新おじさん教師のひとりごと

長年高校教師をした後、中国の大学で日本語を教え、3年間過ごして帰国しました。今は引退して年金生活です。個人的な意見を書いています。

日本社会を考える二つの座標軸

今日は午前中は曇りだったのですが、とうとう夕方から雨になってしまいました。ヨーロッパもアジアも現在は政治経済とも不安定のままです。アメリカも大統領選挙が終わるまで本格的な動きができないと思います。日本の遅くとも来年の夏過ぎまで総選挙があるでしょう。

 さて、今日はこの1年様々なブログやコラムも見て考えたことを書きます。極めて大雑把な捉え方ですが、複雑だと思われた現代社会を大まかに分析する手段としては有効だと思ったのです。ベルリンの壁崩壊までは、資本主義と社会主義が座標軸でした。米ソ対決や自民党社会党を考えれば良く分かります。

 しかし、冷戦終結後、新しい軸ができつつあります。その二つの対立軸の一つは、社会民主主義新自由主義です。大きな政府か小さな政府かと言い換えても良いし、政府主導か民間主導か、規制重視か規制緩和かでもいいです。前者を社会民主主義でくくり、後者を新自由主義でくくりました。

 もうひとつの対立軸はグローバリズムナショナリズムかです。これを組み合わせれば、ある程度現在起こっている政治・社会問題の論点が分かってきます。そして、おじさんの大胆な意見で言えば、日本人の大人はこの座標軸のどれかに大きく組み入れられています。(子供はそんなことを考えたこともないからです。)

 二つの軸の関わり方は社会的立場によってすこしずつ変わります。極めて大雑把な分類ですが、話の種に読んでみてください。まず社会民主主義+ナショナリズムから考えてみましょう。この立場の社会階層は第一次産業従事者特に農業従事者ということになります。 TPP反対を唱えている人たちがこの軸に入ります。消費税にも原発再稼働にも反対ということになります。また、商店主などの自営業の人もこちらに入ると思います。大規模スーパーがどんどん進出して困っているからです。医者などもこちらでしょう。

 高齢者概ねこの軸に入るでしょう。次に社会民主主義+グローバリズムとなるどどうでしょう。これは大部分のサラリーマンが該当します。規制を緩和して競争にいそしむのを願うサラリーマンは少ないでしょう。

 大部分のサラリーマンはそこそこ頑張ってたのしく暮らしたいと考えています。さりとえてグローバリズムに反対することもできません。グローバリズムは世界的な流れで、自分の会社であってもその流れからはずれることはできないとしているからからです。高齢者でも厚生年金受給者もこの立場に近いでしょう。

 それでは新自由主義+グローバリズムはどうでしょう。一部の有能な学生さんなどはこちらかもしれません。この軸には会社経営者などが入ります。階層的には上位の階層が入ると思います。農業従事者などはまず入りません。TPPに賛成し、消費税にも賛成なのはこのグループでしょう。多分原発再稼働にも賛成です。

 最後に新自由主義+ナショナリズムの場合です。実はおじさんが一番恐れているのは、この軸の人たちの増加です。ブログにコメントを載せる人の大部分がこのグループの人のような気がします。ブログの意見は大体このカテゴリーのものが多いです。橋本市長もややこの軸に近いと思います。

 実は、民族派あるいは保守派を標榜する雑誌の中で橋下市長に対して批判的な文章を見てそう思ったのです。新聞報道などから考えれば、橋下市長などは保守派の人から大歓迎で受け入れられると考えたのですが、そうでもありません。日本の伝統保守の人の考え方は新自由主義とは相いれない部分があるようです。

 橋本改革についても保守派の雑誌で批判しているのをみたことがあります。保守派の人の支持基盤はやはり社会民主主義+ナショナリズムなのでしょう。

 ところで、新自由主義+ナショナリズムの軸の所属するグループの社会階層はどうでしょうか。おじさんの考えでは、非正規雇用あるいは大きな組織に属さない立場の人たちであろうと思います。若者が多いと思います。ブログなどを見ると中高年に対する批判が強いからです。ブログで批判される既得権益のグループの人は社会民主主義支持になるからです。

 既得権グループは日本では圧倒的な多数派です。大企業サラリーマン・公務員・第一次産業従事者・年金受給者などです。数千万人に及ぶでしょう。新自由主義でもグローバリズム支持は大企業経営者などです。

  もちろん、どの立場が正しいと言ったものではありません。それぞれの価値観に従って生きていけばよいということになります。ただ、現在の複雑な社会を考える手掛かりとして、ちょと思いついただけです。

。明日は中間考査の問題を考えます。