中国の経済について修士論文を書きます。

 テキストの名前は「中国経済入門3版 世界第二の経済大国の前途」です。日本評論社の本です。値段は2600円です。これを分担して発表します。目次を見てみましたが、なかなか興味深いです。昨日は分担を決めました。おじさんの分担は「農村はいかに変化したかー農業と農村振興」です。

 中国にいた時、学生さんの出身地の農村を訪問しました。農村と言っても都市近郊の農村です。日本の地図にも載っているような街から別の街への幹線道路(バス道路)沿いの農村です。しかし、中国農村の典型のようです。その学生さんは女性ですが、この村から大学に進学したのは自分が始めてだと言っていました。

 また、おじさんが中国滞在中に今話題の重慶市農村戸籍から都市戸籍への転換を発表しました。そのような経過もあるので、おじさんとしては望むところです。細かい本の説明はまた来週以降授業報告で書きます。

 中国だけだはなく、どこの国でも農業問題は政治の中心になります。先日書いたブログについても、農業・漁業への企業の参入を認めるべきだというコメントがありました。これは難しい問題です。教育については、企業の参入が認められています。介護や保育についても、少しずつ開放さています。

 さて、今日は高齢者についての日中比較です。実は高齢者も含めて社会的弱者について、日中では大きな違いがあります。いつかそれについても書きます。(障害者・生活弱者・育児放棄など)中国の高齢者に関する記事は今日のダイヤモンドオンラインというサイトで詳しく見ることができます。

 おじさんが見たのはこのサイトです。日中の高齢者の違いを一言で言えば、記事の通り、日本の高齢者は内向きで、中国の高齢者は外向きだということです。記事に会った通り、中国ではどこに行っても踊りをやっています。おじさんの住んでいた大学構内も同様です。ちょっとした広場のようなところに、ラジカセを持ってきて、夕方7時くらいから、がんがん踊っていました。朝は太極拳だったと思います。朝7時くらいからやっています。もちろん参加は自由です。

 ほとんどは、中古年の女性です。男性も交じっています。退職者か現職者の奥さんです。おじさんの街の繁華街でも踊りをやっていますた。ここでは2つくらいのグループがやっていました。旅行で言った岳陽(ここは漢詩で有名な岳陽楼のある街)でも、200人くらいの人が1グr-プになって踊っていました。ここでも2グループくらいありました。こちらは、大型アンプをセットしてやっていました。

 リーダーの女性が前に出て踊ります。こちらもほとんど中高年の女性です。男性高齢者の場合は、将棋をしたりしています。スクールバスの待合場所で1日中高齢者が話をしていました。グランドの鉄棒で体操をする高齢者もいます。

 日本と一番違う高齢者の仕事は、何と孫の世話です。もちろん保育所に相当する施設もあります。(名前は幼稚園ですが、給食もでるし、夕方まで預かります。)大学の構内にもあります。幼稚園でもスクールバスを持っていて、遠くから子供を集めたりしています。有名幼稚園では英語を教えたりします。そんな幼稚園はコネがないと入れません。

 さて、話は戻りますが、中国では孫の世話こそが高齢者の最大の仕事であり楽しみでもあるのです。ある先生の知り合いなどは、孫の世話をさせないなら経済的援助をしないとまで言われたそうです。中国では結婚したらすぐマンションを買います。

 どこの国でも新婚時代はお金がないので、親が援助します。大学関係者の親はほとんどが中産階級です。ですから、すでにあるレベルの経済力があるのです。それに中国の場合、女性の定年は55歳です。母親も体力があるのです。

 また、現実的な理由もあります。中国では子供の誘拐がとても多いのです。行方不明の子供を探すテレビ番組があるくらいです。それで、小学校の前には下校時間に大勢の高齢者が子供を迎えに来ています。ある小学校では電子掲示板で下校する子供のクラス名がでていました。

 街だと小学生の数も多いので、校門前は迎えの人で大混雑です。ある小学校はバス通りに面しているので、上級生が、ロープを引いて自動車を止めていました。ルールを守らないので有名な中国のドライバーもさすがに、小学生のリーダーの引くロープを無視したりはしません。

 当然ですが、そんなことをすれば集まっている高齢者がただでは済まないからです。そう言えば高齢者で鳥の鳴き声を楽しむグループもいました。マンションからスクールバスの停留所に行く途中で良く見かけました。

 鳥かごに鳥を入れて、鳴き声を楽しんでいました。グランドでは朝夕ジョギング(ほとんどの人は歩くだけ)する高齢者も大勢います。こちらは若者も中年の人もいます。大学構内には、あちらこちらに簡単なアスレチック施設があって、こちらでも高齢者が体を鍛えていました。幼児を連れたおばあさんが多かったです。

 日本のようにスーパーやデパートのベンチに座って所在無げに時間を過ごす姿は余り見かけませんでした。中国人男女を問わずすぐ誰にでも話しかけ仲良くなるので、日本のような黙って座っている姿は少ないようです。おじさんも、スクールバスの中で何度か知らない先生に話しかけられました。(もちろん中国語)

 やはり大陸の人は島国の人に比べて開放的だと思いました。もちろん、認知症の人や体の不自由な人もいるはずです。このような人は今度は日本と逆に外に出られないようです。10階建ての教職員アパートでも古いものはエレベーターがないのです。また、歩道には段差があるし、物も置いてあります。体の不自由な高齢者を街でみかけたことはありません。(車いすの高齢者を大学構内では見かけました。)

 老人ホームも見ましたが、日本に比べると圧倒的に少ないようです。待ち構える急速な高齢化と少子化は日本以上に中国社会に影を投げかけるでしょう。(1人子政策なので)農村部のや都市の低所得者層の貧しい高齢者や身寄りのない高齢者をどうするかの問題もあります。孝を重んじる国ですから、そのままにしておくわけにはいかないでしょう。

 今日は中国の高齢者を中心に書きました。明日は来週の授業の準備や大学院の授業の予習をします。