新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

規制緩和の光と影

今日は一日曇り空でした。天気予報によれば夜には雨になるようです。今日は午前中は雑草抜きの後夏用にカーテンを交換しました。午後は教会関係の書類作りをしました。総会議事録や役員会(現長老会)議事録などを作ったのです。

 総会議事録は総会ごとに、役員会議事録は毎月作成します。そして、それは議事録簿としてまとめ、毎年1回教団の審査を受けなければなりません。また、県の宗教課から、監査があった場合、見せなければならないのです。宗教法人に必置の書類なのです。議事録には、添付書類も貼りつけなければなりません。

 総会だと資料が10ページ以上あるので大変です。資料は貼付し、四隅にハンコを押す必要があります。行政関係文書はハンコの塊なのです。訂正も二重棒線にハンコではダメなのです。○○字挿入とか、削除とか書き入れなければなりません。そのあと又ハンコです。電子文書の時代がくれば簡単なのですが。

 今日は円高でした。80円を割り込んで79円になりました。一時の円安株高の流れが完全に断たれました。ヨーロッパの総選挙や大統領選挙で、財政緊縮派が敗北しそうだからです。こうなれば、ユーロ全体の財政立て直し計画がくずれてしまいます。特に有力な国家であるフランスが方向転換すると大変でしょう。方向転換をきっかけに、フランス国債も売られるかもしれません。

 こう考えれば少なくともユーロ安になりそうです。アメリカの景気も一服状態となれば円高は仕方のないところです。どんなに日本の政治が混乱しても、やはり日本経済は他の欧米諸国に比べて安定しているのでしょう。とりあえず、民族問題も宗教問題もないだけ、欧米より社会が安定していると思います。少なくとも日本国内では人種暴動や宗教がらみのテロ事件は考えられません。

 さて、先日大きなバス事故が起こりました。以前から問題になっていた高速バスの運行です。バス会社の高速バスでなく、ツアー会社が主催する高速バスです。このような運航形態は以前は認められていなかったのですが、規制緩和で認められるようになったのです。

 以前も大きなバス事故が起こって、規制がなされたと聞いていました。今回は余りその経験が活かされなかったようです。生命に関わるような経済活動にはやはり規制が必要だと思います。高速バス運航についても規制緩和後参入企業が増大したようです。

 その点では、経済活動が活性化したと言えるでしょう。それが運賃低下を引き起こし、利用者のとってありがたかったとも言えるでしょう。今回の事故の路線の値段を聞いても、利用しようという気持ちになると思います。ただ常識的に考えて、料金が考えられないほど安いのには理由があるはずです。

 それが運転手の人件費のカットや労働条件の悪化によって作り出されたとしたら、見過ごしにできないでしょう。タクシーについても、規制緩和から運転手の労働条件の低下が問題になったと聞きました。日本の場合、規制緩和が需要を超えた参入過剰になり、安値競争になりやすいようです。

 以前から日本の場合、各企業の住み分けが難しく、人気がでると一斉に参入し、ダメだと一斉に引き揚げたりする傾向があります。中小企業が何か始めたら、あっと言う間に大企業が参入し、中小企業は撤退しなければならなくなるそうです。今回の太陽熱発電などその例になるのではないでしょうか。もし、買い取り価格が下がったら一斉に撤退すると思います。(介護事業なども多くの企業が参入しましたが、相当程度撤退したようです。おじさんの家の近くでもその例を見ました。)

 雇用規制の緩和についても同様でしょう。雇用規制を緩和すれば、どんどん中高年が解雇され、そのあとを若者の雇用で埋めるのではなく、解雇した中高年を非正規社員として再雇用することで経費削減を行うと思います。今回の事故は規制緩和が光ばかりではないことを示しています。

 物事にはバランスが必要です。規制緩和についても、全面的に実施するのではなく、分野によっては規制を残したり、逆に規制を強化する必要があると思います。ヨーロッパではすでに、新自由主義的な経済運営が否定されつつあるようです。

 ただ、世界中が保護主義ナショナリズムに走るのも危険だと思いますが。明日は授業です。